夜が来る。ネヴィルは一人、キッチンで夕食の用意をする。冷凍肉をグリルに入れ、豆を煮る。料理を皿に盛っているとき、いつものように奴らの声が聞こえてきた。「出てこい、ネヴィル!」……突如蔓延した疫病で人類が絶滅し、地球はその様相を一変した。ただ一人生き残ったネヴィルは、自宅に籠城し、絶望的な戦いの日々を送っていた。そんなある日……戦慄の世界を描く名作ホラー、最新訳で登場!(『地球最期の男』改題) 内容紹介より
新訳ということで久しぶりに再読。
この時代に書かれたSF作品に見られる第三次世界大戦や核戦争への恐怖感、不安感に吸血鬼伝説を見事に融合させた作品であり、個人的には、(ネタばれ→)「主人公の立場の逆転」という驚愕の展開が初めて読んだ時からずっと記憶に残っている物語です。さらに誉めますが、本作品がすべてのゾンビ作品のひな形と言う点では、生物学で言えばタイプ標本であり、また、本書を祖にして適応放散し数多くのゾンビ作品が生まれたことを考えるとこの作品の偉大さをあらためて感じます。
それから、マシスンはすでにゾンビ(吸血鬼)自体にスラップスティック・コメディの要素を見いだしている点も注目すべきでしょう(p96)。
とにかくリチャード・マシスンの傑作ですね。
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