『スケルトンキー』アンソニー・ホロヴィッツ 集英社文庫

2009-09-04

☆☆☆

全英オープンテニス選手権大会(ウィンブルドン)のボールパーソンとなったアレックスは、そこでサビーナと出会い楽しく会話を交わす最中、素行の怪しい男を発見。それが大きな事件へと発展する。一方、アレックスの活躍を評価する米国CIAは彼に協力を要請。カリブ海にある旧ソ連の軍人サロフの邸宅へと潜入したアレックスは、サロフから意外な提案を受ける……。絶好調の映画化シリーズ第3弾! 内容紹介より



これまでのシリーズ作品の中で一番出来が良いと思います。今回は主人公アレックスの内面をこれまでになく掘り下げて描いているからでしょう。女友達とその家族との交流、スパイ工作のために家族を装ったCIA工作員とのやり取り、敵役のサロフから持ち込まれたある提案、これらの出来事が両親を亡くしたアレックスの父母への思慕と家庭を失ったことによる喪失感を浮かび上がらせています。主人公の少年の心にある暗い部分を見せることで、荒唐無稽な話しにも深みが出てきたように感じます。サロフの企みは狂っているとはいえ、決して個人の欲望とか自己中心的な動機からではないところもこのシリーズの新しい一面です。

『ストームブレイカー』
『ポイントブランク』




スケルトンキー―女王陛下の少年スパイ!アレックス (女王陛下の少年スパイ!アレックス)スケルトンキー―女王陛下の少年スパイ!アレックス (女王陛下の少年スパイ!アレックス)
(2003/06)
アンソニー・ホロヴィッツ

商品詳細を見る





テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『ポイントブランク』アンソニー・ホロヴィッツ 集英社

2009-04-26

☆☆

事故死した叔父の後を強引に継がされてM16のスパイとして大活躍してしまった14歳の少年、アレックス・ライダー。スパイなんてこりごりと決めていたのに、またもや任務を押しつけられる。相次ぐ実力者たちの謎の死。その鍵を握る、雪山にたたずむ私立学校『ポイントブランク』。そこに潜入したアレックスは、世にも不思議で恐ろしい計画を目にする…。大好評のシリーズ第2弾。 内容紹介より



読んでおいてこんなことを言うのもなんですが、この〈女王陛下の少年スパイ!アレックス〉シリーズは、一体誰が読んでるのでしょうか?面白いとかつまらないとか以前に、というか、このシリーズは6冊出版されているから人気があるのでしょうけれど、読者層はどの辺なのか、かなり気になるんですけど。内容的には小学校高学年から中学生向けだと思いますが、今時のその年齢層はゲームをしたりアニメとか観たりしているイメージが強いし、本を読むにしてもスパイ小説なんてバカにしてそうな気がするんですよね。しかも、まずこのシリーズはハードカバーで出して、その後文庫落ちしてて、ハードカバーは一冊1600円以上するんですけど。

内容は、〈ジェームズ・ボンド〉シリーズで確立したフォーマットの使い回しなので、安定感はありますが、当然、新しさは感じません。こういうスパイアクション系の話において一番の目玉である、主人公が身に付ける秘密兵器も地味なアイテムなので盛り上がりに欠けます。

『ストームブレイカー』アンソニー・ホロヴィッツ



ポイントブランク―女王陛下の少年スパイ!アレックス (女王陛下の少年スパイ!アレックス)ポイントブランク―女王陛下の少年スパイ!アレックス (女王陛下の少年スパイ!アレックス)
(2002/12)
アンソニー ホロヴィッツ

商品詳細を見る


テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「ストームブレイカー」アンソニー・ホロヴィッツ 集英社文庫

2008-07-01

☆☆

「シートベルトの締め忘れで即死? 叔父に限ってありえない!」親代わりだった人の事故死を悲しみながらもアレックスの明晰な頭脳と運動神経はフル回転、解体工場に忍び込み弾痕だらけの叔父の車を発見! 翌日叔父の勤務先から呼び出された彼に、さらに驚愕の事実が突きつけられる。「叔父さんは我国の特殊工作員だった。今度は君が手を貸す番だ」14歳の少年スパイ、アレックス誕生の第1弾。 内容紹介より



主人公が少年少女ならば、読者は彼らの精神や身体(能力)の成長過程をみていくことで主人公に感情移入や共感をしやすくなると思うのですが、このアレックス君は始めから頭脳が優秀で空手の有段者であり、工作員の訓練キャンプでSAS隊員にいじわるをされても寛容な心で許してしなうほど人間ができている、いわば完成品の状態で読者の前に現れるのです。
そんな具合ですから物語も意外性なし、どんでん返しなし、お手軽なスパイ活劇に終始してしまっているわけです。しかも悪役がカリスマ性がなく犯罪動機が個人的すぎてせこい。なにも敵役まで精神的お子ちゃまである必要はないので…。とりあえず、主人公には肉体的弱点、精神的欠点、大きな声では言えないオタク趣味などなにかしらの特色、特徴をつけてもらわないと味の薄くなったガムを噛んでいるみたいで、ものすごく物足りなさが残ります。どちらかと言えば、スパイキッズの再放送でも観てたほうがいいでしょう。



ストームブレイカー (集英社文庫 ホ 9-1 少年スパイアレックス・シリーズ 1)ストームブレイカー (集英社文庫 ホ 9-1 少年スパイアレックス・シリーズ 1)
(2007/07)
アンソニー・ホロヴィッツ

商品詳細を見る

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

てんちゃん1号

  • Author:てんちゃん1号
  • 海外ミステリなどの感想を誤字脱字、表現・文法間違いを交え、思い込みと偏見を持って書いています。そんな素晴らしいブログなのでリンクとか何でもフリーです。異次元、霊界、他惑星からもお気軽にどうぞ。

カテゴリー

最近の記事

月別アーカイブ

03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07 

ユーザータグ

短編集 ホラー SF クリスマス・ストーリー アンソロジー ルース・レンデル アーロン・エルキンズ スティーヴン・キング デイヴィッド・ハンドラー キャロリン・G・ハート ジョージ・P・ペレケーノス ジョアン・フルーク ローラ・チャイルズ マイクル・クライトン ジョー・R・ランズデール ドン・ウィンズロウ ジェームズ・パターソン ジェイムズ・パタースン エド・マクベイン ジル・チャーチル ヘニング・マンケル ローレンス・ブロック ポーラ・ゴズリング リチャード・マシスン レジナルド・ヒル D・M・ディヴァイン C・J・ボックス スチュアート・ウッズ ジャネット・イヴァノヴィッチ リリアン・J・ブラウン ピーター・ラヴゼイ パーネル・ホール S・J・ローザン レックス・スタウト アリス・キンバリー ジョルジュ・シムノン ジョー・ゴアズ マーガレット・ミラー ウィリアム・カッツ クレオ・コイル カール・ハイアセン レスリー・メイヤー アイザック・アシモフ ヒラリー・ウォー エド・ゴーマン カーター・ディクスン マイケル・ボンド ルイーズ・ペニー マーシャ・マラー ジェフリー・ディーヴァー ジョン・ディクスン・カー リタ・メイ・ブラウン ジェームズ・ヤッフェ イーヴリン・スミス ジャック・カーリイ キャロリン・キーン ウィリアム・L・デアンドリア コリン・ホルト・ソーヤー ローラ・リップマン フレッド・ヴァルガス ポール・ドハティー ロブ・ライアン ジェフ・アボット G・M・フォード エヴァン・マーシャル オーサ・ラーソン ジョアン・ハリス サイモン・カーニック リン・S・ハイタワー ドナ・アンドリューズ ファーン・マイケルズ アンソニー・ホロヴィッツ ジャン=クリストフ・グランジェ スタンリイ・エリン レイ・ハリスン ケイト・ロス アンドレア・カミッレーリ レニー・エアース ジョン・クリード コニス・リトル デイヴィッド・マレル クリスチアナ・ブランド ウイリアム・P・マッギヴァーン ウィリアム・ランデイ ジャック・フィニイ リック・ボイヤー サキ ジェーン・ラングトン ユージン・イジー ウォルター・モズリイ アン・クリーヴス ビリー・レッツ イーサン・ブラック ダナ・レオン エーリヒ・ケストナー ウォルター・サタスウェイト スタンリー・エリン ポール・ドハティ トバイアス・ウルフ 

ブログ内検索

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

リンク

RSSフィード

最近のトラックバック

最近のコメント