『ボストン・シャドウ』ウィリアム・ランデイ ハヤカワ文庫

2010-04-08

☆☆

デイリー家の三兄弟は皆、犯罪に関わる職業に就いていた。― 警官、検察官、そして空き巣。仕事の違いはあれ、固い絆で結ばれてきた兄弟だが、警官だった父の死の真相を巡り不協和音が……。しかも街を牛耳る残忍なイタリア・ギャング、さらにはボストンを徘徊する連続絞殺魔の影が身内に忍び寄り、兄弟は厳しい苦境に立たされる ― 驚愕のデビュー作でミステリ界を席巻した著者が放つ、超一流のクライム・サスペンス! 内容紹介より



時代は1960年代、舞台はケネディ大統領暗殺事件の一報が入ったボストンの一角から始まり、物語は、その街に起きた事件を三兄弟の視線から描いて進みます。テーマは市街地再開発に絡むマフィアと警察官の癒着、そして連続殺人事件の二つです。ところが、一つ目のテーマがありきたり過ぎて、切り口も新鮮味に欠け、ギャングと地上げなんてまるでバブル期の日本の話みたいでした。特に長男に対する扱い方は、クライムノベルでよく見かける代わり映えしないものです。
もう一つのテーマの連続殺人事件は、実際に当時のボストンで起きた「ストラングラー事件」という連続絞殺魔事件をベースにしているものなのですが、これが中途半端に史実をフィクションに仕立てたため読後、非常に欲求不満が残りました。
最後に、この内容で600ページは、あまりに長過ぎ!前作のときにも言いましたが、この作家はあちこち削るということを学んだほうがいいと思う。300ページか400ページを目安に書くべきです。

『ボストン、沈黙の街』ウィリアム・ランデイ ハヤカワ文庫




ボストン・シャドウ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 281-2))ボストン・シャドウ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 281-2))
(2007/08/24)
ウィリアム・ランデイ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「ボストン、沈黙の街」ウィリアム・ランデイ ハヤカワ文庫

2008-08-25

☆☆☆

田舎町の若き警察署長ベンは、麻薬組織が牛耳るボストンの無法地帯に乗りこむ。検事殺しの容疑がかかる極悪ギャングを追っているのだ。殺人捜査など未経験のベンは、隠居中の敏腕刑事の助力を得る。しかし、癒着、裏切り、沈黙の掟、数々の障害に捜査は迷走、証人も次々と殺されていく。だがやがて、ベンの抱えていたある秘密が事件の突破口になるのだった— 発表前から世界中のミステリ界を揺るがした必読の新世代小説。     内容紹介より



ネタばれ気味です!ご注意ください。



どの部分をして「新世代小説」と呼ぶのかどうかは分かりませんが、コージー風から始まり、成長小説、警察ミステリ、ハードボイルド、ノワール風と様々に変化していくのが新しいと言えば新しいかも。ただ、そのすべてが75点平均の出来です。成長小説の部分は先生となる引退した刑事ケリーの役割と行動が中途半端、彼から学ぼうとしたのは警棒の回し方くらいか。しかもギトゥンズと役割がダブっています。警察ミステリおよびハードボイルド部分では悪役のスケールが小さすぎ。さらに長すぎて同じ所をグルグル回っているようで(ギトゥンズやブラクストンに対する評価が繰り返されるところ)、カバー写真みたいにボストンの街を駆け抜ける疾走感がまーたく感じられません。作品全体が冗長なためにラストのサプライズ効果が弱くなった感じがします。ページ数をこの半分におさえていたらもっとシャープな作品になっていたのでは。気に入った箇所は第一部冒頭の町の住人たちとのやり取りです(作者よ、ダイアン・ハーニドのその後を語れ)。
 
質量とも645ページに薄めたジム・トンプスンというのがわたしの印象です。



ボストン、沈黙の街 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ボストン、沈黙の街 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2003/09)
ウィリアム ランデイ

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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