『クリスマス・ラテのお別れ』 クレオ・コイル RHブックス・プラス

2011-12-22

☆☆☆

サンタクロースが遅刻 ― といってもクリスマスにではなく、クレアが招待したラテの試飲会に遅れていた。ボランティアでサンタをしているアルフは町の人気者で、「クリスマスの味」をラテにしようと発案したのも彼だった。心配したクレアが雪の中を捜し回ると、なんと高級アパートの裏庭で殺されているアルフを発見。しかも死の直前に、不法侵入しようとした形跡があった。サンタが泥棒?朗らかなサンタの意外な一面と、事件の真相とは。シリーズ第8弾。 内容紹介より



以下、少々ネタバレ気味です!ご注意下さい。

〈コクと深みの名推理〉シリーズ 8。
他のコージーミステリのシリーズ作品に比べて何かいつも生臭く感じるのは、登場人物たちの恋愛沙汰が多いせいなのでしょうかね。特にヒロインの中年同士、義母の老年同士の恋愛が生々しいのかも。しかもヒロインの場合は、年がら年中発情している元夫が毎回絡んできて、清々しさの欠片もないし、俗な面が出過ぎているような気がします。いい加減にこのパターンは止めたほうが良いかも、飽きたかも。それから登場人物が多過ぎるし、プロットも整理してもっと簡潔にして欲しいです。真犯人と繋がっていたらしい黒幕なんて登場するのがいきなりだし、遅過ぎるし、というか特別登場させなくても処理できるだろうし。実はサンタクロースが二人存在していたことを犯人が知らなかったという設定は評価しますけれど、二人が似たようなことをしているなら、ストーリーをシンプルにする意味では、最初から一人のサンタだけでもよかったんじゃないかとも思ったり。ところで、本書では被害者の娘に懇願されたからなのですが、ヒロインが事件の調査に乗りだす理由を毎回のように書いているのは面白い。作者って律儀な人なんでしょうか。

タグ:クレオ・コイル




クリスマス・ラテのお別れ コクと深みの名推理8 (RHブックス・プラス)クリスマス・ラテのお別れ コクと深みの名推理8 (RHブックス・プラス)
(2010/11/11)
クレオ・コイル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『コーヒーのない四つ星レストラン』 クレオ・コイル ランダムハウス講談社

2011-07-29

☆☆

〈ソランジュ〉はニューヨークでも随一の高級フレンチレストラン。料理は、どれも一流の味。そんな大評判の店で娘が料理修行するとなれば、親ならば誇らしいところ。けれど、クレアは素直に喜べない。娘ジョイは、料理長と不倫関係にあるばかりか、店で次々と起こるシェフ殺害事件の容疑者にされてしまったのだ!娘を救うため、クレアは潜入捜査をすることに。美食家も唸る、絶品料理と四つ星コーヒーが満載のシリーズ第6弾。 内容紹介より



わたしにとって〈コクと深みの名推理〉を謳うこのシリーズ(日本語版)の一番の魅力は、藤本将さんのカバーイラスト(↓)にあるわけで、それがなかったらもう手に取ってないと思います。イラストのレベルくらいに内容も素晴らしければいいのですが、ヒロインは好きになれないし、恋人の警部補との恋愛やりとりもつまらないし、そのふたりが良い感じになっているところに必ず現れる元夫のキャラクターは一辺倒だし、内容もお手軽なのです。ちなみに、ヒロインを軸にした三角関係は、ジョアン・フルークの〈お菓子探偵ハンナ・スウェンソン〉シリーズにおけるハンナと二人の男性のそれに似ています。
今回の舞台は四つ星レストランですから、読み手としてはその裏側とか厨房やスタッフの様子に興味がわくものですが、そこらあたりのエピソードがさほど描かれていないところがもの足りません。ローラ・チャイルズのお茶の知識にくらべて、この著者コンビのコーヒーについての知識が付け焼き刃的な感じがするうえに、死体の数ばかり多い恋愛模様重視のストーリー展開で、飲食系コージー・ミステリとしてはかなり低調な作品でした。ああ、なんだかこういう感想を書くと、現代ミステリの潮流に乗れていない旧守派みたいな気がしてテンション下がりそう。

タグ:クレオ・コイル




コーヒーのない四つ星レストラン (ランダムハウス講談社文庫)コーヒーのない四つ星レストラン (ランダムハウス講談社文庫)
(2009/05/08)
クレオ コイル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『幽霊探偵と銀幕のヒロイン』アリス・キンバリー ランダムハウス講談社

2011-06-04

☆☆☆

閉鎖された映画館が、長い時を経てリニューアル・オープン。記念に映画祭が開かれ、多くの映画関係者が招かれた。なかでも主役は伝説の大女優ヘッダ ― かつて、愛憎劇の果てに起きた殺人事件により、映画界を追われた魔性の女。そして今ふたたび、彼女の周りで血が流れることに。はたして往年の大女優は稀代の悪女?それとも悲劇のヒロイン!? 六十年前、殺害現場を目撃した幽霊探偵と、書店主ペネロピーが真相を探る! 内容紹介より



ミステリ書店シリーズの第四作目。
もともとこの幽霊探偵は地縛霊みたいなもので、ヒロインが営むミステリ専門書店より外には出られない設定だったのが、二作目の『幽霊探偵の五セント硬貨』(未読なんですけれど)でヒロインが幽霊探偵の持っていた5セント硬貨を身に付ければ一緒に外に出られるように変わったみたいです。さらに今回は、ヒロインが眠っている時などには幽霊探偵と共に、あくまでも過去にだけですが、生前彼がいた時と場所へ戻ることができる設定になっています。前作ではなかった過去と現在に起きた事件の関連性が、今回はヒロインも時空を移動することで二つの事件がリンクする仕掛けになっています。こういうふうに時空の幅が広がる特徴を持ったコージーミステリは珍しいのではないでしょうか。
ミステリ部分においても、第一作目と比べるとかなりましになっていますし、意外性のある真犯人を用意してあります。しかし、ミステリ好きの郵便配達人がかなりキャラが目立つのに対して、相変わらずステレオタイプで気障な気質の抜けない幽霊探偵のキャラクター、及びヒロインとの甘い恋愛場面はどうにかして欲しい。

『幽霊探偵からのメッセージ』アリス・キンバリー ランダムハウス講談社
『幽霊探偵とポーの呪い』アリス・キンバリー ランダムハウス講談社




幽霊探偵と銀幕のヒロイン―ミステリ書店 (ランダムハウス講談社文庫 キ2-4)幽霊探偵と銀幕のヒロイン―ミステリ書店 (ランダムハウス講談社文庫 キ2-4)
(2008/10/10)
アリス・キンバリー

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『秋のカフェ・ラテ事件』クレオ・コイル ランダムハウス講談社

2010-10-18

Tag : クレオ・コイル

☆☆

コーヒーの優しい茶色にホイップクリームの柔らかな白色 ― 老舗コーヒーハウスの名物ラテに感動したデザイナーが作ったジュエリーは、コーヒーがテーマ。これがこの秋大流行に!新作披露会場になったコーヒーハウスでは華やかなモデルが闊歩する中、店主のクレアもラテを振る舞うのに大忙し。そんな時、ラテを口にした男性が急死したから、さあ大変。贅沢でクリーミーな名物ラテが、ファッション界に大騒動を起こす! 内容紹介より



〈コクと深みの名推理〉シリーズ3。
何かのイベント中、主人公が提供した飲食物に毒が仕込まれて殺人事件が起きるという、各種飲食系コージーミステリの各シリーズに一度は使われる設定です。そして本書では、主人公が営むコーヒーハウスの従業員が容疑者として拘留されたために、事件の調査を始めるという、これまた重ねてベタな設定です。
飲食系コージーミステリの中でも長期化しているシリーズ*であるジョアン・フルークの〈ハンナ・スウェンセン・シリーズ〉やローラ・チャイルズの〈お茶と探偵シリーズ〉と本シリーズを比べてみて感じるのは、人間関係の部分で微妙な違いがあるということです。〈お茶と探偵シリーズ〉では家族関係の話題はほとんどなく従業員との友人関係、〈ハンナ・スウェンセン・シリーズ〉では実母と二人の妹との肉親関係、本シリーズにおいては主人公の元夫と姑、そして娘との親族関係が大きなウエイトと占めていると思います。扱っている飲食物は別として、ミステリ的にはどれも五十歩百歩ですから、それ以外の相違点に注目してみるのも興味深いかもしれません。ちなみにこのシリーズで主人公が飼っているペットは猫です。

*本来ならダイアン・デヴィッドソンの〈クッキング・ママ・シリーズ〉が長期間続いている飲食系コージーの元祖(たぶん)みたいなものなのでしょうけれど、わたしは一冊しか読んだことがないので割愛。

『名探偵のコーヒーのいれ方』クレオ・コイル ランダムハウス講談社
『危ない夏のコーヒー・カクテル』クレオ・コイル ランダムハウス講談社



秋のカフェ・ラテ事件 [コクと深みの名推理3] (ランダムハウス講談社文庫)秋のカフェ・ラテ事件 [コクと深みの名推理3] (ランダムハウス講談社文庫)
(2007/10/02)
クレオ・コイル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『危ない夏のコーヒー・カクテル』クレオ・コイル ランダムハウス講談社

2010-05-13

Tag : クレオ・コイル

☆☆

夏季限定で、高級リゾートの出張バリスタをつとめることになったクレア。魅惑的な大人のコーヒー・カクテルで、豪華なパーティーを盛り上げる。うっとりするような花火も終わり、つぎに待ちうけているのは、山のような後片付け!なのに、姿をくらませてしまった頼れるスタッフをさがすうちに、とんでもないものを見つけてすまい!?ひと夏の恋にひと夏の事件。クレアの眠れぬ夜の行方は……。コーヒー尽くしのシリーズ第4弾 内容紹介より



〈コクと深みの名推理〉シリーズ 4。
このシリーズもキャロリン・キーンの〈ナンシー・ドルー 〉シリーズの系譜を継いでいるのではないかと思います。近年、ジョアン・フルーク、ローラ・チャイルズ、クレオ・コイルなど飲食系コージーミステリというジャンルにおけるかなり狭いニッチに見える場所での争いは熾烈をきわめていそうですが、案外、食べ物、飲み物それぞれに相当細分化しているうえに、その各々にコンシューマーが付いているので生存競争に負けるシリーズは今のところなさそうです。つまり飲食系コージーミステリという種は、生物学的には昆虫と同じレベルで適応放散していく可能性があるわけですね。ということは、さらに細分化、マニア化して、“sushi”、“bentou”、“ra-men”などの店を経営している主人公たちが海外ミステリ作品に登場する日もそう遠くないかもしれません。
本書のヒロインが容疑者としてあげた人物たちは、〈カップJ〉というレストランを経営する実業家の家政婦とその甥、レストランを解雇された元従業員、不正な経理を行っているらしいレストランの支配人、眺望を遮る立木の伐採についてトラブっている隣人、レストランの開業権を巡って競り負けたレストラン・チェーンのオーナー。ローラ・チャイルズの作品より動機に説得力があって球数がそろっていますが、どれもフェイクっぽくエキサイティングじゃないです。それから、このヒロインがあんまり好きじゃない。

『名探偵のコーヒーのいれ方』クレオ・コイル ランダムハウス講談社




危ない夏のコーヒー・カクテル [コクと深みの名推理] (ランダムハウス講談社文庫)危ない夏のコーヒー・カクテル [コクと深みの名推理] (ランダムハウス講談社文庫)
(2008/04/10)
クレオ コイル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『名探偵のコーヒーのいれ方』クレオ・コイル ランダムハウス講談社

2009-02-16

☆☆

完璧なコーヒーをいれたいなら、絶対に手を抜いてはだめ。そして事件の謎に立ち向かう時も ―。NYの老舗コーヒーハウスを切り盛りするクレアがその朝、店で発見したのは、芳ばしい香りではなく階段から転落した店員の姿。警察は事故と判断したが、不審に思ったクレアは捜査に乗り出し……!? エスプレッソに焼きたてのお菓子。こだわりの味を守る老舗店を舞台に、焙煎したての満ち足りた香りが漂うミステリシリーズ第一弾! 内容紹介より



ジョージ・オーウェルによれば、完全な紅茶のいれかたには十一項目*あるそうですが、
コーヒー、たとえば「エスプレッソひとつとっても、品質を左右する要素は四十以上もある」(p169)そうです。などなど、数ある飲食系コージー・ミステリ作品のなかでも本書は取り扱う商品、ここではコーヒーになりますが、それについての知識はしっかり記述されていると思います。しかし、シリーズタイトルの『コクと深みの名推理』というフレーズにはかなり疑問というか、主人公たちの場当たり的行動、成り行き任せの展開を読むと残念ながら、まったくコクも深みも推理さえもないと言わざるをえません。事件の周辺で騒いでいるばかりで、その核心に近づかないまま棚ボタ式に解決なんて、ミステリファンなめるなよって感じです。

アリス・キンバリー(夫婦合作のペンネーム)が別名義で書いている〈ミステリ書店シリーズ〉より出来は良くないです。まあ共にドングリですけれど。ウィキペディアのクレオ・コイルの項目を読むと、奥さんのほうは昔ソープオペラの小説版を書いていたらしく、作品のなかでの主人公と元夫や警部補とのやり取りがロマンス小説風な気がするのはそのためなのかもしれません。アリス・キンバリー名義の作品は夫の、クレオ・コイル名義の作品は奥さんの色合いが強いのではないのかと勝手に想像しました。

*詳しく知りたい方は、『一杯のおいしい紅茶』ジョージ・オーウェル著 朔北社 をご覧下さい。



名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1 (ランダムハウス講談社文庫)名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1 (ランダムハウス講談社文庫)
(2006/10/02)
クレオ・コイル

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テーマ : 読んだ本。
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