「エミリー・ディキンスンは死んだ」ジェーン・ラングトン ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫

2008-06-12

☆☆☆

偉大な詩人エミリー・ディキンスンの没後百年シンポジウムは不穏な空気につつまれた。
参加者の間でディキンスンの写真の真偽をめぐる激しい対立が起き、式典で大役を務めた学生が失踪したのだ。これらの間には何か関係が? 元刑事のホーマー・ケリー教授が調査に乗り出すなか遂に死者が出た! ちょっぴり辛辣なユーモアに彩られたネロ・ウルフ賞受賞作。 内容紹介より



場当たりな犯行とその犯人、巻き込まれた関係者たちの騒動をクラズニク教授を中心にして描いたミステリ。一応、ホーマー・ケリー・シリーズの一作であるにもかかわらず、ケリー教授は本作品では不味そうな料理を作るばかりで、最終盤になるまで脇役に甘んじるほど目立つ活躍をしていません。『消えたドードー鳥』ではまともに活躍していたと思うのですが。

事件のきっかけは、クラズニク教授の何気ない一言でディキンスンのシンポジウムが開催されることになったことに加えて、ウィニー・ガウの解雇が彼女の心にスイッチを入れたこと。これに嫉妬と劣等感と名誉欲などのきわめて人間臭い動機が火種となって連鎖反応を起こし犯罪を誘発していきます。詩人のシンポジウムという浮世離れした舞台といかにも学究の徒であるクラズニク教授の純朴さがかもし出すユーモアがウィニーの悲惨さや動機の生臭さと微妙に入り混ざって一風変わったミステリに仕上がっていると思います。


エミリー・ディキンスンは死んだ (ミステリアス・プレス文庫)エミリー・ディキンスンは死んだ (ミステリアス・プレス文庫)
(1999/07)
ジェーン ラングトン

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「消えたドードー鳥」ジェーン・ラングトン ハヤカワ文庫

2005-12-16

オックスフォードのカレッジに招かれ、はるばる大西洋を渡ってやってきた元刑事で大学教授のホーマー・ケリー。だが彼を迎えたのは怪事件の数々だった。構内で目撃された奇怪な生物の影、長年失われていた貴重な標本の再出現、大学名物の絵画の紛失……そして死体が次々と!


裏表紙あらすじより

オックスフォードにある(らしい)ダーウィンやニュートンの像、生物標本、街並などの挿絵が豊富でイメージがしやすかったです。アメリカ人のケリー夫妻とケンブリッジのカレッジや街を観て廻っているようで、擬似アカデミックな感覚が味わえました。

ダーウィンが収集し、一部が行方不明になっていたカニの標本の謎など、ダーウィンとか進化論あるいはIDとかに興味がある人は、より面白く読めると思います。といっても、衒学趣味的な作品ではなくてユーモアものです。

ただし、ミステリについては根底となる主題が古く、大山鳴動して鼠一匹みたいな感じがしました。

テーマ : 推理小説・ミステリー
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