『ウィッチフォード連続殺人』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫HM

2017-04-30

☆☆☆☆

被害者は中年の女性で、喉をざっくりと切り裂かれていた。残酷な事件とは無縁のようなのどかな田舎に捜査のためにやってきたのは土地出身の若い主任警部。優秀な刑事だが、今回は昔なじみの人々が多く、やりにくい面もあった。しかも、彼の捜査を嘲笑うかのように、すぐに若い女性が第二の犠牲者となった。被害者にはどんな繋がりがあり、犯行を繰り返す首切り魔の目的とは何なのか。文庫初登場の女流が本格に挑む新作! 内容紹介より



以下、ネタバレ気味です。ご注意下さい!

しょっぱなから後に重要容疑者として浮かび上がる二人の人物の背景を描いて読者の視線を向けさせる手法をとっています。しかし、それにくらべると真犯人へのそれらしい言及は非常に少ない気がしました。ある人物などは真犯人だと名指しされても、読者にはかなりのいきなり感があるわけで、ロマンスの要素はこの著者の持ち味ですから否定はしませんが、主任警部と幼なじみの女医との恋愛模様に紙面を費やすのなら、犯人に対するなんらかのほのめかすような書き込みもある程度は必要だったのではないかと思います。また、それがあれば著者が仕掛けた二重のトリックと相まって動機の面でも読者を混乱させる相乗効果も期待できたでしょう。連続殺人事件の被害者たちは同じ医院を受診していた以外に,年齢も社会階層も異なりまったく関係性が見つかりません。捜査もなかなか進展せず、物語は故郷に帰ってきた警部のしがらみとか恋愛事情でやや埋もれ気味になり、ややめりはりに欠けるような印象も受けてしまいました。もう少しハードな本格ミステリを期待していたのですが、ロマンスの比率がやや高めで、ノンシリーズにおいてのロマンスというスパイスの配合はなかなか難しいことが見て取れます。

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『死の連鎖』 ポーラ・ゴズリング

2012-07-04

☆☆☆

あんたとマイケルのことは知ってるよ ― 大学で英文学の助教授をしているケイトは、繰り返しかかってくる脅迫電話に悩まされていた。単なる嫌がらせとしか思えない内容だったが、あまりの執拗さに耐えかねたケイトは自らの手で犯人を捜しだそうと決心する。一方、彼女の恋人のジャック・ストライカー警部補は、二件の事件を抱えていた。人類学部の女性助教授が自宅で射殺死体で発見されたのに続き、若い医学生が病院近くの路上で惨殺されたのだ。有能で勤勉、誰からも愛されていた二人が、なぜ?大都会グランサムに展開するサスペンス大作。 内容紹介より



本書では三件の捜査が同時進行で描かれています。
1.ストライカー警部補の同居人ケイトあてに匿名でかかってくる中傷の電話を彼女がストライカーに内緒で調査している件。
2.ケイトの大学の同僚である女性助教授が射殺死体で発見された事件。
3.ケイトの大学の学生が撲殺された事件。
1はケイトと女友達の素人二人が係わり、2についてはストライカーが中心となって捜査を進め、3は強盗殺人事件との警察の見解に納得できないストライカーの部下が単独で独自に捜査にあたります。三件の調査、捜査ともに趣を異にしているところに作者の工夫が見られるのではないかと思いました。しかし、ここで気になったのが、警察小説が抱えていると感じる聞き込みにまつわる問題で、特に2が大学の同僚とゼミの学生、3が大学教師と学生に加えて、被害者がアルバイトをしていた病院関係者も対象となって人数が非常に多いのです。そのため話しの大部分が聞き込みのシーンにあてられているせいで、それがいつまでも続き、どうしても変化に欠けて単調な印象を受け飽きてしまうのです。しかも二人の被害者ともに好人物の設定なので、二人の意外な一面や蔭の部分が新たに浮かび上がってくるということもありません。こういう人物像のダブリは作者らしからぬ芸の無さだと思います。




死の連鎖 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)死の連鎖 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2003/05/15)
ポーラ・ゴズリング

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『負け犬のブルース』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫

2010-11-26

☆☆

クラシックを断念し、ジャズ・ピアニストに転向したジョニーは、無気力な毎日を送っていた。だが昔の恋人が何者かに殺され、彼の生活は一変した。彼女を熱愛していた骨董商が、ジョニーこそ殺人犯だと信じ、復讐してやると脅してきたのだ。数日後、彼は暴漢に襲われ、ピアニストの命である左手を砕かれた。はたして骨董商の差し金か?胸に怒りを秘め、彼は姿なき敵に立ち向かう ― 気鋭の女性作家が放つ傑作サスペンス  内容紹介より



女性が好みそうなロマンティック・サスペンス。ただし、男は四十一歳、女は三十九歳(いづれも離婚歴があり、子供はいるけれど同居はしていない)ですから対象年齢は高めです。男は、演奏のほかに作曲もしているためお金には不自由していない、少年のような心を持ち、女性にモテる。そして女は、地味でやや自分に自信がない性格のソーシャルワーカー。つまり、基本的な設定は白馬に乗った王子がお姫様を迎えに来た風な中年版Boy Meets Girlなのです。ここで男が、音楽上の挫折感から飲んだくれで貧乏なうえに、暴行によって手が使えなくなった状態(ベタな設定ではありますが)、つまり、お伽話でいうところのカエル化なり野獣化なりしていたら、もう少し物語に起伏が生まれていたののではないのかと思いました。読んでてどうも小っ恥ずかしくなる恋愛場面ばかりが目立っていました。ただ、364ページから始まるカーチェイス(おおよそふさわしくないブランデンブルク協奏曲第一番がカセットデッキから流れる中での)場面は、主人公がある理由により非常にハイテンションになっていることもあり、とてもユーモラスでした。

タグ:ポーラ・ゴズリング




負け犬のブルース (ハヤカワ・ミステリ文庫)負け犬のブルース (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1993/11)
ポーラ・ゴズリング

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『死の宣告』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫

2010-10-01

☆☆☆

あの金を返せ ― 受話器から響いてくる無気味な声に、デザイナーのテスは総毛立った。自動車事故で夫を亡くし、ようやくそのショックから立ち直ったというのに、誰がこんな悪戯を?数日後、不安に怯えるテスのもとを刑事が訪れた。夫の死に不審な点があるらしい。はたして謎の脅迫電話は夫の死と関連が?彼女は夫の知られざる素顔を探りはじめるが……気鋭の女性作家が満を辞して放つ最新サスペンス。文庫オリジナル 内容紹介より



ヒロインの亡夫の元共同経営者、彼女が勤める会社のオーナー、間借人の大学教授、新米の部長刑事、こういったヒロインをめぐる男たちの人物描写が相変わらずとてもこなれていて巧いです。それ以外の登場人物も重要度に応じた加減で描かれています。一方、ヒロイン自体に強烈なキャラクター付けをしているとは言い難く、作者には、彼女を取り巻く男性陣によってヒロインを際立たせる意図があったようなきもしました。実際に、古くからいる家政婦(すでに中性的な位置付け)の他にヒロイン以外の女性の登場機会は非常に少なくて、彼女のみに四方からスポットライト(男性陣という光源)が当たる仕様になっているのです。また、かなり曲解してみるならば、中世を舞台にしたお姫様と騎士たちの物語の設定に似ているのかもしれません。
ストーリーはヒロインと部長刑事のふたりの視点で語られるためか、彼女からのアクションが少なめ、かつ受動的なので中盤にかけて停滞及びダレてます。犯人の意外性や真相の衝撃度も少なくてミステリ作品としては平凡だと思います。

『赤の女』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫
『ブラックウォーター湾の殺人』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫
『ハロウィーンの死体』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫
『すべての石の下に』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ・ミステリ




死の宣告 (ハヤカワ・ミステリ文庫)死の宣告 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1993/02)
ポーラ・ゴズリング

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『赤の女』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫

2009-11-08

☆☆☆☆☆

出世の道を絶たれ、漫然と日々を送る英国領事館員のルウェリンに殺人事件の調査が命じられた。被害者は、名画の贋作で有罪となった男で、出所直後に謎の墜死を遂げていた。殺人の容疑は、護送中に死んだ贋作の共犯者デービッドの父親にかけられた。ルウェリンは、彼の無実を信じるデービッドの未亡人ホリーとともに真実を探るが……サスペンスの第一人者がスペインを舞台に贋作をめぐる謎をロマンスをからめて描く意欲作 内容紹介より



わたしが知らなかっただけかもしれないんですけど、もしかして、これ隠れた名作じゃないのかしらん?かなり完成度が高いですよね。発表された年代からすると、少々、パッケージが古典的英国冒険小説としての常道さを多々持ち合わせていて懐かしさを覚えますが、それもまた魅力かなと。
物語は、スペインの地方都市を舞台に、英国のくたびれた領事館員と米国人の血気盛んな女性が名画の贋作に絡んだとみられる殺人事件の謎を追うというもの。官僚的なスペイン警察から始まり、怪しい隣人やいろいろな人物が集まる現地の英国人社会、暗闇の岩山での逃避行、カーニバルの真っただ中での追跡劇、嵐の中、ペントハウスのテラスでの活劇、意外な真相と真犯人。雰囲気が重くならず、不条理なイメージもスパイス程度で抑えてあり、まるでヒッチコックの映画みたいなサスペンスとユーモアがとてもよかったです。そして、作中で語られるスペイン人気質の話も面白い。
こなれ過ぎていると思う人もいるかもしれませんが、それも作者のすぐれた技量からでたものでしょう。少し大袈裟に言うと、わたしのなかでは英国冒険小説のひとつの集大成的な位置づけです。
それから、ロマンティック・サスペンスを謳う昨今の作家たちには、一回本書を読んでから作品を書けと言いたい。

『ブラックウォーター湾の殺人』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫
『ハロウィーンの死体』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫
『すべての石の下に』ポーラ・ゴズリング ハヤカワ・ミステリ




赤の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)赤の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1994/08)
ポーラ・ゴズリング

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「すべての石の下に」ポーラ・ゴズリング ハヤカワ・ミステリ

2007-05-25

☆☆☆

きりっと晴れ上がった冬の朝、空は青く、空気は澄み、一人の男が死んでいた。後頭部を打ち砕かれ、血にまみれて紅葉の下に横たわり、近くには郵便袋が……郵便配達人殺害事件が発生したとき、ブラックウォーター・ベイの町は保安官選挙の渦中にあった。強力な対立候補に苦しむ現職のマットは事件のため窮地に立つ。早期解決が必要だが、浮上した有力容疑者には奇妙な点が多すぎるのだ。彼の苦渋をよそに過熱する一方の選挙戦は候補者討論会の乱闘でピークに達する。ところが翌朝、対立候補が射殺死体で発見され、現場になんとマットの拳銃が! 内容紹介より



わたしの好きなブラックウォーター・ベイ・シリーズの五作目。一作目の『ブラックウォーター・ベイ殺人事件』はサスペンス風だったのに、本書ではすっかりコージーミステリになっています。なぜ、このシリーズが好きかというと、主人公以外の常連の登場人物の視点を取り入れていることです。コージーミステリにおいて主人公の視点のみでは、それ以外の登場人物は魅力のない背景の一つに過ぎなくなっている場合が多く見られます(『ダージリンは死を招く』 とか『チョコ猫で町は大騒ぎ』とか)。サブキャストたちが主人公や出来事を多面的に捉えることでストーリーに幅や深みが出てくるのではないでしょうか。作品をシリーズ化する際には特に必要な要素だと思います。今回、マットの友人であり支持者でもある彼らは、“ブラックウォーター・ベイ・イレギュラーズ”という老若男女の素人探偵団を結成してマットのぬれぎぬを晴らすために聞き込み捜査を始めます。それぞれの活動をユーモラスに描いている所が面白いです。ただこの部分がもう少し長めに書いてあればもっと良かったのでは…。それと邦題が今ひとつ。


すべての石の下に (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)すべての石の下に (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2001/01)
ポーラ ゴズリング

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テーマ : 海外ミステリ
ジャンル : 本・雑誌

「クリスティーに捧げる殺人物語」ティム・ヒールド 編 ハヤカワ文庫(ミステリアス・プレス)

2006-12-06

☆☆☆

ミステリ史に残る数々の名作・傑作を発表し、現代の作家にも大きな影響を与えたクリスティー。このミステリの女王の功績を讃えるため、ピーター・ラヴゼイ、ポーラ・ゴズリングら英国推理作家協会の実力派13人が結集して、彼女が活躍したミステリ黄金時代を舞台に短篇を書き下ろしました。古き良き英国探偵小説の楽しさに満ち溢れたクラシカルな短篇集です。 内容紹介より



母が消えた日(マーガレット・ヨーク)、煙が目に……(デイヴィッド・ウィリアムズ)、メイヘム・パーバの災厄(ジュリアン・シモンズ)、恋のためなら(スーザン・ムーディ)、旅行鞄の中の貴婦人(ピーター・ラヴゼイ)、ジャックは転んだ(H・R・キーティング)、検察側の達人(ティム・ヒールド)、最悪の祭日(ポーラ・ゴズリング)、水曜のマチネー(シリア・デイル)、クソくらえ(リサ・コディ)、文学史のお時間(サイモン・ブレッド)、こぞって楽しいひととき(ロバート・バーナード)、晩餐会の夜に(キャサリン・エアード)

面白くて、さらに感心させられた作品は、『恋のためなら』と『こぞって楽しいひととき』です。
プロットが秀逸な『恋のためなら』は、まさしく題名がすべてを表していますが。保険金詐欺の疑いが掛かる男を内偵する女保険調査員が殺人事件に巻き込まれて、ピエロことポアロに出会うユーモアミステリ。短編ながら、騙される楽しさを久しぶりに味わいました。

『こぞって楽しいひととき』には着想の妙があると思います。
『クリスティと英国階級制度』(本みしゅらん新社 刊※)によると、「使用人たちは黒子のようなもので、その作品中においては重要な役割を与えられず、一般的に人畜無害な存在であることが多い。階級制度、階級意識が頑然と存在していたクリスティの時代には、おおむね彼等の存在は意識外に追いやられていた※」
こういう英国文学における使用人階級の位置付けは、現代まで続いていたが、
「カズオ・イシグロの『日の名残り』が、それまで正統的英国文学史上、メインの存在とは成り得なかった「執事」という一労働者階級に属する人間を主人公に据えたことで、文学サロンつまり上流階級(文学のパトロン)の間にセンセーションを巻き起こしたわけである。そして、従来、セッター犬に払うくらいの認識でしかなかった使用人階級に対し、彼等の目を向けさせたのである※」

まあ、そういう時代背景を逆手に取って使用人という、いわば透明人間化している者たちの視点から事件を眺めさせ、推理・検証させたお話です。あるいは、ポアロのいる表舞台を裏から覗いているような…。ここまで上品かつ上手にクリスティをパロディ化した作品はないでしょう。さらに、クリスティの作品を考える上でも示唆に富んだ短編だと言えます(ちょっと大袈裟かも)。

ただ、20ページほどの作品なのに登場人物が多過ぎ。

注)末尾に※印が付いている文章は、わたしの妄想及びフィクションであり、実際の事柄とはまったく関係がありません。

クリスティーに捧げる殺人物語 / ティム ヒールド、 他

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「ハロウィーンの死体」ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫

2005-10-21

☆☆☆☆

ハロウィーンといえば、スヌーピーとカボチャ大王が思い浮かびますね、……ね。

かなり時宜にかなった本、ブラックウォーター・ベイ・シリーズ第二作目。
一作目の「ブラックウォーター湾の殺人」より良かった。

ある男の死をきっかけに、三十年前ハロウィーンの夜に少年が事故死した事件の
経緯がしだいに明らかになっていく。保安官マットが調べる当時の関係者たちは、現在、町長を初めとして町の有力者や億万長者などになり、マットの周辺の人たちは調査に難色を示す。そして町を挙げてのハロウィーン祭りの会場で関係者の一人が殺される。

なんだかよくある過去ほじくり返し的陰湿系ミステリに思えるかもしれませんがそんなことはないです。基本的にコージーなので、ユニークな登場人物と猫のマックスのおかげで全体に明るいミステリになっているし、作者がハロウィーンのどんちゃん騒ぎの様子を楽しんで書いているような気がします。
一方、生前の少年の生い立ちや性格を母親や知り合いの女性に語らせることによって物語に深みを与えていると思います。それほどメインでない登場人物たちの表に現れない事情も丁寧に描き込まれていて感心します。このあたりの話になるとリリアン・J・ブラウンにとっては不利かなと…

前作にも登場した謎の家族「アドコック一家」が今回も町に現れますが、この先、どういう風にこのシリーズに係わってくるのか、結構楽しみです。

*マットの飼猫マックスの楽しみは、凍った歩道の上を人が滑ったり転んだりしながら通って行くのを見ること。
*リリアン・J・ブラウン…シャム猫ココ・シリーズの作者。

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「ブラックウォーター湾の殺人」ポーラ・ゴズリング ハヤカワ文庫

2005-10-11

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☆☆☆

五大湖のブラックウォーター湾に浮かぶ人工島パラダイス島。
そこには十軒の家があり住人の多くは昔なじみだった。
画家のダリアはDVの夫から逃れて、島の伯母宅に身を寄せていたが、
そこにも夫の影がちらつく。
おりしも湾の開発話が持ち上がり島の住人たちの間に動揺が広がっていた。
ある朝、ダリアの夫の射殺死体が隣家の庭で発見される。

ダリアに想いを寄せる保安官マットが休暇中のストライカー警部補に助力を求めるという展開になります。
ストライカー・シリーズではなくブラックウォーター湾・シリーズの第一作だそうですが、これからシリーズの主人公になると思われる保安官マットの影が薄いですね。
そういうことなら、もうちょいマットを魅力的に描いてあげてたらと思うのですが…
きっとこの作品を書いた後にシリーズ化を思い付いたんじゃないのかなあ。

ストライカー警部補とトスカレリ部長刑事の会話がこっぱずかしいところがあります。
ミセス・トービイとミセス・ノートンの老婦人コンビ、副保安官パトナムやアドコック家族などユニークな人物が登場しますが、それらのキャラが微妙に軽いのは作者がコージー・ミステリにする意図があったためなのだろうか。もっとどろどろした人間関係を描いた作品かと思ってた。邪悪で深刻な動機を想像していたわりにはしょぼい結末。
でも、楽しめたしマットの活躍を期待して次も読みます。ニ作目がbオフにあったし。

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