『運命のボタン』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫NV

2017-02-26

☆☆☆☆

訪ねてきた見知らぬ小男は、夫婦に奇妙な申し出をする。届けておいた装置のボタンを押せば、大金を無償でご提供します。そのかわり、世界のどこかで、あなたがたの知らない誰かが死ぬのです。押すも押さないも、それはご自由です……究極の選択を描く表題作をはじめ、短篇の名手ぶりを発揮する13篇を収録。スピルバーグ、キング,クーンツら世界中のクリエイターたちに影響を与え、彼らに崇拝される巨匠中の巨匠の傑作集 内容紹介より



収録作品、「運命のボタン」「針」「魔女戦線」「わらが匂う」「チャンネル・ゼロ」「戸口に立つ少女」「ショック・ウェーヴ」「帰還」「死の部屋のなかで」「小犬」「四角い墓場」「声なき叫び」「二万フィートの悪夢」。

ふしだらで傲慢なある女性を殺したいほど憎んでいる“わたし”はヴードゥーの呪い(これがマシスンの得意ネタらしい)を用いて目的を果たそうとする「針」、世俗とか常識を受け入れてしまうと純真な心にあったものを失ってしまうことの過酷さを伴う悲劇を描いた「声なき叫び」、純粋であるからこそ持つことのできる能力と、その心のななかに潜む残酷さを描いた「魔女戦線」、この二つの作品は大人たちの利己的な動機によって犠牲になる子供たちの姿も現わしていると思います。匂いと怪談を組み合わせた「わらが匂う」、「戸口に立つ少女」、追い払っても始末しても舞戻ってくる白い犬「小犬」、処分されることに気づいたパイプオルガンの最期の咆哮、ブラドベリ風な「ショック・ウェーヴ」、タイムトラベルとホラーの組み合わせ「帰還」、砂漠地帯の田舎町のはずれに建つ喫茶店を舞台にした蒸発失踪もの。短篇であるため紙数に制限があること、地元の保安官が被害者よりであることで、サスペンス性と登場人物たちとの駆け引きがもう一つに感じられる「死の部屋のなかで」、コナン・ドイルの短篇「大空の恐怖」と同様に空に棲む怪物が登場する非常に印象に残る作品、オムニバス映画『トワイライト・ゾーン』の「2万フィートの戦慄」の原作ですが、主人公が精神的な問題を抱えている設定が効いています。短篇集『リアル・スティール』に収録されている「リアル・スティール」と同じ作品です。編者の尾ノ上浩司氏によると「リアル・スティール」のほうは、「四角い墓場」に手を入れているそうです。取り調べを録音した形式で綴られたモンスター系の作品でジャンク・ホラーっぽい「チャンネル・ゼロ」。あり得ない状況設定の流れのなかで、オチが実に現実的なものが意外に感じた「運命のボタン」。

ユーザータグ:リチャード・マシスン




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テーマ : 海外ファンタジー
ジャンル : 本・雑誌

『73光年の妖怪』フレドリック・ブラウン 創元SF文庫

2017-02-09

Tag : SF

地球から73光年の彼方にある惑星からアメリカに飛来した知性体という奇怪な生物。これは自由自在に他の動物にのり移れるという不可思議な力を備えている妖怪だった。知性体の到来とともに、その地方には人間や家畜や野生動物が自殺するという異様な現象が起り始めた。この怪現象にいち早く注目したのは、たまたまその土地に来ていた天才的な物理学者だった。この姿なき怪物の正体を看破して人類を破滅から救おうとする教授の頭脳と、知力の塊ともいうべき知性体が演じる虚々実々の知恵くらべ! 内容紹介より



侵略ものSFでよく名前が挙げられる作品のひとつです。
母星で犯罪を犯したために追放され、ランダムに瞬間移動させられた場所が地球だったという異星人。姿形は亀の甲らに似ていて移動ができないかわりに、他の生き物の心を乗っ取って自由に操る能力を持っています。その能力を使うには距離的な制限があり、また、相手が眠っていなければならず、そして乗り移った生き物から元の身体に戻るには、その生き物つまり宿主が死んでしまう必要があるという設定です。異星人は人間をはじめ鼠や犬猫、鳥などの心を乗っ取り、目的を果たすとかれらを自死させますが、この設定が、ブラウンの持つ軽妙さに加えて作品にグロテクスな雰囲気を与えるとともに、地球人の主人公の注意を引いてしまうキーポイントとなり、クライマックスのスリリングな場面への伏線にもなっている、そういう巧みさを備えているように感じました。異星人と地球人の二人の主人公の視点から事件出来事が描かれて緊迫感がつのり、余計なもの(例えば、あえてラブロマンスに仕立てていない)を省いているところ、こういうポイントが発表されてから半世紀経つにもかかわらず、現在でも色あせずに第一級のSF娯楽小説として楽しませる所以なのかもしれません。しかも、著者はそれをわずか254ページで成し遂げているのですからたいしたものだと思います。

ユーザータグ:SF




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テーマ : SF
ジャンル : 本・雑誌

『みんな行ってしまう』マイケル・マーシャル・スミス 創元SF文庫

2017-02-03

Tag : 短編集 ホラー SF

☆☆☆

『スペアーズ』『ワン・オヴ・アス』で知られる鬼才作家M・M・スミスが贈る、哀感と郷愁に満ちたSFホラー傑作集。小品ながら忘れがたい味わいを残す表題作を巻頭に、奇跡の医療用ナノテクがもたらした人類の意外な終末「地獄はみずから大きくなった」、田舎町に暮らす不思議な絵描きを巻き込んだ事件を描く英国幻想文学大賞受賞作「猫を描いた男」、近未来の巨大ハイテク・テーマパーク兼養老院での奇怪な冒険劇「ワンダー・ワールドの驚異」まで12編を厳選して収録。 内容紹介より



「みんな行ってしまう」「地獄はみずから大きくなった」「あとで」「猫を描いた男」「バックアップ・ファイル」「死よりも苦く」「ダイエット地獄」「家主」「見知らぬ旧知」「闇の国」「いつも」「ワンダー・ワールドの驚異」

子供が成長して大人になっていく過程で少しずつ失っていったもの、消えていったもの、無くしたものを少年の形にして表した、ブラッドベリ風な感傷性をもった物悲しい作品「みんな行ってしまう」。ナノテクに医療科学を組み合わせた最先端医療用ソフトとハードウェアを開発しようとした三人組。その中のひとりが研究中に亡くなったため、研究目的はまったく違った方向へ向かってしまう。医学と心霊の取り合わせが、この作品においては木に竹を接いだみたいな心地悪さを感じさせる「地獄はみずから大きくなった」。交通事故で突然に愛妻を失った夫のとった行動は……。愛さえあれば奇跡が起き、愛ゆえに何ごとも成し遂げられる、ということでしょうか。これまでのホラー作品を一歩進めたような物語「あとで」。夫による家庭内暴力から妻や子供が逃れてくる場面が、三回繰り返されるところがワンパターン気味に感じられました。全体的に振り切れていない、詰めが甘い印象が残った「猫を描いた男」。幸せの頂点と感じられる瞬間をバックアップして、なにか不都合が生じたときにバックアップした時点へ戻ることができるサービスを受けていた男。妻子を事故で亡くした時、彼は過去に戻ろうとするが……、「あとで」の流れを汲んでいる話ですけれど、かなり苦い結末が待っている「バックアップ・ファイル」。「死よりも苦く」「家主」「見知らぬ旧知」「闇の国」、これらは心の影の部分をテーマにした作品ですが、それゆえに少々インパクトがなく、全体的に平板な感じがしました。「闇の国」は、実際に見た、ただ厭な夢を物語に仕立てただけのような。これまでのサイズのジーンズが履けなくなった男が、ダイエットも運動もくそくらえと思って、タイムマシンを作り昔の体形を取り戻そうとする、おバカSFの「ダイエット地獄」。母親を亡くした娘に父親がクリスマスプレゼントとにラッピングした贈り物。センチメンタルな「いつも」。テーマパーク内に設けられた老人向けの住居で犯行を重ねる殺し屋。依頼を受けた彼は、ターゲットの老女が暮らす屋敷に入り込むのだが。テーマパークが帯びる狂気、奇妙さを描いた「ワンダー・ワールドの驚異」。

ユーザータグ:ホラー




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テーマ : ホラー小説
ジャンル : 本・雑誌

『闇へ降りゆく』ディーン・クーンツ 扶桑社ミステリー

2016-03-14

Tag : 短編集 ホラー SF

☆☆☆

ベトナム戦争から生還し、アメリカで再起を果たしたジェスが手に入れた念願のマイホームには、地下室へ降りる階段があった。深く暗い闇へと続く、彼にしか見えない階段が……モダン心理ホラー「闇へ降りゆく」。遺伝子工学の誤算がもたらした、恐るべき鼠との対決を描くSFサスペンス「罠」。スリのビリーが遭った災難をグロテスクに描いた「ひったくり」。サスペンスからホラー、初期のSFまで、ジャンルの枠を超えたベストセラー作家クーンツの傑作集〈ストレンジ・ハイウェイズ〉からなな編をおさめた第2弾!〈解説・三橋暁〉 内容紹介より



〈ストレンジ・ハイウェイズ2〉。
〈ストレンジ・ハイウェイズ〉の日本での刊行順は、『奇妙な道』、本書、『嵐の夜』です。

「フン族のアッチラ女王」
田舎町に現れた異星人による地球侵略SFで、人間にとり付いて精神を操るこの異星人のタイプはちょっとだけハインラインの『人形つかい』に似ている気がします。しかし、異星人に対抗する手段は、愛の力です。清々しいまでにストレートなテーマなうえに、さらに幸運な結末が良いです。

「闇へ降りゆく」
ベトナム戦争中、捕虜収容所で拷問虐待された経験がある主人公。良き夫であり父親である彼は一生懸命働きようやく家を購入したけれど、キッチンの壁にあるはずのないドアを見つける。それを開けると漆黒の闇、地下へ降りる階段があった。誰の心にも潜む邪悪なもの、醜悪なもの、それに誘惑されてしまいそうになる危うさを描いた、不安な余韻が残る心理サスペンスホラー

「オリーの手」
手で触れることで他人の心を覗き、操ることのできる超能力者と自殺未遂の若い女性の話。彼はその能力を使って彼女を救い、共に生活を始めるが……。超能力を持つが故の孤独、超能力者の影の部分を描いた作品。

「ひったくり」
『ナイト・ソウルズ』に収録されているキングの短篇「ポプシー」は、人間ではない子供を拐った男の話でしたが、この作品は、老婆が持っていた大きなハンドバッグをひったくった男の話です。その中からはもちろんあれが。

「罠」
遺伝子工学によって高い知能を得た鼠が研究所から抜けだして、雪に閉ざされた農場の母子を襲う話。設定が古くなっている感じがしました。

「ブルーノ」
スピルバーグが反重力ブーツを発明し、ディズニーは武器製造業者であるパラレルワールドから、凶悪なエイリアンを追ってやって来た熊の刑事、それに協力する私立探偵の話。〈ホーカ・シリーズ〉とか、『さらば、愛しき鉤爪』などが頭に浮かんでくるSFハードボイルド。

「ぼくたち三人」
新しく出現した種族が現人類を滅ぼし、さらに別の種族を生み出す話。

ディーン・クーンツ




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『時の扉をあけて』ピート・ハウトマン 創元SF文庫

2015-12-31

Tag : SF

☆☆☆☆

ここはどこだ?冬はどこに行った?ある冬の夜、扉を開けた少年が見たものは、心地よい夏の夜だった―。いつも飲んだくれている父。気丈ではあるものの、父の暴力に何もできずにいる母。そんな両親の喧嘩に耳をふさぎ、逃げるように屋敷の閉ざされた三階へと上がった少年は、丁寧に隠されていた扉を見つける。その扉は信じがたいことに、五十年前の世界への入口だったのだ。たったひとつの願いを胸に、過去へと旅立った少年が得たものは、ささやかな青春のひとときと、哀しみに満ちた運命。感動のタイムトラベル・ファンタジー。 内容紹介より



五十年前の世界へ通じる扉。
人口四十人ほどのメモリーという小さな田舎町。昔、住んでいた家族が不可解な失踪を遂げた屋敷。また、そこは主人公の少年の祖母が姿を消した場所。その屋敷を遺した祖父が死に際に「殺してやる」と言いながら、なぜ少年の首を絞めたのか。少年の目には見えない老人の正体とは。老人が唱える「めぐるめぐるよ、因果はめぐる」という言葉が意味するものは。
物語の前半はタイムトラベルものに感じるわくわくする要素があるものの、後半になり上記の謎が解けていくにつれ重いテーマが浮かび上がり、さらに主人公は第二次世界大戦に巻き込まれていきます。救いがあるとはいえ、時に囚われて翻弄される主人公の運命には悲哀に満ちたものがあります。記述は主人公の手記の形をとったり、報告書の形式だったり、手紙だったりと趣向が変えられて読みやすかったです。タイムトラベルものの秀作でしょう。

さて今年最後の更新になります。当ブログを訪れてくださった皆様、大変ありがとうございました。
2016年という新しい扉が開きます。どうぞ良いお年をお迎えください。




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テーマ : SF
ジャンル : 本・雑誌

『ユダヤ警官同盟』マイケル・シェイボン 新潮文庫

2015-11-25

Tag : SF

☆☆☆

安ホテルでヤク中が殺された。傍らにチェス盤。後頭部に一発。プロか。時は2007年、アラスカ・シトカ特別区。流浪のユダヤ人が築いたその地は2ヶ月後に米国への返還を控え、警察もやる気がない。だが、酒浸りの日々を送る殺人課刑事ランツマンはチェス盤の謎に興味を引かれ、捜査を開始する―。ピュリッツァー賞受賞作家による刑事たちのハードボイルド・ワンダーランド、開幕! 内容紹介より



1948年、建国後三ヶ月も経たないイスラエルはアラブ諸国に敗れ、米国はユダヤ難民のための入植地としてアラスカ州シトカに特別区を設けた。しかし、その地はあくまでも暫定的なものであり、60年後には地位が元に戻るためユダヤ人は再度行き先を決めなくてはならない。その期日が2ヶ月後に迫るとき、殺人事件が起きる。周辺国のロシアは第三共和政で、中国は満州国になっている、という具合でいわゆる歴史改変小説の形をとっているSF作品です。黒原敏行氏は、訳者あとがきで「改変歴史SF+ハードボイルド・ミステリー+純文学」と記し、ジャンル横断型文学の意欲作と述べています。まず始めに、作者が創りだした仮想世界にわくわくしたものを感じるのですが、残念ながらそれが長続きしません。そのときめきは、ユダヤ宗教にまつわる記述や純文学作家らしい書き込みのなかに紛れてしまいました。“境界線の知者”などのユダヤ人の慣習、風習は興味深いし、作者の表現力、描写力は際立っているのですが、ミステリ読みとしては、警察ミステリの形式を採ったことはどうなのだろうかと疑問に思うところです。在米ユダヤ人によるイスラエル・ロビー活動の凄まじさは『アメリカのユダヤ人』(土井敏邦著 岩波新書)で取り上げられていますけれど、彼らならこれくらいの計画を立てそうな気はします。



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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『人形つかい』ロバート・A・ハインライン ハヤカワ文庫SF

2015-08-14

Tag : SF

☆☆☆☆☆

アイオワ州に未確認飛行物体が着陸した。その調査におもむいた捜査官六名は行方不明になってしまった。そこで、秘密捜査官サムとその上司、そして赤毛の美人捜査官メアリは、真相究明のため現地に向う。やがて、驚くべき事態が判明した。アイオワ州の住民のほとんどは、宇宙からやってきたナメクジ状の寄生生物にとりつかれていたのだ。人間を思いのままに操る恐るべき侵略者と戦うサムたちの活躍を描く、傑作冒険SF 内容紹介より



本書は新装版です。
ミステリ好きのわたしにとって、ミステリも含めたいろいろなジャンルのエンターテインメント作品のなかで、もう一度読み返してみたいと思う作品が多いのが、意外にSFのような気がします。それは、初めて読んだ際の、未知の世界観や非日常感、宇宙を冒険する様子などにミステリとは特別異なる強い印象を受けたからだし、もう一度それを味わってみたいと望むからなのでしょう。
この地球侵略物の名作である本書は、帯にうたってあるとおりに“必読SF”のなかの一冊です。初めて読んだとき、この人間の身体と心に寄生する宇宙生物のイメージは強烈でしたし、再読してもそのグロテスクさを変わらず感じさせる作品です。さらに、主人公自身がその生物に寄生され、操られてしまうというショッキングな展開以外にも、一市民だけでなく米国大統領から議員、軍人までナメクジ状の寄生生物に取り憑かれていないことを示すために、ほとんど全裸状態で生活しなければならなくなるという、異様な状況のなかでのユーモラスな面が備わっていることに今回改めて気づきました。一方、キャラクターの造形、人物の関係、そして訳文などにちょっと古さを感じてしまいました。




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テーマ : SF
ジャンル : 本・雑誌

『縮みゆく男』リチャード・マシスン 扶桑社ミステリー

2014-10-06

☆☆☆☆☆

スコット・ケアリーは、放射能汚染と殺虫剤の相互作用で、一日に7分の1インチずつ身長が縮んでゆく奇病に冒されてしまう。世間から好奇の目、家庭の不和。昆虫なみの大きさになってなお、孤独と絶望のなか苦難に立ち向かう男に訪れる運命とは?2013年6月に逝去した巨匠マシスンの代表作を、完全新訳で25年ぶりに復刊。巻末には『ランボー』の原作者デイヴィッド・マレルによる詳細なあとがきも収録。ジャンルを超えて人間の実存と尊厳を問う感動のエンターテインメント!〈解説 町山智浩〉 内容紹介より



これほど荒唐無稽な物語なのになぜかとても身につまされました。たぶん人生を生きていく過程において否応なく身に降りかかる不運や嫌な出来事、具体的には大病や大怪我、失業、障がい、貧困、差別、こういったことを主人公が冒された奇病に象徴させているように感じるからかもしれません。何の落ち度もない主人公が陥った不条理な運命は、彼の身体が縮んでゆくことで妻の愛情を疑い、愛娘から受ける父親としての尊厳も失っていきます。そしてさらに縮むことで物理的な苦難がますます大きくなり彼を苛むのです。つまり、彼のサイズが周りの環境に適応したとしても、それはほんのいっときの気休めであって、しばらくするとまたサイズが小さくなりやっと馴染んだ環境が巨大化しさらに過酷に変化してしまうわけです。あれ以上は小さくなることない、周囲の状況が変化することのない一寸法師などは主人公からしたらよっぽど恵まれていることになります。さて、いよいよ主人公は『ぼくのつくった魔法のくすり』のおばあちゃんみたいに消えてなくなるのでしょうか。
あとどうでもいいことですが、主人公と死闘を繰り広げる黒後家蜘蛛は造網性だから、この話にあるような徘徊性あるいは狩猟性の行動はとらないと思うのですけれど……。

『ある日どこかで』リチャード・マシスン 創元推理文庫
『奇蹟の輝き』リチャード・マシスン 創元推理文庫
『奇術師の密室』リチャード・マシスン 扶桑社ミステリー
『アイ・アム・レジェンド』リチャード・マシスン ハヤカワ文庫   


縮みゆく男 (扶桑社ミステリー)縮みゆく男 (扶桑社ミステリー)
(2013/08/31)
リチャード・マシスン

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テーマ : SF
ジャンル : 本・雑誌

『ハローサマー、グッドバイ』 マイクル・コーニイ 河出文庫

2013-06-04

Tag : SF

☆☆☆☆☆

夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘流(グルーム)が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。だが壮大な機密計画がふたりを分かつ……少年の忘れえぬひと夏を描いた、SF史上屈指の青春恋愛小説、待望の完全新訳版。 内容紹介より



1975年に発表された作品。主人公が少年であり、かつ語り手であること、また、成長小説的な内容でもあり、読みやすいこともあってヤングアダルトっぽい感じがしました。主人公は反抗期の真っただ中で、頭の中の大部分を占めているのは去年の夏に港町で出会った少女のことです。彼はいよいよ彼女と再会する時が来ても、意識しすぎて会話はおぼつかなく、ぎこちない態度をとってしまう有様です。読んでいて微笑ましくも青春恋愛小説としては並の展開でしかありませんが、ここで気を抜いてしまうとその後の流れに驚かされます。一見、ヤングアダルト風青春恋愛友情物語を装ってはいますけれど、中盤から徐々に、そして終盤にかけて非常に内容はシビアになっていきます。例えば、少年が恋する純真な女の子が嫉妬を覚え、やがて少女から女になっていく過程や別の少女のイメージの変化とラスト部分の劇的な変わり様。これは他の主要登場人物たちにもいえることで、皆それぞれ時々によって多面的な性格付けをなされ、敵味方、悪人善人という一面的な描き方、または画一的な分け方をしていません(但し、主人公の母親だけは終始どうしようもないスノッブな人物としか描かれていない)。物語が進むにつれ主人公の少年(読者)が見たいと思っている面以外に、決して見たくない面も作者は容赦なく見せているような印象を受けました。爽やかななかに英国文学らしい残酷さを充分含んだ作品だと思います。




ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
(2008/07/04)
マイクル・コーニイ

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

『トリポッド 4 凱歌』 ジョン・クリストファー ハヤカワ文庫SF

2012-12-30

Tag : SF

☆☆☆

異星人の都市からぼくが持ち帰ったデータをもとに、大急ぎで対応策が立案された。宇宙のかなたの主人たちの母星から、まもなく大型船が到来する。その船には、主人たちが呼吸できるように地球の空気を変える機械がつまれているのだ。それが動き出せば、地球上のすべての生き物が絶滅してしまう。この怖るべき計画を阻止するため、異星人の三つの都市を同時に攻撃すべく遠征隊が出発した!〈トリポッド四部作〉堂々完結。 内容紹介より



異星人と戦うための仲間集めと組織化、より異星人のことを知るための捕獲作戦、偶然明らかになった異星人の生態、そしていよいよ敵の都市への攻撃。このようにシリーズは大団円へと向かっていきます。さて、シリーズを通してこの物語の語り手であるウィル・パーカーについて。安直な成長物語を期待しているわけではありませんし、等身大の男の子を主人公に据えたことによる読者の共感を誘う意図もわかります。そして、都合よく成長するのも不自然だとは思いますが、強情で思慮が浅く、柔軟性のない同じような思考パターンを繰り返す、この少年の成長のしなさ加減が終始気になりました。しかも運だけには恵まれるという。自由市民グループの指導者や理知的な仲間のフリッツから常に考えを否定されたり、またはたしなめられながらも、一向に性格の改善の兆しがない主人公を見ていると、まるで自分みたいでイライラしてくるのでした。
それから、強力な個性を感じさせる人物が不在に思えるのと、シリーズ中、対異星人への抵抗運動において女性の活躍がほとんど無かったり、存在さえ希薄だったりしたのは、女の子の読者のことを考えるとちょっと残念な気がします。

『トリポッド 1 襲来』
『トリポッド 2 脱出』
『トリポッド 3 潜入』




トリポッド 4凱歌 (ハヤカワ文庫 SF)トリポッド 4凱歌 (ハヤカワ文庫 SF)
(2005/05/15)
ジョン・クリストファー

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

『ハッカー/13の事件』 J・ダン&G・ドゾワ 編 扶桑社ミステリー

2012-12-15

☆☆☆☆

ハッカー ― コンピューターをはじめ、ありとあらゆる情報システムに侵入して改変をおこなうアウトローたち。だがかれらの行動は、単なる犯罪行為ばかりではない。それは、テクノロジーの新たな地平を目指す挑戦であり、自由をもとめる精神の戦いでもあるのだ……1980年代以降のカルチャー・シーンを大きく変貌させた、ウィリアム・ギブスンの歴史的名作を筆頭に、ポスト・サイバーパンク世代の新たな成果まで、名編集者コンビが厳選した最強のハッカー小説、全13編!新世紀のヴィジョンがここにある。〈解説・山岸真〉 内容紹介より



収録作品、「クローム襲撃」ウィリアム・ギブスン 「夜のスピリット」トム・マドックス 「血をわけた姉妹」グレッグ・イーガン 「ロック・オン」パット・ギャディガン 「免罪師の物語」ロバート・シルヴァーバーグ 「死ぬ権利」アレクサンダー・ジャブロコフ 「ドッグファイト」マイクル・スワンウィック&ウィリアム・ギブスン 「われらが神経チェルノブイリ」ブルース・スターリング 「マシン・セックス[序論]」キャンダス・ジェイン・ドーシイ 「マイクルとの対話」ダニエル・マーカス 「遺伝子戦争」ポール・J・マコーリイ 「スピュー」ニール・スティーヴンスン 「タンジェント」グレッグ・ベア

邦題からミステリ系の作品が多いのかなと思っていたら、ほとんどすべてSF作品でした。そのジャンルに非常に疎いわたしでも知っている大御所の作品が収録されていて興味深く読めました。

犯罪組織のコンピューターをハッキングして大金をかすめ取るハッカーと現代でいうところのネットアイドルになりたがっている娘を描いた「クローム襲撃」。
大手多国籍企業を辞め、独自に研究を始めるための資本提供先を探している研究者に、仲介役として接触していた夫婦。交渉中に何者かに襲われ、妻と研究者が誘拐されてしまう。多国籍企業の陰謀だと考えた夫は、旧知の凄腕のハッカーの元へ赴く。よくあるパターンの話の落とし方だった「夜のスピリット」。
先日読んだデイヴィッド・ベニオフの短編みたいに盲検法が話の鍵になっている、難病に罹った双子の姉妹についての物語「血をわけた姉妹」。

ロック(音楽)とSFまたはセックスとSFの組み合せは、作品として表現するには個人的に非常に相性が悪いと思うので、「ロック・オン」と「マシン・セックス[序論]」は読み辛く、その世界に入りにくかったです。それに比べて、異星人に支配された地球で、人間の身体に埋め込まれた生体コンピューターをハッキングする「免罪師の物語」はとても読みやすかったです。

自分にアルツハイマーの症状が現れ始めてきたことを知った男は、人工知能を持つコンピューターに、過去から現在までの自らについてあらゆることを語りかける「死ぬ権利」。
「ドッグファイト」は、複葉機を駆り、敵機を撃ち落とすバーチャル・ゲームに嵌り、手段を選ばず名人に挑む青年の話。勝負に勝った時、彼が得たものとは。
麻薬をつくる遺伝機構を直接人間のゲノムにつけるウェットウェアを発明した男とその転写酵素誘導体が犬をはじめとして他の動物に伝えられた後の顛末をコミカルに描いた「われらが神経チェルノブイリ」。
「マイクルとの対話」は、白血病によって息子を亡くした母親が、“ヴァーチャル・セッションルーム”で息子と対話し、心理治療を受ける話。
八歳の誕生日にプレゼントされたバイオキットで、アメーバをレトロウィルスによって形質転換させた少年が、遺伝子操作、遺伝子接合、体細胞形質転換を経て、自らをゲノム操作し直接光合成システムが開発されるまでになった世界に行き着くまでにたどった道をエピソード形式で描いた「遺伝子戦争」。
「スピュー」は、バーチャル空間でネット監視の仕事をする男の話か?よく理解できなかったのです。
「タンジェント」は、不思議な能力を持った少年が四次元の世界とそこの住人と接触する話。ブラッドベリの短編「もののかたち」を思い出しました。




ハッカー/13の事件 (扶桑社ミステリー)ハッカー/13の事件 (扶桑社ミステリー)
(2000/11)
J・ダン&G・ドゾワ編 ウィリアム・ギブスン 他

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

『トリポッド 3 潜入』 ジョン・クリストファー ハヤカワ文庫 SF

2012-08-02

Tag : SF

☆☆☆☆

ぼくたちはトリポッドのことを何も知らない。知能を持った機械なのか、それともべつの生物が乗っているのか?敵を知らなければ、反撃することもできない。そして、敵を知る方法はただひとつ ― トリポッドの都市に潜入し、調査をし、情報を持ち帰るのだ!危険な任務だ。生きてかえれないかも。でも、だれかがやらなきゃならない。訓練チームから選ばれた、ぼくとビーンポールとフリッツの三人は〈黄金と鉛の都市〉めざし旅立った! 内容紹介より



『トリポッド 2 脱出』から六ヶ月が経ち、主人公たちはスポーツ大会に参加するためのトレーニングに明け暮れています。トリポッドの都市において彼らに奉仕する人間に選ばれるためには、スポーツ大会で優勝しなければならないからです。いよいよキャップ人に化けて大会へ向うのですが、主人公は自由市民〈白い山脈〉の指導者から性格の欠点を指摘されたうえで、「むこうみずな行動」を取らないように厳命されているにもかかわらず、道中で軽率な事態を引き起こして、窮地に陥ってしまう場面があります。これは物語の後半部分における(都市での過酷な体験と友人の献身による)主人公の精神的成長を表すための伏線なのでしょうが、ちょっとイライラしてしまいますよね。それから大会へ向う旅中のエピソードも前作と被っているところがあるような気がしました。
ということで、本書でとうとうトリポッドの正体が判明し、彼らの生活や身体的特徴が明らかになります。『トリポッド 1 襲来』でも感じましたが、今回もジュブナイルにしてはなかなかシビアでハードな描写もあり、こういう容赦無いのはお国柄が出ている印象を受けました。

『トリポッド 1 襲来』ジョン・クリストファー ハヤカワ文庫 SF
『トリポッド 2 脱出』ジョン・クリストファー ハヤカワ文庫 SF




トリポッド 3 潜入 (ハヤカワSF)トリポッド 3 潜入 (ハヤカワSF)
(2005/03/15)
ジョン・クリストファー

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

『トリポッド 2 脱出』 ジョン・クリストファー ハヤカワ文庫SF

2012-07-07

Tag : SF

☆☆☆☆

トリポッドが世界を支配するようになってから、およそ百年。みんなキャップをかぶり、平和でのどかな生活をおくっている。でも、ほんとにこれでいいんだろうか?戴帽式を間近にひかえ、そんな疑問で頭をいっぱいにしていたぼくは、ある日一人のはぐれ者からおどろくべき話をきいた。トリポッドは異星からの侵略者で、海の向こうの白い山脈には自由な人々がいるという。ぼくは従弟のヘンリーとともに、自由を求め旅にでるが!? 内容紹介より



本書では、『トリポッド 1 襲来』から百年後の世界が舞台になり、イギリスやフランスの文明は中世に、社会は封建制度に後戻りしています。トリポッドから被せられるキャップのせいでかつての現代文明は忌まわしい歴史として扱われ話題にすることも憚られる状況にあります。ある日、はぐれ者に扮した自由市民の男からトリポッドが支配しない土地のこと聞かされ、主人公は従弟とともにその地を目指します。
イギリスからフランスへ船で渡り、目的地のスイスへ徒歩で向かう道中記が描かれているわけで、家出をし、人目を避けて野宿したり、食料が尽きると食べ物を盗んだり、打ち捨てられ荒廃した無人の巨大都市を探検したりする冒険は大人の読者も引きこまれます。
また、主人公はヒーロータイプじゃなく普通の少年であり、後に二人の仲間に加わるフランス人の少年と従弟が仲良くしている様子に嫉妬したり疎外感を持ったり姿は子供たちにも共感を呼ぶでしょうし、旅の途中、ある館で大事にされて幸せな生活を送り、知り合った女の子に好意を抱いてキャップを受け入れようかと心が揺れ動く様子を描いて人の弱さを表したりしています。
たしかに今読んでも面白いのですけれど、少年時代に読んでいたなら更に愉しめたでしょうし、特別な一冊になっていたのにと思ったりもしました。

『トリポッド 1 襲来』 ジョン・クリストファー ハヤカワ文庫SF




トリポッド〈2〉脱出 (ハヤカワ文庫SF)トリポッド〈2〉脱出 (ハヤカワ文庫SF)
(2005/01/15)
ジョン・クリストファー

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

『トリポッド 1 襲来』 ジョン・クリストファー ハヤカワ文庫SF

2012-07-01

Tag : SF

☆☆☆☆

ぼくとアンディがサマーキャンプに参加していた時、とんでもない事件を目撃した。20メートルをこす巨大な三本脚の物体が現れて農場を破壊し、近づいてきた戦車をひねりつぶしたんだ!結局は戦闘機のミサイルであっけなく破壊されちゃったけど、この謎の物体は、イギリスだけじゃなく世界各地に飛来していたらしい。でもこの事件は、異星からやってきた〈トリポッド〉の、地球への侵略の第一段階にすぎなかったんだ! 内容紹介より



トリポッド・シリーズである『脱出』『潜入』『凱歌』の二十年後に三部作の前日譚として書かれたのが本書だそうで、トリポッドが地球に襲来して人間を支配する一方、支配から逃れたグループたちの行動が描かれています。1960年代に発表された三部作は児童文学の名作なのでそうですが、まったく知りませんでした。ジュブナイルといえどもやはり英国文学ですから結構シビアな箇所もあって、たとえば主人公の少年の家庭環境は祖母、実父と継母と義妹が同居して彼らと主人公の人間関係が微妙にぎくしゃくしていたりします。本書のメインテーマ自体もトリポッドによる洗脳を受け、盲信してしまう人間たちを全体主義や狂信者のイメージにだぶらせ、武器による肉体への支配よりもプロパガンダによる精神への支配の無気味さを表し、それに抵抗し自由市民としてトリポッドと闘う者たちの勇気を描いています。西島大介氏のカバーイラストから受ける印象とは違って、内容は大人が読んでもはまるなかなか硬派なものでした。




トリポッド 1 襲来 (ハヤカワ文庫 SF)トリポッド 1 襲来 (ハヤカワ文庫 SF)
(2004/11/15)
ジョン・クリストファー

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

『地球の静止する日』 ブラッドベリ、スタージョン他 創元SF文庫

2012-04-05

☆☆☆☆

綺羅星のことき名作SF映画の数々の中から知られざる原作短編を精選した、日本独自編集によるアンソロジー。有数の名作として愛されている表題映画の原作に加え、ブラッドベリが近年公開した短編、スタージョンの手になる原作として伝説的に語られてきた中編など本邦初訳作を収録。また、やはり初訳のハインラインの中編には、著者自身が撮影の舞台裏を明かした顛末記を付した。 内容紹介より



収録作品
「趣味の問題」レイ・ブラッドベリ
「ロト」ウォード・ムーア
「殺人ブルドーザー」シオドア・スタージョン
「擬態」ドナルド・A・ウォルハイム
「主人への告別」ハリイ・ベイツ
「月世界征服」ロバート・A・ハインライン
「「月世界征服」撮影始末記」 ロバート・A・ハインライン

サブタイトル「SF映画原作傑作選」のとおり、映画の原作となった短中編作品を集めたものです。ただ、「「月世界征服」撮影始末記」は、メイキング秘話を綴ったものです。

「趣味の問題」
地球人の探検隊を乗せた宇宙船が降り立った惑星は平和で、住人たちも思慮深く、穏やかな気質なのだが、ただひとつ大きな問題があって、それは住人たちの外形が巨大な蜘蛛そっくりだったこと。根源的、生得的な好悪感情をテーマにした作品。個人的には、蜘蛛はまあ大丈夫だと思いますが、もしこれが蛇だったらわたしは無理です。

「ロト」
終末戦争下における、ある家族を描いた作品。危機的状況が迫りつつあるのに、近所付き合いや友達付き合いにこだわる、日常生活が抜けきらない妻、両親に対して傍若無人になりつつある長男、卑屈な次男、父親似の娘、すべてを計画、準備し、来るべき事態に備えて父親が取った行動とは……。

「殺人ブルドーザー」
金属を生命媒体とする電子生命が、ある孤島の工事現場のブルドーザーにとり憑き、作業員たちに襲いかかるというシンプルでストレートな話。ブルドーザーとショベルカーが闘うシーンは迫力があります。

「擬態」
スズメバチに擬態する蛾がいるように、もしかしたら恐竜時代にはティラノサウルス・レックスに酷似した草食恐竜がいたかもしれません。そしてまた、現在、動物界で最強の存在である人間に擬態しない動物がいないわけがない、というアイデアをもとにした作品。SFというよりトワイライト・ゾーン風な薄気味悪さを醸し出しています。

「主人への告別」
『地球の静止する日』 ハリー・ベイツ 他 角川文庫

「月世界征服」
映画のノヴェライズ作品。ジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』を換骨奪胎したような作品で、『月世界旅行』においては人類は月面に立つことができなかったけれど、本作では着陸し、月面を探索しています。ただし、内容は燃料不足により地球に帰還できるかどうかがメインとなって進みます。登場人物たちの主な行動原理が対ソ連というところは、いかにも反共主義者と呼ばれた作者らしくて苦笑。




地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)
(2006/03/23)
レイ ブラッドベリ、シオドア スタージョン 他

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テーマ : SF小説
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