『木曜日の子供』テリ—・ホワイト 文春文庫

2017-05-19

Tag :

☆☆☆

木曜日の子供は遠くまで行く—マザーグースはそう歌う。たまたまそんな星の下に生まれたために旅に出なければならない家出少年が、ひとりの殺し屋に出会う。が、この凄腕の殺し屋も、よくよく聞けば両親を航空機事故で失い、たった一人の弟を植物人間にされて敵討ちを心に誓っている。彼もまた“木曜日の子供”なのだろうか? 内容紹介より



殺し屋と刑事という対比した構図をとっていた『殺し屋マックスと向う見ず野郎』、本書では殺し屋と刑事あがりの私立探偵の形をとっています。これは恐らく作者が得意とする形式なのでしょう。そして、あくまで少年にとっては自分を必要としてくれる相手、殺し屋にとっては亡くなった弟の喪失感を埋める存在として互いの愛情を描いてあるのですけれど、深読みしてしまうと殺し屋と家出少年のふたりの関係から漂う危なげな雰囲気が、『真夜中の相棒』を彷彿とさせます。その関係に、家出した子供を捜し出すことを専門とする私立探偵が加わって話が進んでいきます。彼も警官としての挫折と自分の子供が家出して行方が判らない過去を背負っています。作品全体から受ける印象は、パターンにこだわってテーマが通り一遍になってしまっているみたいな感じで、登場人物の行動やその結末も予想したとおりで意外性に乏しく、女性作家に見られる男同士の友情についての美化がやはり目に付き、作者はこれを様式美として極めたいのではないのか、と思ったりもします。その反動によるものなのか女性の登場人物についての印象がペットの犬並みに弱いです。

『殺し屋マックスと向う見ず野郎』




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『裏切りの代償』ブレット・バトルズ RHブックスプラス

2017-05-15

Tag :

☆☆☆

ジョナサン・クィンはフリーランスの“掃除屋”。今回始末を頼まれた死体は、コンテナに載せられロサンゼルスまで運ばれてきた。死体の主の名前を聞いてクィンは耳を疑った。スティーヴン・マルコフ—かつて命を救ってくれた元CIAのスパイだった。仕事を終えればすべて忘れる—それがクィンの信条だが、今度ばかりは別だ。クィンは行方不明のマルコフの恋人ジェニーの足跡を追ってシンガポールに飛ぶ!注目のハード・スパイ・アクション第2弾 内容紹介より



シリーズ第一作目の『懸賞首の男』を読んだときは、“掃除屋”という死体を含めたスパイ活動などの痕跡を消し去る職業が目新しくて新鮮に感じたのですが、本書では話のとっかかりでその仕事の有り様が描かれるだけで、その後は従来ある腕利きスパイの真似事みたいな活動に終始し特色をいかしきれていない印象が残りました。物語の展開が二転三転するところは工夫のあとが見られるにしても、オーソドックスなハリウッド映画風なスパイ・アクションです。“影の政府”とかいう強力な陰謀組織を登場させるありきたりな設定、007を思わせるハイテク機器を使うなど、もう少しで荒唐無稽な方向へ流れそうなところで踏み止まっているのと主人公をスーパーヒーロー化させていない点は、これからどうなるか判りませんが維持して欲しいところです。前作でも感じたように主人公の個性が相変わらず弱い、寡黙なのはおおいに結構ですが、プロとしてのこだわりなり流儀をもっと前面に出してもらいたいものです。この主人公だから続編を読みたくなるという具合になれば良いのですけれど。




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『デクスター 夜の観察者』ジェフ・リンジー ヴィレッジブックス

2017-05-11

Tag :

☆☆☆

マイアミ大学の構内で首なし死体が見つかった。被害者の女子学生2人は全身を焼かれ、頭部のかわりに陶器の雄牛の頭が置かれていた。不気味ながら興をそそられる手口……のはずが、事件に関わってからというものデクスターは何者かに執拗にストーキングされ、頼みの“殺人鬼の勘”も今回は捜査に役立ってくれない。そんななか新たな首なし死体が発見され、デクスターの身近な人物にも魔の手が伸びはじめる。手がかりは現場に残された謎の文字。だがそれは想像を超える闇への招待状にすぎなかった!昼は好青年の鑑識官、夜は冷血無情な連続殺人鬼—強烈なダークヒーローの活躍を描く絶賛シリーズ第3弾。 内容紹介より



今回は、ややホラーテイストで主人公デクスターの精神に棲む〈闇の乗客〉と呼んでいる意識体に焦点があてられています。地球が誕生する以前から存在し、動物を宿主とする“それ”の成り立ちが序章として説明され、その傍流が主人公の内部に居る〈闇の乗客〉というわけです。“それ”は、スタージョンの短篇『それ』やクーンツの『ファントム』に登場した怪物を思わせますが、“それ”は物体としては存在せず意識が宿主に乗り移ってあやつるようです。それならどうして主人公を宿主にしなかったのか、疑問に思ったのですけれど、そのあたりの説明は不十分なようで詰めが甘い気がします。それとともに鑑識の仕事そっちのけで巡査部長である義理の妹のお供としてあっちこっち引っぱり回される様子もなんだか違和感がありました。裏の顔である殺人鬼という、これまでの狩る立場から狩られる立場に置かれると作品と主人公の魅力が半減してしまったみたいな印象を受けました。
それから毎回このシリーズの感想で言ってますが、三人称の主人公による会話の部分だけですむ諧謔や饒舌より、本書のような一人称のそれは会話はもとより傍白でもながながと続くためにたちが悪いということ。

『デクスター 幼き者への挽歌』
『デクスター 闇に笑う月』




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『悪女は自殺しない』ネレ・ノイハウス 創元推理文庫

2017-04-23

Tag :

☆☆☆

ドイツ、2005年8月。警察署に復帰した刑事ピアを待ち受けていたのは、上級検事の自殺だった。時を同じくして、飛び降り自殺に偽装された女性の遺体が発見される。実際は動物の安楽死に使用される薬物による毒殺で、夫の獣医や彼の働く馬専門動物病院の共同経営者たちが疑われる。だが刑事オリヴァーが指揮を執る捜査班が探るうち、被害者へのとてつもない憎悪が明らかになり、さらに背後に隠されたいくつもの事件が繋がりはじめる。謎また謎の果てに捜査班がたどりつく真相とは。〈ドイツミステリの女王〉の人気に火をつけたシリーズ第1弾。 内容紹介より



〈刑事オリヴァー&ピア〉シリーズの第一作目。以前読んだ『深い疵』は三作目にあたるようです。
娯楽作品のストーリー進行をジェットコースターに例えたりしますけれど、本書はそれほどの大きな起伏の繰り返しはなくて、凸凹した縦揺れの激しい道路を走る車みたいでした。それは被害者への恨みや妬み、愛憎を抱く容疑者が次から次に出てくることと、事件の捜査が進むにつれ、被害者と容疑者たちとの人間関係や利害関係が判明するにもかかわらず、物事が一定の方向へ収斂していくのではなく,いっこうに犯人への手掛かりが見えて来ない、いうなれば四方に放散してしまう状況に陥ってしまっているからです。このような刺激的でめまぐるしい展開が続くために,その刺激過多に慣れてしまい作品の雰囲気が雑然というかせわしない印象を与えているように感じました。また、これまでエリザベス・ジョージのリンリー警部など、貴族または元貴族の称号を持った捜査官は結構登場していますが、このオリヴァー警部には果してその称号を冠する必要性があったのかどうなのか、やや疑問です。女性に投げ飛ばされたり、バットで頭をぶん殴られたりする姿はコミカルではあるものの、本来ならこの設定の売りであるはずの階級から来る品格とか華麗さには欠けているような気がしました。そして肝心の被害者の単なる悪女でしかない造形の仕方も芸が無い印象を受けました。

『深い疵』




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『もう年はとれない』ダニエル・フリードマン 創元推理文庫

2017-04-18

Tag :

☆☆☆

思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに親切とはいえなかったナチスの将校が生きているかもしれない—そう告白されたところで、あちこちガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫に助けられながら、宿敵と黄金を追うことに……。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いいヒーローを生みだした、鮮烈なデビュー作! 内容紹介より



78歳の老齢探偵が活躍する『オールド・ディック』と同じアプローチの仕方で代り映えがしないし、ミステリについてはかなり粗さが目立った印象でした。第二次大戦中の捕虜収容所で虐待された相手であるナチスの将校との対面や金の延べ棒を手に入れる場面、この二つの山場ともいえる場面がかなりあっけない顛末になってしまって、一捻りを期待したぶん肩すかしを喰らいました。そして、殺人犯がどうして時間も手間もかかる猟奇的な殺し方をしなければならなかったのか、とか、孫の後半に入ってからの豹変した態度への違和感、こういうものがストーリーに果たして必要だったのかすごく疑問に感じました。当初は刺激的だった主人公が吐く暴言や悪態が、話が進むにつれて目障りだったり飽きたりしてしまいました。その一方で、最後半部分での墓地で死者に手向けられた言葉はしんみりさせられますが、物語をどうゆう方向に持っていきたいのか紛らわしい感じを受けました。元刑事の経験値が見られず、場当たり的でただ騒がしいだけの起伏に乏しいハードボイルドもどきな作品みたいな気がします。



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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『ミスター・イエスタデイ』エリオット・チェイズ サンケイ文庫

2017-04-12

Tag :

☆☆☆

セント・ジェイムスの小学校時代の担任教師だったコール婆さんが死んだ。自宅の台所の床に電球を握ったまま。そばには脚立が転がっていた。殺人か?ほどなく、彼女の妹ナタリーも死亡。現場の部屋は血だらけ、明らかに他殺だ。一方、町は郊外にできる政府の核廃棄物処理場の話で騒然。まだ候補地の段階との政府発表だったが、老いぼれ記者“ミスター・イエスタデイ”が取材の結果、試掘が開始されていたことが判明したのだ。セント・ジェイムス・シリーズ第二弾! 内容紹介より



シリーズ第一作目の『さらばゴライアス』も読んでいるのですが、当然まったく記憶に残っていません。
主人公はアラバマ州の地方にありながら大手のネットワークに買収された新聞社の社会部長で、地元警察の警部とは懇意の仲であり、部下である若手の女性記者の恋人がいて、上層部に頭が上がらず部下には偉ぶる新聞社社長とはそりがあわず、社内のコンピュータ化と大衆におもねるような紙面のレイアウトが気に入らない、やや早めの中年の危機を感じさせる43歳の男性です。主人公の担任教師だった一人暮らしの老女が自宅で変死していた事件、彼女の妹が姉の家でペットのヤギと共に惨殺体で発見された事件、この二つが立て続けに起きます。一方、町は核廃棄物処理場の問題で騒然とし、姉妹は処理場候補地の周辺に土地を所有していて、そして変死した姉は黙示録を引用して処理場建設に反対していたことが明らかになる、という展開です。政府による陰謀か、あるいは妹の身に起きた凄惨な犯行現場からオカルト的な動機も考えられるなか、主人公に降り掛かる、というかくよくよ悩む心身の衰え、老化や恋愛問題を交えつつ、同じ世代の警部やかつて名声を馳せながら飲酒によって地方新聞に拾ってもらった“ミスター・イエスタデイ”と揶揄される老記者とのやり取りを、南部ほら話風な雰囲気も醸し出しながら進行していきます。




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ジャンル : 本・雑誌

『ミルク殺人と憂鬱な夏』フォルカー・クルプフル ミハイル・コブル ハヤカワ文庫HM

2017-03-23

Tag :

☆☆☆

殺人事件? 俺が住む、片田舎のこの町で? 警部は耳を疑った。殺されたのは、地元の乳製品工場に努める技術者。だが困ったことに、これといった動機も容疑者も浮かばない。事件のカギは被害者の過去にあるのか、あるいはその人間関係に? 警部と部下たちの捜査がようやくたどり着く事件の意外な真相とは……不器用にして恐妻家、要領は悪いが愛すべく中年警部の獅子奮迅の活躍を描きドイツで圧倒的人気の話題作  内容紹介より



質実剛健みたいな堅いイメージがあるドイツ産のミステリのわりには、ユーモア・ミステリのような弛めの雰囲気があって、お国柄と違うはそんなところがドイツ国内でうけているのでしょうか。この警部クルフティンガー・シリーズは8作刊行されているらしく、本書がデビュー作です。ただデビュー作からなのか、主人公の警部以外の主に部下の刑事たちのキャラクターがいまいち確立せずあやふやな感じがしました。また、フィクションを翻訳する経験値の問題なのか、コミカルな場面をはじめとして全体的に訳者の岡本朋子氏の訳出がこなれていないような印象を受けました。これはミステリの内容がそんなことを忘れさせるくらいに面白ければ問題ないのでしょうけれど、警察小説としての出来が際立って良いとは言えないために評価が低くなってしまいました。ただ、真面目でたまにかんしゃくを起こす、名探偵型でないきわめて人間的、家庭的な主人公の造形はかなり魅力を感じさせています。事件自体は入り組んで難度の高いものではなく、テレビドラマ向けのちょっと底の浅いものですから、北欧系の鬱々としたメンタルに来そうなミステリとは別の楽しみ方ができる作品だと思います。




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『死者の館に』サラ・スチュアート・テイラー 創元推理文庫

2017-03-15

Tag :

☆☆☆

一人の若者が殺害された。体をおおうのは下着のみで、ネクタイで両腕をベッドの支柱に縛りつけられ、風変わりなブローチをつけていた。それが服喪用装身具だと気づいたクイン刑事は、ハーバード大で教鞭をとるスウィーニーに助力を求めた。ところが死亡した若者はスウィーニーのゼミの生徒で、ボストンの名門パトナム家の一員であることが判明。モーニングジュエリーの出所に興味を覚えたスウィーニーは、被害者の兄に心惹かれつつ調査をはじめる。名門の一族の秘められた過去とは?死と象徴に彩られた芸術史家スウィーニー・シリーズ第二弾。 内容紹介より



シリーズ第一作目の『狡猾なる死神よ』は未読です。
ハーバード大学芸術・建築史学科助教授の肩書きを持つヒロインには、もっとアカデミック寄りのエキセントリックな造形を期待していたのに、それらしい強烈な個性が見られなかったのは物足りませんでした。英国ビクトリア朝にさかのぼる、死を受け入れ死者を身近に感じるための装具についての歴史や風俗についての講釈は興味深かったのですけれど、それ以上の学術的面白みに繋がらなかったのも残念なところであり、ヒロインの人物としての面白みが希薄な点も目につきました。ヒロインの行動パターンは伝統のナンシー・ドルーを彷彿とさせ、ミステリの骨格は米国人が大好物の名門一家のスキャンダルやゴシップに基づいています。つまりは歴史的装具とか墓石の意匠などの被いを物語から取り去るなら、そこにあるのはあまり代り映えしない基本形なのです。しかもラブロマンスの味付けもしてあるという念の入れようですので、事件の真相が明らかになった時点で、その真相とそれまでに芸術史に関連して語られ、読者を誘導してきた事との差にやや飽きれ気味になってしまったのでした。とりあえずミステリ部分が脆弱で、また、刑事の妻の身に起きた出来事のストーリーに対する必要性が理解できません。




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『原始の骨』アーロン・エルキンズ ハヤカワ文庫HM

2017-03-10

☆☆☆

ネアンデルタール人と現世人類の混血を示唆する太古の骨—この大発見の五周年記念行事に参加すべく骨の発掘されたジブラルタルを訪れたギデオン。だが喜ばしい記念行事の影には発掘現場での死亡事故をはじめ、不審な気配が漂っていた。彼自身まであわや事故死しかけ、発見に貢献した富豪が自室で焼死するに至り、ギデオンは疑いを深めるが……。一片の骨から先史時代と現代にまたがる謎を解く、スケルトン探偵の名推理 内容紹介より



今回は嫁のジュリーも同行して、久々にこれぞトラベルミステリという趣がする作品で、小さい土地ながらヨーロッパのなかでアフリカ大陸に最も近い位置を占め、古代からの要衝の地であり、現在はイギリス領土となっている、様々な文化が入り交じったエキゾチックな雰囲気を醸し出すジブラルタルを舞台にしています。『われらが英雄スクラッフィ』に登場した野生猿も取り上げられていて、描かれているその姿が愉快です。そのジブラルタルにある遺跡で発掘された子供の遺骨が、ネアンデルタールとホモ・サピエンスが交配した証拠になるものではないか、との議論を呼んだ過去の大発見の現場を訪れた主人公に降り掛かる奇妙な出来事と遺跡のある洞窟の崩落事故で亡くなった女性考古学者、自宅で焼死した遺跡発掘のスポンサーである素人考古学者、これらの不審死。発掘作業でブラシや刷毛によって古代の遺骨が徐々に姿形を現わしていくように、大発見にまつわる隠された真実がギデオンの手によって明らかにされていきます。

ユーザータグ:アーロン・エルキンズ





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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『みんな行ってしまう』マイケル・マーシャル・スミス 創元SF文庫

2017-02-03

Tag : 短編集 ホラー SF

☆☆☆

『スペアーズ』『ワン・オヴ・アス』で知られる鬼才作家M・M・スミスが贈る、哀感と郷愁に満ちたSFホラー傑作集。小品ながら忘れがたい味わいを残す表題作を巻頭に、奇跡の医療用ナノテクがもたらした人類の意外な終末「地獄はみずから大きくなった」、田舎町に暮らす不思議な絵描きを巻き込んだ事件を描く英国幻想文学大賞受賞作「猫を描いた男」、近未来の巨大ハイテク・テーマパーク兼養老院での奇怪な冒険劇「ワンダー・ワールドの驚異」まで12編を厳選して収録。 内容紹介より



「みんな行ってしまう」「地獄はみずから大きくなった」「あとで」「猫を描いた男」「バックアップ・ファイル」「死よりも苦く」「ダイエット地獄」「家主」「見知らぬ旧知」「闇の国」「いつも」「ワンダー・ワールドの驚異」

子供が成長して大人になっていく過程で少しずつ失っていったもの、消えていったもの、無くしたものを少年の形にして表した、ブラッドベリ風な感傷性をもった物悲しい作品「みんな行ってしまう」。ナノテクに医療科学を組み合わせた最先端医療用ソフトとハードウェアを開発しようとした三人組。その中のひとりが研究中に亡くなったため、研究目的はまったく違った方向へ向かってしまう。医学と心霊の取り合わせが、この作品においては木に竹を接いだみたいな心地悪さを感じさせる「地獄はみずから大きくなった」。交通事故で突然に愛妻を失った夫のとった行動は……。愛さえあれば奇跡が起き、愛ゆえに何ごとも成し遂げられる、ということでしょうか。これまでのホラー作品を一歩進めたような物語「あとで」。夫による家庭内暴力から妻や子供が逃れてくる場面が、三回繰り返されるところがワンパターン気味に感じられました。全体的に振り切れていない、詰めが甘い印象が残った「猫を描いた男」。幸せの頂点と感じられる瞬間をバックアップして、なにか不都合が生じたときにバックアップした時点へ戻ることができるサービスを受けていた男。妻子を事故で亡くした時、彼は過去に戻ろうとするが……、「あとで」の流れを汲んでいる話ですけれど、かなり苦い結末が待っている「バックアップ・ファイル」。「死よりも苦く」「家主」「見知らぬ旧知」「闇の国」、これらは心の影の部分をテーマにした作品ですが、それゆえに少々インパクトがなく、全体的に平板な感じがしました。「闇の国」は、実際に見た、ただ厭な夢を物語に仕立てただけのような。これまでのサイズのジーンズが履けなくなった男が、ダイエットも運動もくそくらえと思って、タイムマシンを作り昔の体形を取り戻そうとする、おバカSFの「ダイエット地獄」。母親を亡くした娘に父親がクリスマスプレゼントとにラッピングした贈り物。センチメンタルな「いつも」。テーマパーク内に設けられた老人向けの住居で犯行を重ねる殺し屋。依頼を受けた彼は、ターゲットの老女が暮らす屋敷に入り込むのだが。テーマパークが帯びる狂気、奇妙さを描いた「ワンダー・ワールドの驚異」。

ユーザータグ:ホラー




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テーマ : ホラー小説
ジャンル : 本・雑誌

『悪魔は夜はばたく』ディーン・R・クーンツ 創元推理文庫

2017-01-25

Tag : ホラー

☆☆☆

「メアリー・バーゲンか……」男は虫の息でうめき、口から噴き出す血がパトカーの窓ガラスを染める。透視能力者メアリーに追いつめられた殺人犯が、いま警察の手で射殺された。だが、男はなぜ彼女の名を呼んだのか?それは新たな大量殺人の前兆にすぎなかった!その夜からメアリーはさらに凄惨な殺人現場の幻視に見舞われるばかりか、ポルターガイストにまで襲われる。しかし、そのときはまだ知るよしもなかった……この事件が彼女自身の忌まわしい過去さえもよみがえらせることになろうとは!霊能者と連続殺人鬼の対決を描き、ベストセラー作家の原点となった傑作ホラー。これを読まなければクーンツは語れない! 内容紹介より



1977年に発表された本作品は、巻末の創元推理文庫編集部編 ディーン・クーンツ著作リストによると、フィクションでは37作目にあたるようで、三橋暁氏の解説によれば著者の出世作といえるそうです。霊能力者のヒロインを核にしてホラーとミステリを融合させた物語で、殺人事件を事前に察知できる能力を持ったヒロインが警察に協力して連続殺人犯を追います。しかし、その過程で彼女の透視能力を妨げようとするかのように、これまでにないほどひどい惨劇のイメージが浮かんだり、彼女を狙ったポルターガイスト現象が起きたりします。そのようなモダンホラーの部分はかなり上手く効果的に仕上がっていると思うのですけれど、ミステリ部分では、真犯人の正体が早々に見当が付くにもかかわらず読者の目をそらすような工夫はなく、わざとらしいこれ見よがしなミスリードだけが目につく印象が残りました。ただ、クーンツの創作人生を方向付けた指針、あるいは転換点となるような作品と言われれば、なるほどそうなのだという感じは受けました。

ユーザータグ:ホラー
ディーン・クーンツ




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テーマ : ホラー小説
ジャンル : 本・雑誌

『恐怖の愉しみ 下』デ・ラ・メア 他 創元推理文庫

2017-01-19

Tag : 短編集 ホラー

☆☆☆

怪談は語り口がすべてである。そしてその醍醐味は短編にあるといっても過言ではない。本書は、幽霊怪談の嚆矢ともいうべきデフォーの『ミセス・ヴィールの幽霊』を頭に,レ・ファニュ、E・F・ベンスン、デ・ラ・メア、A・E・コッパード、ヒュー・ウォウポール、そしてW・W・ジェイコブズら総勢二十四人の手練による〈百物語〉の真打ちである。英米の会談を訳しては名匠とうたわれた平井呈一が、みずから選び抜き、腕に縒りをかけて訳出した名品の数々。まさに恐怖の愉しみを味わうには絶好の書! 下巻内容紹介より



「失踪」ウォルター・デ・ラ・メア、「色絵の皿」マージョリ・ボーエン、「壁画のなかの顔」アーノルド・スミス、「一対の手—ある老嬢の怪談—」アーサー・キラ=クーチ、「徴税所」W・W・ジェイコブズ、「角店」シンシア・アスキス、「誰が呼んだ?」ジェイムズ・レイヴァー、「二人提督」ジョン・メトカーフ、「シャーロットの鏡」ロバート・H・ベンスン、「ジャーミン街奇譚」A・J・アラン、「幽霊駅馬車」アメリア・B・エドワーズ、「南西の部屋」メアリ・E・ウィルキンズ=フリーマン。
下巻には以上の十二編が収録されています。


「失踪」幽霊も悪魔も骸骨も出て来ない話、結局人間の所業がそんなものよりも恐ろしいということなのでしょうか。デブで大柄な幽霊という見た目が可笑しいし、実は性別も……なのですが、趣味の品物に執着して孤独を紛らわせる姿に哀れさを感じる「色絵の皿」。悪魔、魔物封印系の話壁画のなかの顔」。幼くして亡くなったこどもの幽霊、生前暮らした屋敷から離れられず、移り住んでくる住人を選べない、いたいけな幽霊の「一対の手—ある老嬢の怪談—」。死を呼ぶ幽霊屋敷に肝試しで一夜を過ごそうとする四人の男たちに起きた恐怖体験談「徴税所」。偶然見かけた骨董品店で、安く買い求めた品が非常に高価なものだと知った客の男は、オークションで手に入った売上金の半分を返金しようと再度店を訪れるが……、「角店」。ショートショートホラーの「誰が呼んだ?」。不思議な味わいの「二人提督」。十三人の神父が語る奇譚三編が収められている「シャーロットの鏡」。差出人の名前のない、芝居の切符を受け取った男が体験したへんてこな話「ジャーミン街奇譚」。道に迷った男が乗り合わせた乗り合い馬車は「幽霊駅馬車」。下宿人をおいている屋敷を切り盛りする姉妹、亡くなった叔母の使っていた部屋で起きる気味の悪い現象を描いた「南西の部屋」。
収録作品はバラエティの富んでいるため、読んでいて飽きません。『淑やかな悪夢 英米女流怪談集』『怪奇礼讃』にも作品が収められている作家が目につきました。

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ジャンル : 本・雑誌

『M・R・ジェイムズ傑作集』M・R・ジェイムズ 創元推理文庫

2017-01-16

Tag : 短編集 ホラー

☆☆☆

M・R・ジェイムズの怪奇小説は古典的であり、その恐怖と戦慄の盛り上がりは、まさに「怪談」の名をほしいままにしているといえよう。彼の生み出す妖魔たちは、読者にもその気味の悪い手をふれてきそうなほどなまなましい。古い銅版画の中で妖怪が動きまわるという奇怪な作品「銅版画」、あるはずのない十三号室が実は存在するという「十三号室」などをはじめ、迷路をテーマに悪夢のような世界を描きだした特異な作品「ハンフリーズ氏とその遺産」を含む17編を収録。 内容紹介より



「消えた心臓」「銅版画」「秦皮(とねりこ)の木」「十三号室」「マグナス伯爵」「笛吹かば現われん」「縛り首の丘」「人を呪わば」「ハンフリーズ氏とその遺産」「ウィットミンスター寺院の僧坊」「寺院史夜話」「呪われた人形の家」「猟奇への戒め」「一夕の団欒」「ある男がお墓のそばに住んでいました」「鼠」「公園夜景」

収録作品は、黒魔術、秘儀、魔法といったものにはまった人物が起こした事件、または彼らが遺した品物が起こす出来事を元にした話を伝聞形式で表したものが多いように思います。読む前にはおどろおどろしい様式美を帯びたゴシックホラーをイメージしていたのですけれど、意外にも実際には軽口をまじえるところがあって、予想していたより重々しく感じなかった印象でした。作品は良い意味でベーシックな怪談であり、行間から血液体液や肉片が飛び散るみたいなスプラッターやモダンホラーとは正反対に位置しています。
有名な「銅版画」は、画のなかの気味の悪い何者かが動き回って、ある事件を再現する話。「呪われた人形の家」も同様に、ある一家に起きた凄惨な事件がドールハウスで再現されるという話。過去を映しだす望遠鏡の「縛り首の丘」。「秦皮(とねりこ)の木」は、魔女裁判にかかわった地元の名士が魔女に呪いをかけられ、一家の跡継ぎが奇妙な死に方をするのですが、とねりこの木に巣食う生き物が非常に無気味です。存在するはずのない部屋が出現する「十三号室」に宿泊するものは……。

ユーザータグ:ホラー




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ジャンル : 本・雑誌

『怪奇礼讃』E・F・ベンスン/A・ブラックウッド 他 創元推理文庫

2016-12-28

☆☆☆

本書は怪奇小説のアンソロジーである。19世紀末から20世紀前半にかけての、英国の古風な、それでいて少しひねくれた、変わった味の作品を中心にまとめたものである。不思議な話、変な話、謎めいた話、そしてなおかつ怖い話を……。ベンスン、ダンセイニ,ブラックウッドをはじめ、怪談通を唸らせるウェイクフィールド、ボウエン、バレイジ、奇妙な味わいのマクダーミッドやトマス、怪奇にユーモアをしのばせたベアリング=グールドやアラン、そして極めつきの恐怖譚、ベリスフォード「のど斬り農場」……巨匠の名品から知られざる作家の幻の逸品まで、本邦初訳作を中心に22編を厳選。古雅にして多彩な怪奇小説をご賞味あれ。 内容紹介より



収録作品、
「塔」マーガニタ・ラスキ、「失われた子供たちの谷」ウィリアム・ホープ・ホジスン、「よそ者」ヒュー・マクダーミッド、「跫音(あしおと)」E・F・ベンスン、「ばあやの話」H・R・ウェイクフィールド、「祖父さんの家で」ダイラン・トマス、「メアリー・アンセル」マーティン・アームストロング、「「悪魔の館」奇譚」ローザ・マルホランド、「谷間の幽霊」ロード・ダンセイニ、「囁く者」アルジャナン・ブラックウッド、「地獄への旅」ジェイムズ・ホック、「二時半ちょうどに」マージョリー・ボウエン、「今日と明日のはざまで」A・M・バレイジ、「髪」A・J・アラン、「溺れた婦人」エイドリアン・アリントン、「「ジョン・グラドウィンが言うには」」オリヴァー・オニオンズ、「死は素敵な別れ」S・ベアリング=グールド、「昔馴染みの島」メアリ・エリザベス・ブラッドン、「オリヴァー・カーマイクル氏」エイミアス・ノースコート、「死は共に在り」メアリ・コルモングダリー、「ある幽霊の回顧録」G・W・ストーニア、「のど斬り農場」J・D・ベリスフォード。

ミステリーソーンやトワイライトゾーン系の話が好きな方にはお勧めしたい、ホラーに偏らない一風変わった作品が収録された短篇集です。以下、主な作品の感想です。

出征した婚約者が戦死し、宿泊所を兼ねたパブの主人と結婚した女性。日常生活を淡々と過ごす彼女の唯一の心の癒しは、海に面する丘に登って最愛の婚約者の幽霊と過ごすこと。彼女の痛切なある願いが、宿泊客の一言で叶えられる。とても哀切漂う作品「メアリー・アンセル」。
アレクサンドリアで商売をする英国人の主人公は、金のこととなると非常に冷酷になる人物。借金のかたに店兼住居を取り上げ、貧しい一家を立ち退かせるが、その家族のなかの老婆が彼にむかって呪文を唱えると、その夜から歩く彼の後から足音が聴こえるようになり、彼を悩ませる。オチが日本の怪談話のような「跫音」。
物乞いに呪いをかけられた雑貨店の店主。店の窓の外で繰り広げられるミステリーゾーンみたいな時の錯綜劇「今日と明日のはざまで」。
未来で起きた事故あるいは事件によって幽霊になった考えられる女性の亡霊が現代に現れる話。かなり奇抜な着想が面白いし、女性の身に何が起きたのかを考えると恐い「溺れた婦人」。
「塔」は、廃墟と化した村に残された「犧の塔(四百七十階段)」と呼ばれる建築物。そこを訪れた新妻の無気味な体験。こういう怪談話の場合は、地下墓地に降りていく話が多いと思うのですが、この作品は登って降りてくる話です。でも、降りても降りても……。
「死は素敵な別れ」は、面白みのない、謹厳なプロテスタントの妻にうんざりしていた夫が、その妻が亡くなったため若い女性と結婚しようとする。それを快く思わない妻の幽霊が夫の邪魔をするというホラーコメディ。婚約者との結婚を諦めようと彼が訳を話すと、実は婚約者にも幽霊が取り憑いているというのだった。メイ・シンクレアの「証拠の性質」も似たような設定でした。同じくホラーとコメディが融合した「のど斬り農場」。
シオドア・スタージョンの「それ」のように、太古から地球に存在する得体の知れないもの。それと接触し、無情を感じさせる「谷間の幽霊」、知識、知恵、芸術、宗教、思想が書物を通してそれに浸透し、来る者に囁きかける「囁く者」、それが実体化して人間界に潜み、接触した一部の人間に悪を感じさせる「よそ者」、善悪に別れた二つのそれ(魂)が巡り会って、善が悪によって攻撃される「オリヴァー・カーマイクル氏」。
事故死したばかりの老人の過去がよみがえる「「ジョン・グラドウィンが言うには」」、 バスに轢かれた男が数年間の幽霊としての日常と意見を語る「ある幽霊の回顧録」、生者と生前彼と親しかった死者たちがある孤島で巡り会う、せつない「昔馴染みの島」。

今年最後の更新になります。当最果ての孤島ブログを訪れて頂いた皆様、誠にありがとうございます。どうぞ良いお年をお迎え下さい。

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『サンタクロースにご用心』 シャーロット・マクラウド編 扶桑社ミステリー

2016-12-25

☆☆☆

聖なる夜に人はみな、心静かに己れの罪を悔い改め—というわけにいかないのが世のならい。大学構内で出回った贋札造りの犯人探しに奔走するシャンディ教授。いきのいい女探偵のオフィスにころがりこむ死体。クリスマス劇の天使が射殺される一方で、二人の娘とその貧乏亭主に遺産めあてに殺されてしまうと疑心暗鬼の父親。ましてや妻殺しを計画する夫にいたっては……。はらはらさせたり、泣かせたり、一転絶妙なコンゲーム。趣向をこらした書き下ろしのクリスマスミステリーが13編。イヴの夜、とびきりのプレゼント! 内容紹介より



収録作品、「贋札造りのクリスマス」シャーロット・マクラウド、「鹿狩り」レジナルド・ヒル、「私立探偵リズ・ピーターズ」エリザベス・ピーターズ、「赤い髪の天使」メードラ・セール、「もつれた糸をほどくには」ジョン・マルコム、「バーゲン品につき……」ドロシー・キャネル、「サンタクロースにご用心」ビル・クライダー、「ファミリー・クリスマス」パトリシア・モイーズ、「ミス・メルヴィルの好運」イーヴリン・スミス、「俺たちの福音」エリック・ライト、「ニックが街にやってくる」ミッキー・フリードマン、「イヴの罠」ロバート・バーナード、「鍋いっぱいのササゲ豆」マーガレット・マロン

サブタイトルは、「クリスマス13の物語」です。
全編書き下ろしですから、それぞれ出来不出来があります。「鍋いっぱいのササゲ豆」は、ミステリとして大事件が起きるわけではありませんが、万引き常習者である黒人女性の人柄や人間性を良く表して人生の機微を描いたほろりとさせる良作です。また、「バーゲン品につき……」も、想い出のティーポットを割ってしまった女性が、バーゲンセールで一個しかない同じポットを手に入れるために前夜からデパートに忍び込んでしまうというちょっとした人情話。舞台は同じデパートでも「サンタクロースにご用心」は、万引き被害に悩む地元のデパートにサンタの扮装をして子どもたちの願いを聞きながら犯人探しをする話。細部に気が利いていると感じた「俺たちの福音」は、自分たちを警察に密告した酒場の店主を救世軍を装って、面子をつぶして金もだまし取ろうとする話。「サンタなんか大嫌いだっ!」という手紙をある子どもから貰ったサンタクロースが、探偵となって宝石窃盗事件を解決する「ニックが街にやってくる」。クリスマス劇に代役として出演していた天使役の女性が劇中に射殺されてしまう「赤い髪の天使」。“赤い髪”といえば、あの有名な名探偵が活躍する作品を思い浮かべますが、「鹿狩り」は、その名作のモチーフを使ったみたいな話です。しかし、レジナルド・ヒルらしさは感じらず、いかに元ネタが優れているかがわかります。大学構内のクリスマス期間中の夜店で使われた、大学学長を肖像画に替えた贋札造りの犯人を追うシャンディ教授が懐かしい「贋札造りのクリスマス」。これまた懐かしいミス・メルヴィルが元独裁者を暗殺しようとする「ミス・メルヴィルの好運」。クリスマスプレゼントに爆弾を仕掛けて妻殺しを企む内務省の高官の話「イヴの罠」。「ファミリー・クリスマス」は、遺産目当てに娘夫婦がクリスマスディナーの中に毒を盛るのではないかと心配する、スクルージみたいな吝嗇家の夫を気遣った妻がやった余計なこと。人を殺そうとするには不意打ちに限る、ということを再確認できる「もつれた糸をほどくには」。ハードボイルド物のパロディなのか 特大ハーシーチョコ三枚をいっぺんに食べてもへっちゃらな女探偵がどうでもいいような活躍を見せる「私立探偵リズ・ピーターズ」。

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