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【ころしや 殺し屋】主に金銭の報酬と引き換えに、他人の生命を奪うことを職業としている人—ミステリの世界では欠かすことの出来ない存在である殺し屋だが、彼ら彼女らが主役となることは滅多にない。いつの世にも殺し屋たちは脇役であり、敵役だった。だが本書では、殺し屋たちはその立場に甘んじてはいない。ここでは殺し屋が堂々の主役なのだ! アンソロジーの名手がオールスターキャストで送る、殺しの旋律15篇! 内容紹介より
ヘミングウェイでさえ「殺し屋」という作品を書いているくらいだから、ミステリに登場する機会は多いけれど、殺し屋が主役になっている作品はたしかに少ないですね。本書にも収録されている
ローレンス・ブロックの〈ケラー・シリーズ〉、フォーサイス『ジャッカルの日』、ノエル『長く孤独な狙撃』、ヒギンズ『死にゆく者への祈り』、
イーヴリン・スミスの〈ミス・メルヴィル・シリーズ〉、ざっと思い付くのはこれくらい。本書の収録作品には頭抜けたものはないけれど、さすがにどれもレベルが高いと思います。タイトル『GREATEST HITS』の”Hits"を命中とかhit manに掛けたのはややオヤジギャグぽいです。
『殺し屋』に収録されている「ケラーのカルマ」
ケラーが犬を飼い始め、仕事で出張するためにペットシッターを雇ったころの話。あまり描かれない殺し屋の普通な日常とスリリングな仕事との対比が異様な雰囲気をかもし出す。
「隠れた条件」ジェイムズ・W・ホール
格安の値段のお得な殺し屋。でも殺すべき理由に納得がいかないと仕事はしないよ。殺し屋の職域を超えてます。孫ガキがギャーギャー騒ぎまわる住居環境と部屋の壁についた血や骨片。生活感ありすぎ。
「クォリーの運」マックス・アラン・コリンズ
リタイヤした殺し屋の回想。結局、懐古するところはそこなのかと突っ込みたい。
「怒りの帰郷」
エド・ゴーマン別れた息子の葬式に帰ってきた殺し屋の話。ウェット&クール。
「ミスディレクション」バーバラ・セラネラ
なかなか見られない女殺し屋の話。このトリックはありえない。
「スノウ、スノウ、スノウ」ジョン・ハーヴェイ
長編の冒頭を切り取ったみたいな作品。続きが読みたいものです。しかし、どうして強盗の犯行に見せかけないのでしょうね。
「おれの魂に」ロバート・J・ランディージ
雇い主から姿を消した元殺し屋と元警官の友情がなかなか良いです。腕の良い職人はどこも手放したくない。
「カルマはドグマを撃つ」
ジェフ・アボットジョニーはドッグを轢く、マシーニはエームズを雇う、殺し屋は標的の意外な正体を知る。
「最高に秀逸な計略」リー・チャイルド
こんな小賢しいことをしていたら仕事の依頼が来なくなりそうですけど。
「ドクター・サリヴァンの図書室」クリスティーン・マシューズ
クレージーユーモア系でユニークな作品。このような作風は貴重だし、好みです。
「回顧展」ケヴィン・ウィグノール
一転してしみじみ系。ちょっと簡単に納得し過ぎる気もしますが。
「仕事に適った道具」マーカス・ペレグリマス
バイオレンス系。山口さんや住吉さんそれから稲川さん、適材適所という言葉を組長さんに教えるときはこれをテキストに使いましょう。
「売出中」ジェニー・サイラー
男女の違いと言いますか、考え思い込み過ぎる男と合理的現実的な女。要するにやるかやられるかというのをいまいち男というのは分かっていない。頭では分かっているけど。
「契約完了」ポール・ギーヨ
アイデアが変わっていてプロットも良くできている。
「章と節」
ジェフリー・ディーヴァーいかにもディーヴァ—らしい。このひと、こんなことばかり考えて頭疲れないんだろうか。長編むきな作家ですよね。