「おかしなことを聞くね」ローレンス・ブロック ハヤカワ文庫

2005-09-30

Tag :

「おかしなことを聞くね」ローレンス・ブロック傑作集 1
 
☆☆☆☆

この傑作集は70年代後半から80年代前半の作品が収録されています。
やはり時代を経ているせいか、それなりに微妙な感じの作品やオチに
こだわり過ぎているような作品もあるように思います。
そのあたりから展開がわかってしまうような話もありますが、切り口と語り口が上手いから飽きずに楽しく読めました。ミステリというより毒気がある作品が多いですね。

「食いついた魚」「動物収容所にて」「あいつが死んだら」はなんだかキングの
短篇みたいです。ブロックがこんな作品を書いていたとは知らなかった。
若干ユーモアがあるのがブロックで無気味さが増すとキングになるのでしょうかね。

「成功報酬」「詩人と弁護士」
弁護士エイレングラフが“喪黒福造”に思えた。このキャラクターは良いですね。
彼の言う通り外科手術も成功報酬制にすべき。

「ハンドボール・コートの他人」「泥棒の不運な夜」
ともにありがちな展開。ハンドボールってスカッシュのことなのかな?

「道端の野良犬のように」
カルロスを思わせる国際テロリストが登場する異色作品。展開が読めなかった。

「我々は強盗である」
風景も登場人物もみんな乾いた、いかにもアメリカ的な印象が残りました。

「一語一千ドル」
短篇を出版社に売っていた当時のブロックの気持ちがよ~く分かる作品。

「アッカーマン狩り」
アッカーマンという名前の人物が次々に殺されるサスペンス。
日本では一つしかない名字を持った人を順に殺していく
『全国珍名殺人事件』が有名…(嘘)、誰か書いてね。

「保険殺人の相談」
ブラックユーモアもの。それほどのものでは。

「おかしなことを聞くね」
中古ジーンズを大量に古着屋に卸している会社は
どこから穿き馴れたジーンズを仕入れてくるのか?
一体どんな人が穿き心地の良くなったジーンズを手放すのか?

「夜の泥棒のように」「窓から外へ」
それぞれ泥棒探偵バーニイとマット・スカダーが登場します。

「無意味なことでも」
あと口が悪い。

「クレイジー・ビジネス」
殺し屋業界で伝説的な名声を博した男のもとに若き殺し屋がやって来て、
殺し屋稼業の四箇条を教えてもらう。最後の四箇条目とは…

「死への帰還」
自分を殺した犯人を見つけなければあの世に行けないと
生き還らされた男の話。面白い趣向だけど犯人に意外性がない。

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「ミステリ講座の殺人」キャロリン・G・ハート ハヤカワ文庫

2005-09-23

☆☆☆☆

前回読んだ「舞台裏の殺人」ではミステリマニアのヘニー・ブローリーのキャラクターが強烈な印象でしたが、今回は彼女の他にさらにパワーアップしたローレルとドーラ・ブレヴァードがタッグを組んで登場!

それぞれクリスティ、ラインハート、セイヤーズの熱狂的ファンの三人が大学でミステリ講座を受け持つ主人公アニーのクラスに聴講生として出席したから、アニーにとってはかなりプレッシャーになります。その上、学内にスキャンダルが発生し殺人事件まで起きたものだから、三人は尊敬する作家や探偵の推理方法を使って、やたら張り切って調査を始め出したりして…

「舞台裏の殺人」より面白かった。この三人はサイドストーリーができそうなくらい個性的ですね。主役を食ってました。また、犯人がこの強力トリオに対抗できるくらいに存在感があるかというと少々疑問です。

相変わらずミステリ好きが喜びそうなネタふりもあります。巻末のミニ・ミステリ・ガイドが今回も付いていますが、調べて書く作業も大変でしょうね。きっと編集部にすごい知識を持った人がいるのでしょう。

テーマ : 海外ミステリ
ジャンル : 本・雑誌

「薔薇の殺意」ルース・レンデル 角川文庫

2005-09-20

Tag :

☆☆☆

ウェクスフォード警部シリーズの第一作目。

容姿も普段の生活もきわめて平凡な30歳の主婦が絞殺体で発見される。
しかし、遺品の中に彼女に思いを寄せる献辞が書かれた多数の本があった。
という導入部はかなり興味を引かれます。

今の警察ものは、主人公の刑事がかなり個性的だったり、同僚と恋愛させたり、複数の事件が起きたりして作家がいろいろ工夫してますよね。そんな作品を読んでいるから、どうしても盛り上がりに欠ける感がありますね。作品に古くささは感じないけどあっさりしているような。事件が起きて二人の刑事が現れ、いつの間にか解決していました、はいおしまい、みたいな。
二人のおじさん警部ではやはり地味になるのは仕方ないのか。被害者、加害者を含め登場人物たちもなんか魅力的な人がいない、どうでもいいような人ばっかり。(レンデルが下手と言ってるのではないんですよ)
あくまで初期のものをランダムで四冊を読んだだけの感想ですが…

犯罪捜査以外の派手な展開はいらない。心理描写、人間描写に優れているから余計な要素はいらないというレンデルのスタイルなのでしょう。
たしかにどの作品も平均以上の出来です。

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「森の木陰で」メアリ・アン・ケリー ハヤカワ文庫

2005-09-18

Tag :



つまらなかったぞ。
言わせてもらうぞ、メアリ。

まず、裏表紙のあらすじの一部、
「事件解決に奔走する三姉妹の姿をユーモアたっぷりに描く爽快なデビュー作」
とあるが、もし、わたしの持っている本に落丁がないかぎり三姉妹が奔走する場面は全く出てきません。これ書いた人、どこでどう読み違えたらこんなコメントが書けるのだろうか?
「ユーモアたっぷり」と訳者の猪俣美江子さんもあとがきに書かれているが、猪俣さんと
わたしの“ユーモア”の定義と“たっぷり”の基準には大幅に隔たりがあるみたいです。

これはミステリ小説というより出来の悪い恋愛小説でしょう。女性ミステリ作家はミステリに恋愛を書き込むのが上手ですが、この作品はミステリとしては失敗作で恋愛小説にサイコが刺身のつまのように添えられているだけです。その恋愛物語も目新しい話ではない。
ポルシェを乗り回すポーランドの外交官とオンボロのアメ車に乗る上品とは言えない刑事
の対比は型通りの設定。主人公と刑事が喧嘩しながらも惹かれ合うなんて…なんて…

刑事ジョニーの子供時代の恩人であるレッドは重要な存在であるはずがチョイ役で一度出てくるだけ。巡査で妹のジニーはいったいなんのために描かれているのかと思うほど存在感がない。
この終わり方では犯人の動機や背景があまりにも説明不足でしょう。なんでもサイコにしてしまえば良いというものではないよ。しかも気の抜けたサスペンスのないサイコだし。
以上で悪口おわり。

余談ですがこの題名のせいで“森の木陰でどんじゃらほい♪シャンシャン手拍子足拍子♪”の歌が頭から離れません。

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「心やさしい女 ーフランス・ミステリ傑作選(2)」カトリーヌ・アルレー他 ハヤカワ・ミステリ文庫

2005-09-16

Tag :

☆☆☆

超有名な作家の作品も収録されています。ただし、1985年発行。

「ロドルフと拳銃」ノエル・カレフ
心変わりした女を射殺した男から拳銃を貰った子ども。彼は母親のために父親になってもらう男を探していた。拳銃のことを誰にも言わないかわりに男に父親になってもらう約束をしたが…夜のパリの街を逃げまわるこども。
ユーモアとペーソスのある短篇映画のようでした。

「階段に警官がいる」トーマ・ナルスジャック
復讐を果たした男の日記の形をかりた心理サスペンス。

「対案」ピエール・ボアロー
いとこの妻と図っていとこを殺害しようとした男。結末にスパイスが利いてます。

「ピエトルモンの夜」クロード・アブリーヌ
スリラーものだろうがあまり恐くなかった。

「すてきな片隅」ローラン・トポール
コクトーの“アンファンテリブル”といった感じでしょうか(読んだことないけど)
自殺志望の男と子供の会話。口の内が苦くなるような読後感です。

「甘い、甘いミュージック」クロード・シャブロール
ふられた男が女に復讐しようとする倒叙型サスペンス。
それほどのひねりがあるとは思えません。不思議な感覚。

「罠」ジルベール・タニュジ
ふつう。スパイもの。

「葬送爆弾」ジャン・フランソワ・コートムール
妻を寝取られた警護係が大統領と妻の爆殺計画を練る。
たいしたことない。

「心やさしい女」カトリーヌ・アルレー
アルレーらしい“心やさしい女”が死体を処分する方法は…
淡々とした日常生活との対比が可笑しい。

「金の斧」ガストン・ルルー
20ページにも満たない作品ですが、悲運、疑惑、恐怖、後悔、様々な感情が詰め込まれていて読みごたえがありました。しかも、結末には驚いてしまった。さすがに『黄色い部屋の秘密』、『オペラ座の怪人』を書いたルルーだけありますねぇ。
少しあらすじを紹介してみます。
“わたし”は旅先でひとりの謎めいた老婦人と知り合い、彼女の過去の話を聞くことになる。若い頃、彼女が結婚した相手はもの静かで誠実な青年だった。しかし、材木関係の事業を営む父親が亡くなり、家を継ぐために故郷に帰ると夫の性格が一変してしまう。
何か隠し事や心配事があるらしい。
ある日、彼に遺産を残すと言っていた時計商が斧で惨殺される。夫の行動に不審を抱いた彼女は夫のトランクの中に血まみれの服と斧を見つけてしまう。やがて時計商殺しの犯人として別の男が逮捕され、処刑されることになる。夫を真犯人と確信した彼女は裁判所に向かうのだが…

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「探偵になりたい」パーネル・ホール ハヤカワ文庫

2005-09-14

Tag :

☆☆☆

ひさびさの読まず嫌い本。
どこの古本屋さんでも見かける本。
実は「ポール・バーネル」だと思っていた本。

主人公は弁護士事務所と契約している事故専門調査員。
当然、アル中、ヤク中、ゲイ、恐竜いずれでもない。トラウマもない、ドロップ・アウトもしてない。料理に一家言持ってるわけない。
結構、脱力系。妻子持ち。銃をつきつけけられたのは一度だけ、それも相手の誤解が原因。人を殴ったこともない。警官を見ると何もしてないのに後ろめたくなる。
あまり使われてないけど、これ“ソフトボイルド”?

やることなすこと上手く行き過ぎるような気もするけど…
警察にまかせれば済むものを、自分で犯人捜しをする理由は何なんだろう?いくらなんでもそこはちゃんと説明したほうがよくはないのか?
役者や小説家を目指したが挫折し、うだつの上がらない調査員をしている反動がでたのだろうか?

読後、ジェームズ・サーバーの短篇集『空中ブランコに乗る中年男』の中の「ウォルター・ミティの秘められた生活」やマーク・ショア『俺はレッド・ダイアモンド』のサイモンを思い浮かべた。でも、妄想系ではないですよ。

ストレスなく読めて気分転換にもってこいの作品。

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「金曜日ラビは寝坊した」ハリイ・ケメルマン ハヤカワ文庫

2005-09-12

Tag :

☆☆☆

再任をめぐって信徒会の中で評価が分かれる主人公のラビ、デイヴィッド・スモール。
教会の敷地で若い女性の絞殺体が発見され、そばに停めてあった彼の車の中から被害者のバッグが見つかる。彼を辞めさせようとする動きが強まるなか、さらに立場が悪くなっていく。

ラビとはユダヤ教の律法学士のことだそうです。律法学士ってなに?

ラビ・シリーズの中で一番評価が高く、絶版を免れている作品ですね。
読んでなかったみたいです。期待して読んだわりには、それほどのものか?って感じ。
全体にバランスが良いのですが、犯人が解りやすいですよね。こっちだって、だてに数々のミステリ小説にはめられ、ひねた性格になったわけじゃないんだからさ。

最初に四人の容疑者が示されているけど、もっとそれぞれに怪しい行動をとらせていれば読者を惑わせられたのにおしいぃ。その容疑者の記述も後半少なくなっているし、
最後もあっけなさ過ぎると思う。
もっと犯人に語らせるなりしたほうがよかったのでは?と思った。
肝心の決定的証拠が示されないままですよね。

信徒会のメンバーとか警察署長とか個性的で面白かったですよ。
宗教全般に興味がないのでユダヤ教の講釈などはよくわかりませんでした。

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「一寸の虫にも十分の毒」川合述史 講談社

2005-09-10

Tag :

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☆☆☆☆

主に昆虫毒について書かれた本です。
やはり、ミステリファンたるもの各種の毒については理解を深めておきたいものですね。
また、将来、完全犯罪の計画が必要になるかもしれませんから、そういう点でもおさえておきましょう。

特にクロゴケグモ、スズメバチ、ジョロウグモの毒がどういう生理的メカニズムで作用していくのかについて、わたしのような素人にもわかりやすいように書いてあります。
また、研究経緯や虫の採集の苦労話も楽しめます。
すこし、カタカナと専門用語が多いけど。

クモの仲間でもクロゴケグモの毒はシナプス前膜にはたらき、ジョウロウグモ、コガネグモの毒はシナプス後膜にあるグルタミン酸受容体を阻害する。さらに、クサグモ類の毒はカルシウムチャンネルを疎外するそうです。
なぜこのように種によって違う毒をもっているのか?著者は出現時期、生息場所、えさの種類によってすみわけているのではないかと考えています。

クロゴケグモよりさらに危険なのはスズメバチで、特にオオスズメバチ毒はテトロドトキシン(フグ毒)に作用が似ているそうです。これが一番使えそうですね。

ジョロウグモは人間には全く危険はありません。
逆にジョロウグモ毒は虚血性脳疾患に利用できる可能性があるとのことです。

*毒草については『毒草を食べてみた』植松黎 文春新書 が詳しいので
参考にして下さい。

テーマ : ペット・動物の本
ジャンル : 本・雑誌

「さまよえる未亡人たち」エリザベス・フェラーズ 創元推理文庫

2005-09-09

Tag :

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☆☆☆☆

休暇中にスコットランドの島を訪れた主人公ロビンは変死事件に巻き込まれます。
死亡したのは同宿していた「未亡人」を自称する中年女性四人組のひとり。
フェラーズ、ノンシリーズの一冊。

フェラーズは巧みですね。彼女の作品は“猿”と“蠅”(略)とかしか読んでないけど,
トリックは別としてこれが一番感心しました。スコットランドの自然描写がとても上手です(行ったことないけどね)。
最近やたら長い描写だけで、イメージが全然湧いてこない作品が多い中で簡にして要といったところですか(最近覚えた言葉を使ってみた)。

「未亡人」四人もよく描き分けられていると思います。構成もしっかりしてるし。
読み返すと伏線がはっきり示されているのに感心します。まるでクモの巣のように
伏線とミスディレクションが張り巡らされていて、見事にわたしは糸に絡めとられてしまいました。恐るべし!フェラーズ蜘蛛。

彼女の作品は謎解きがひねりすぎて、終盤イライラさせられることがあるけどそれも気になりません。

なお、画像はわたしのイメージなので実際の表紙とは異なります。でかくなってすみません。

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「ゴースト・パラダイス」テリー・プラチェット 講談社文庫

2005-09-08

Tag :

☆☆☆

労働者階級が住むロンドンはずれの街にある寂れた墓地を
市議会が開発業者に5ペンスで売却してしまった。
ほかの人たちが見えないものが見える主人公の少年ジョニー。
ジョ二ーとの出会いによって活性化(?)した死者たちは
彼に自分たちの意見を市議会に伝えて欲しいと頼む。
彼は友達三人を巻き込んで墓地の保護活動に係わることになる。

これはヤング・アダルトに入るのかなあ?ミステリではないユーモアものです。
作者は、知ってる人には有名らしいテリー・プラチェット。わたしは知らない。
死者(幽霊よりは誇りをもっている)のひとりが出てきて、マイケル・ジャクソンの
ムーンウォークを真似するので、ハリウッド映画みたいなわざとらしい展開になるのかと
思いました。以下、ネタばれあり。



作者は生者と死者を対比させたいのかな。
活気のない取り残されたような街と誰も墓参りに来ないうら寂れた墓地。
少年たちは大人になって早く街を出て行きたいと願っているし、死者たちも審判の日を待っている。ともに今自分たちのいるところから抜け出したいと思っている。
ファブラーもオルダーマンも街の外に世界が広がっていると同じようなことを言っている。
軽く読めるわりにテーマは結構深遠だったりするような、でも、説教臭さはないです。


墓地は残されることになったのに死者たちは行ってしまう。
死者たちが次々と旅立つ日、ジョニーは死者の一人に訳を尋ねる。
“それは今日が審判の日だからよ。わたしたちで決めたの。”
“しょせんお墓は生者のためのもの。”

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

「音のない部屋の死」ハーバート・レズニコウ ハヤカワ文庫

2005-09-05

Tag :

☆☆

倒産寸前の音響メーカーに革新的な新スピーカーを売りつけた老人が殺された。
殺人の現場は完全防音された実験室で、密室も同然の状況だった。
しかも老人が何者であるのかを知る者はなく、犯人の動機さえわからない。
投資会社の社長でやり手の父親と哲学者で世間知らずの息子の凸凹親子が
不可能犯罪の謎に挑む、ハートウォーミングな本格派パズラーの好編。
ー裏表紙紹介文よりー

現実主義の父親とペダンティックな息子のかみ合わないやり取りが
面白そうだと思うでしょ? 凸凹親子なんてユーモアものと思うでしょ?
“ハートウォーミング”だからほのぼのとした読後感だと思うでしょ?

・・・全然でした。

わたしは、コンクリートブロックの上にスピーカーを置くような人間じゃないし、
ウーファーやらツイーターやらは、今回ネットで調べて理解したくらいのレベル。
だから、音響とかにはあまり関心がないわけです。
六人の容疑者は、皆似たり寄ったりな印象で、訳者の坂口玲子さん(!)があとがきに書いているような“六人の性格を的確に描きわける手並みは鮮やかなもの”とは思えないんですけど。四人くらいで良かったんじゃないの?六人に話を聞いてまわるのでいいかげん飽きた。
それから、犯行現場になったデッド・ルームと呼ばれる音響実験室の配置がわかりにくい。見取り図を付けて欲しかった。

音響メーカーに投資していた会社社長が、25歳の息子を一人前の男にするため親子で事件を調べることになったのですが、なんだか過保護な親ばか親父が頼りない大人しい息子を溺愛してるみたいで少しひく。息子は最後まで存在感がない。登場人物の誰にも魅力を感じられなかった。
「本格派」の悪いところがでた作品ではないでしょうか?

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「怯える屋敷」バーバラ・ニーリイ ハヤカワ文庫

2005-09-03

Tag :

☆☆☆

黒人家政婦のブランチは、つまらないことで禁固刑の判決を受けたが、
偶然、警察の手から逃れ、金持ちの別荘で身を隠して働き始める。
そこには老いた女主人とその姪夫婦、甥が暮らしていた。一家には財産を
めぐる確執があるらしく、屋敷には不穏な空気が漂っていた。
やがて、屋敷に出入りしていた保安官の自殺の知らせが入るが・・・

訳者の坂口玲子さんがあとがきで書いているように、TVドラマ〈家政婦は見た〉シリーズを思い浮かべました。見たことないけど。

作者は黒人女性で人種問題や貧困問題に取り組む運動家でもあるらしく、人種偏見、
差別についての話がでて来きます(堅苦しくはない)。そのため、舞台は90年代なのに50,60年代の作品のような感じを受けました。
主人公は、黒人であったり家政婦ということで差別したり偏見を持ったりする白人に対してかなり辛らつな意見を吐きます。「家政婦が陽気なおバカさんに見えると、安心する雇い主が多い」など。
また、黒人に対しても、雇い主から“自分が家族のように愛されている”と思っている黒人は「くろんぼ病」にかかっているといいます。「最低の賃金しか払ってくれない相手から、じつは自分は愛されているのだなどと、どうすれば信じこむことができるのか」と。

普段、「白人」の側から書いたミステリを読むことが多いわたしにとって、主人公の独白にはかなり違和感がありました。主人公が不平、不満ばかり言っているような気がして。
しかし、表面的なきれいごとではすまされない、差別される側の本音が少しわかったように思います。年月は経っても人種差別は相変わらずのレベルなんだなあと再認識しました。わたし自身の見方もいつの間にかメジャー側になっていたようです。

推理小説としては、ミステリに集中できなかったりするのが弱点かもしれません。
あと、家族、友人と電話で頻繁に話したりして緊迫感がない。

難しくて重いミステリに思えるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
アガサ賞を受賞しているし、ユーモアミステリ(?)の範疇に入る作品だと思います。

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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