マンハッタンのミッドタウン・ノースでNY市警の監察官ウォーレン・モットーの射殺死体が発見される。監察官は警官の不正を摘発するのが仕事だが、モットーは手段を選ばないので多くの者に憎まれていた。警部補ジョー・ダンテもその一人だったが、事件の捜査を担当する。モットーの銃を持って強盗に押し入ったチンピラが射殺されて事件は落着をみるが、腑に落ちないダンテはさらに捜査を続ける……。内容紹介より
ジョー・ダンテ・シリーズの四作目だそうですが、相変わらずわたしは初読です。
解説の穂井田直美さんによると、本作でのダンテはそれまでのシリーズ作品とは趣が違っているそうで、一匹狼的キャラから部下とともに事件を解決する警察組織内の一刑事(と言っても課長ですが)に変わっています。それでもカラテの達人であり、終盤のアクションシーンではタフガイぶりを見せていますけど。本書は1992年のMWA賞の最優秀ペーパーバック賞にノミネートされてくらいですから、なかなかの出来映えです。メインの事件と別の事件を同時に捜査するところなどマクベインの87分署シリーズに似ていますが、あくまで添え物的でマクベインの作品が持つわい雑さを醸し出してまではいません。
ただ、舞台であるニューヨークの街がアイソラのように存在感を示し、印象深く描写されていると思います。
警察官の犯罪を調査する監察官の事件というとよくある展開を想像してしまいますし、オーソドックスなストーリーなのですが錯綜した人間関係と意外な真相には感心しました。その後、本シリーズの翻訳が出ていないのは残念です。
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