秋の午後、狩猟の最中にわたしが足を踏み込れたのは、広大な大麻畑だった。猛犬とライフルで襲撃してくる不審な男を弓矢で撃退し、町の保安官に知らせたが、畑は消え、保安官は殺された。その容疑が友人にかけられ、わたしの胸に火がついた。真相を求め、町の顔役に接近したわたしに、謎めいた美女が囁く……。自然を愛するタフガイの胸のすく活躍を描く正統派ハードボイルド! 内容紹介より
当意即妙、軽妙洒脱(難しい言葉を使う訳者、岩田佳代子さんの真似)のつもりの主人公とその相棒の減らず口にニ十回くらい、本を放り出したくなりました。それから赤鉛筆で文章を削除したくなりました。でも、我慢しました。その上、お喋り野郎二人ともベトナム戦争での出来事で“例の”トラウマを抱えているなんて、あなたたちネオハードボイルドの亡霊か?ストーリーは、スティーヴン・セガール主演系のハリウッド映画ぽくて、主人公が物質主義とか拝金主義とかの現代社会批判をするわりには人物にも言ってることにも深みがなく上滑り気味。まったく何ひとつ新しいアイデアなり要素が認められませんでした。とにかく全てが浅い!
元NFLの有名選手だったという設定の主人公が吐く台詞が、これまたどうしちゃったのって感じ。「アメリカ製造業への追い撃ちを虎視眈々と狙っている、BMWのごとき外国企業のお偉方とのつきあいなどまっぴらだ」(p65)。アメリカを代表するスポーツの元選手にこう言わせてるところが意味深か。きっと作者はUSAを憂う愛国主義者なのかもしれない。
どういう事情で1993年に書かれたものを2005年に日本で出版することになったのだろうか?と疑問に思うほど一時代前のハードボイルド小説でした。創元推理文庫編集部にいったい何があったのでしょう。
軽口をたたく二人に巡査部長が気色ばんだので、部下サムが「彼らは、人を笑わせるのが好きなだけなんです」と取りなしたら、巡査部長「わたしは、ちっともおかしいと思わんがね」(激しく同意)。さらに減らず口を言う二人に、「いい加減に黙らんか!サム、この男がまた口を開いたら、すぐに撃て」(ものすごく同意)(p450〜451)。この二人には、わたしもこの言葉を贈りたい。
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