「テムズ川は見ていた」 レオン・ガーフィールド 徳間書店

2008-09-30

Tag :

☆☆☆☆

舞台はヴィクトリア朝のロンドン。煙突掃除の少年バークナルがたまたま仕事中に聞いてしまったのは、イギリス政府上層部の犯罪だった。何の話か見当もつかなかったものの、あわてたせいで煙突から密談の行われていた部屋へ落っこちてしまったバーナクル。思わず机の上にあった銀のスプーンと金のロケットをつかんで、命からがら逃げ出すが、そのせいで秘密警察の執拗な追跡を受けることになってしまう。バーナクルのせいで穏やかな日常をおびやかされ、とんでもない事件に巻きこまれていくテムズ川のはしけ乗りたち。霧深いロンドンを舞台にくりひろげられる、格調高い児童文学!       内容紹介より



こういう邦題より「謎」とか「冒険」をつけたタイトルのほうが、(12歳〜14歳くらいの)良い子たちはわくわくして手に取りやすいのではと思いますけどね。そこらへんに転がっている凡百のミステリ作品とくらべても内容が優れているだけに題名で少し損をしている気がします。

煤だらけで真っ黒だった少年が身体を洗われて真っ白になり、それとともに狭くて真っ暗な煙突の中でその日暮らしの生活が、広々とした川の上で未来を考えられる生活に変わる。黒白の変化を少年の心と生活の変化に象徴させているわけですね。また、そんな境遇の変化をもたらした物が金のロケットで、この物語のいうなれば影の主役、魔法のアイテムなのでしょう。不幸しか運んでこなかったと言われながらも奮闘し成長する主人公のけなげさ、国に尽くす誇りと負わされる過酷な任務との間で葛藤する警部の心情(特に感心しました)、ただの庶民でしかないが悪事や間違ったことはしないというはしけ乗りたちの矜持を描いた笑いとペーソスのある秀作で、子供にだけ読ませるておくのはもったいない清々しい作品だと思います。



テムズ川は見ていたテムズ川は見ていた
(2002/12)
レオン ガーフィールド

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テーマ : 児童書
ジャンル : 本・雑誌

「死んでもいきたいアルプス旅行」 マディ・ハンター 扶桑社ミステリー

2008-09-28

Tag :

☆☆☆

エミリーは、おばあちゃんの付き添いでスイス周遊の高齢者向けツアーに参加し、ルツェルン湖畔にやって来ていた。いざ着いてみると。ホテルの設備は問題大あり、食事はイマイチ、ご長寿連はやたら時間にうるさい。げんなり気味の最初の晩、添乗員が謎の死をとげる。臨時の添乗員代行をおおせつかったはいいものの、川に落ちるは歯は折れるはで、もうさんざん。おまけに今度はツアー客が崖から転落死して……もしかしてこれって連続殺人? 気鋭の女流が贈る、爆笑必死のユーモア・トラベルミステリー!      内容紹介より



《パスポート・トゥ・ペリル》というトラベルミステリー・シリーズの第一作目。
たしかに〈ステファニー・プラムシリーズ〉に似てます。「なんで?わたしだけが」的に災難が降り注ぐ様子や語り口、おばあちゃんの存在。ホテルの部屋、水難の相、腕時計、歯が折れたり、鼻の打撲、行方不明のスーツケース、死体の運搬などなど、災難の数からしたら本書の主人公のほうが気の毒になるくらい多いのですが、“他人の不幸を笑う”が主要なモチーフになっていますからね。お年寄りたちの薬自慢とジョージ・ファーカスの請求書のエピソードは笑えました。ただ、これらのスラップスティック・ギャグが旧来のものを踏襲しただけという画一さと少々うんざりする数の多さに、他人の災難といえどもあまり笑えません。個人的に、アメリカ的なストレートなギャグよりオブラートに包んでひねったイギリス風ユーモアが好きなせいもあるでしょうが。それと、やや主人公の傍白がいわゆる饒舌系なのが気になります。
ホテルでのトラブルの続出とスイス人ガイドの言動が、作者はスイス嫌いなのかと思わせるのとあわせて、トラベル・ミステリーにしては旅情に欠けるようにも思います。

これから続編が翻訳されていくでしょうから、次第にこの主人公に情が移っていくこともあるのかもしれません。



死んでもいきたいアルプス旅行 (扶桑社ミステリー)死んでもいきたいアルプス旅行 (扶桑社ミステリー)
(2006/03)
マディ ハンター

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「オックスフォード連続殺人」 ギジェルモ・マルティネス 扶桑社ミステリー

2008-09-26

Tag :

☆☆☆☆

アルゼンチンからの奨学生として、オックスフォード大学に留学した「私」は22歳。渡英したのもつかのま、下宿先の未亡人の他殺死体を発見してしまう。一緒に第一発見者となった世界的数学者セルダム教授のもとには、謎の記号が書かれた殺人予告のメモが届けられていた。その後も、謎のメッセージを伴う不可能犯罪が矢継ぎ早に起こって……。
知の巨人セルダムの叡智がいざなう、めくるめく論理のラビリンス。南米アルゼンチンから突如現れた、驚愕の本格ミステリーに瞠目せよ。     内容紹介より



x+y=a
x+ny=b
nx+y=c
nx+ny=2n(x+y)=d

d>c=b >a

n=null

本書の読者の条件として、
*某ミステリ作品を「X」とし、その作品を既読の場合はx、
 未読の場合はnxとする。
*数学の素養がある場合はy、
 ない場合はnyとする。
*a、b、c、d はそれぞれ条件がもたらした作品の評価とする。 

作者は数理科学の博士号をもち、オックスフォード大学に留学経験があるそうです。
そこで、わたしも対抗して数学知識*を駆使し、本書の評価を数式に表してみたのでした。おそらくミステリの読書感想文に数式を自在に用いたのはわたしが初めてであろう。若島正氏を超えたであろうか、自画自賛。

で、なにが言いたいのかというと、本書はミステリを 数学や論理学で上手にデコレートした作品であって、作品自体が数学ミステリの体を成しているわけではないということです。そんなわけで、作者の意図にかかわらず数学用語や理論が数学嫌いに与える影響は多大なものがありますから、作品の評価がそれに左右される場合もなきにしもあらずだと思うのですね。ただ、読んでいる時にも思ったし、千街晶之氏も解説で言及されている「アメリカで刊行されたある長編ミステリ」との類似性を考えると、それを読んでいる読者には「数学」の威光がやや和らいで感じられますね。
主人公には留学当時の著者をモデルにしたような初々しさが感じられ、それがアカデミックな街*の描写とあいまって雰囲気の良い作品になっています。また、病院についてのエピソードはやはり南米作家らしさがあります。



*お分かりでしょうが、ものすごく貧弱なのです。 
*googleの航空写真で見てみると、建物、通りの名前など本に書かれているのと同じで した。



オックスフォード連続殺人 (扶桑社ミステリー)オックスフォード連続殺人 (扶桑社ミステリー)
(2006/01)
ギジェルモ マルティネス

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「断崖は見ていた」 ジョセフィン・ベル 論創社

2008-09-24

Tag :

☆☆☆

断崖から男が転落した。
事故死と判断した地元の警察の見解に疑問を抱いた医師ウィントリンガムは、男の一族がここ数年謎の死を遂げていることを知る。ラストに待ち受ける驚くべき真相にむけ、富豪一族を襲った悲劇の幕がいまひらかれる。      内容紹介より



著者はイギリス推理作家協会(CWA)の会長を1959〜1960年務め、四十編以上の長編ミステリを著しているそうです。しかし、この作品(1938年)には英国ミステリというより米国ミステリのような印象を受けました。特に主人公夫婦の生活習慣が現代的でスノッブで、伝統的保守的な英国のそれとは違っているように感じました。たとえば、トレーラーをレンタルして海岸でバカンスを楽しみ、子供の世話を子守りに任せたりする様子とかは、米国の新興階級の生活パターンのような気がします。ミステリ小説が狭義の風俗小説の性格を帯びているとするなら、この夫婦の生活様式は、当時の英国の特定の階級における流行を描いているものなのかもしれませんが。いずれにせよ英国ミステリから想像する重厚な味わいがなく軽めな作品に仕上がっています。

さらに特異なところは、この探偵役の主人公のキャラクターが医師という職業設定から連想されるような、頭脳明晰で推理力に優れたひらめき型のいわゆるホームズタイプとはかけ離れていることです。彼が事件を調査してあちこち飛び回り、関係者たちに聞き取りをする様は、まるで叩き上げのベテラン刑事の姿を見ているようです。この最初の派手なイメージと地道な行動のギャップが面白いと思います。


断崖は見ていた (論創海外ミステリ)断崖は見ていた (論創海外ミステリ)
(2005/03)
ジョセフィン ベル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「恐怖通信」 オーガスト・ダーレス 他 河出文庫

2008-09-22

☆☆☆

私は幽霊になって、私を殺した彼に復讐しようとするのだが、またあの声が…(「幽霊」) 職安のカウンターのブルネットに青い瞳の女の子は、魔女!?(「犠牲の年」)
やんちゃ坊主の火の精サラマンダーに対するは、狼男のぼくと黒猫スヴァルアーフを従えた素敵な魔女ジニー(「サラマンダー作戦」) — 異界と自在に交信するダーレス、ブラッドベリらの秀作12編を精選した恐怖のアラカルト。      内容紹介より



「幽霊」オーガスト・ダーレス
日本の怪談話みたいな幽霊が出てきて、布を通して氷を触ったみたいなひんやりと無気味な感じです。

「ブラッドレー家の客」ロジャー・W・トーマス
ヴァンパイアもの。吸血鬼を虫に例えれば蛭でしょうが、この作品ではちょっと違いますね。虫屋さんが間違えて収集してたりして。

「犠牲の年」ロバート・F ・ヤング
あの短編集『ジョナサンと宇宙クジラ』にくらべるともうひとつがほのぼのとした話です。魔女がハローワークに勤めていたり、魔女たちの弱点がかなり現実的なところがウケました。

「ヴェルサイユの幽霊」フランク・アッシャー
ヴェルサイユ宮殿には時間のゆがむ現象が起きる場所があって、そこに偶然迷い込むと
マリー・アントワネットやその従者に遭遇してしまうのです。その現象が起きるのは八月だそうです。
 
「愛しのサタデー」マデリーン・レングル
廃屋になったお屋敷に居着いた魔女と少女のふたりと少年のひと夏の交流。南部を舞台にした切ないおとぎ話です。アメリカの作家はこういう話を書くのが上手ですね。

「おぞましい交配」ウィリアム・バンキアー   
なんとなくキャロル・カイル「凶悪な庭」(『16品の殺人メニュー』収録)を思わせる畑がテーマの奇妙な話。ハロウィーンらしく収穫された作物はカボチャで、その姿形が…。同じようなプロットの作品があった気がしますが、はっきりと思い出せません。

「悪魔の手下」マレイ・ラインスター
魔法を封印したおばあさんとその孫。女性を手に入れるために悪魔に魂を売った男と戦う話。魔法の指輪をしている時の青年はどんな姿だったのでしょうか。

「バラ園」モンタギュ・R・ジェームズ
こういう邪悪な霊があちこちいそうで恐いです。知らないで封印を解いたりしたら恐ろしい事態になりますね。じわじわ恐ろしい話です。

「ぼくのママ魔女」ウィリアム・テン
これも魔女もの。呪いをかけられた息子のために、新米のママ魔女が親玉のババ魔女と交わす呪詛対決。

「ブラック乳母」マイクル・M ・ハードウィック
幽霊屋敷に引っ越して来た家族の何の捻りもないありふれた幽霊話。

「サラマンダー作戦」ポール・アンダースン
なんたらポッターのような魔法の学校や魔法のフットボールゲームが登場します。

「十月ゲーム」レイ・ブラッドベリ
有名な作品ですね。わたしはあまり好きではありません。

SF系作家が五人も名を連ねているためか、収録作品はホラーが少なくおとぎ話的な軽めなものが多いです。なので「恐怖」の度合いはハロウィーン・レベル位で期待したほど恐くありません。


恐怖通信 (〔1〕) (河出文庫)恐怖通信 (〔1〕) (河出文庫)
(1985/11)
A・ダーレス中田耕治

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テーマ : 怖い小説
ジャンル : 本・雑誌

「トランスフォーマー」 アラン・ディーン・フォスター  ハヤカワ文庫SF

2008-09-21

Tag : SF

☆☆

カタール西部のアメリカ軍基地が何者かによって突如攻撃を受けた。どこからともなく飛来した軍用ヘリMH-53が突然巨大な人型ロボットに変形し、基地を破壊、コンピュータに侵入して機密情報を奪取しようとしたのだ。いったい何のために? しかも彼らの襲撃は、それだけにとどまらず…… 2つの敵対する機械生命体 —コンボイ率いるサイバトロン戦士と、メガトロン率いるデストロン軍団の壮絶なる死闘が、いま始まる!       内容紹介より



スタニスワフ・レムの『砂漠の惑星』を思い出しました。

後は悪口を書いてます。

いくらノベライズにしても、ものすごくステレオタイプの登場人物といい加減にしろと言いたくなるくらい飽き飽きするほどにお馴染みの設定、展開が惨すぎる。特に、イケてない少年と恋敵のスポーツマン。機械との友情。十年一日どころか百年一日、よその国のことながら良いのだろうか、これで。アメリカの映画産業の行方は?
だがしかし、ふと足元に目をやると米国のことを心配している場合ではなかったのである。早川さん、あなたのことを言っているのですよ。いいのですか、これをSF文庫なんかにいれちゃって。『砂漠の惑星』にくらべて退化した作品をいれてどうするのですか?こういうことが得意な徳間さんかメディファクさんに任せておけばよかったのに。で、売れたのですか、これ。果たして日本にそれほどのニッチが存在するものだろうか。


トランスフォーマー (ハヤカワ文庫 SF フ 15-2)トランスフォーマー (ハヤカワ文庫 SF フ 15-2)
(2007/07)
アラン・ディーン・フォスター

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テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

「姿なき殺人」ギリアン・リンスコット 講談社文庫

2008-09-20

Tag :

☆☆☆☆

第一次世界大戦終結直後の一九一八年、英国。婦人参政権が初めて認められた議員選挙に、女性人権活動家のネル・ブレイが立候補した。だが、有力候補が謎の爆死を遂げ、ネルを含む他の候補にも次々と魔の手が迫る。血塗られた選挙戦の結末と事件の意外な真相とは? CWA最優秀歴史ミステリー賞受賞の傑作。       内容紹介より



時代設定が二十世紀初頭で舞台が英国というのが個人的に好みです。女性参政権*が初めて認められた状況下での、当時の選挙活動や主人公が立候補した選挙の行方がとても面白く読めました。作者の穏やかで軽妙な筆致がかもしだす雰囲気も絶妙なものがあります。
ミステリ自体は地味でストーリー展開にも派手さはありませんが、英国ミステリらしい滋味豊かな作品です。女性主人公の凛とした態度とウィットに富んだ会話が好印象を与えていると思います。米国の(たとえば食への飽くなき追求が止まない)素人女性探偵たちの子供っぽさというか青臭さととくらべると、人としての魅力、あるいは人物造形に歴然とした違いがありますね。

細かいことですが、デイヴィッド・エルワードを後半登場させなかったのはやや残念でした。主人公をめぐっての好敵手ビル・マスグレーヴとのやり取りが楽しみだったのですが。訳者加地美知子さんによると本書はネル・ブレイ・シリーズの八作目だそうです。他の作品もぜひ読んでみたいです。


*但し、30歳以上の条件付きで、男性と同じ21歳になったのは1928年。



姿なき殺人 (講談社文庫)姿なき殺人 (講談社文庫)
(2003/06)
ギリアン リンスコット

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「記憶をなくして汽車の旅」 コニス・リトル 創元推理文庫

2008-09-18

Tag : コニス・リトル

☆☆☆

目覚めると、わたしはオーストラリア横断鉄道の車中に。でも、自分の名前も何もかも思い出せない! 初対面のおじさん一家や自称婚約者の青年医師とメルボルンで合流するや、さらに奇怪な出来事が続発、とうとう殺人事件まで! 容疑をかけられたわたしは、終点バースに着くまでに記憶を取り戻し、犯人を突きとめることができるのか? サスペンスとユーモアあふれる鉄道ミステリ。      内容紹介より



『汽車旅は地球の果てへ』(文春文庫)でオーストラリア大陸横断鉄道の紀行文を書いている故・宮脇俊三さんが喜びそうなユーモア・トラベルミステリ。しかし、宮脇さんの紀行文とくらべると、列車の話題は軌間の不統一*くらいですし、乗客にまつわるエピソードも当然少なくて汽車旅についての面白さはほとんどありません。近頃の鉄道ファンをターゲットにして翻訳されたのでしょうか。ミステリ部分には期待しないから、もう少しユーモアで笑わせて欲しかったです。書かれてから六十年以上、当時は定番でアメリカ人に受けたであろう文中の笑いのツボ(オージーをからかうやり取り、おじさんの言葉の言い間違いなど)がちっとも笑えません。都会からやって来たアメリカ人女性が、イギリス風だがまだまだ未開でへんてこりんなオージーと呼ぶ田舎者がいるオーストラリアという大陸を行く、作者のテーマはきっとこれですね。

それから、いくらフィクションでも、記憶を無くした人間があまり不安を抱かずに旅を続けるというのはやはり不自然ですよね。TVの二時間サスペンスドラマなみの浅さとかゆるさを感じました。


*軌間の不統一は同じイギリス植民地のインドの鉄道においても。


記憶をなくして汽車の旅 (創元推理文庫 M リ 5-1)記憶をなくして汽車の旅 (創元推理文庫 M リ 5-1)
(2007/08)
コニス・リトル

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「夜の来訪者」J・B・プリーストリー 岩波文庫

2008-09-16

Tag :

☆☆☆☆☆

息もつかせぬ展開と最後に用意された大どんでん返し — 何度も上演され、映画化された、イギリスの劇作家プリーストリー(1894 - 1984)の代表作。舞台は裕福な実業家の家庭。娘の婚約を祝う一家団欒の夜に警部を名乗る男が訪れて、ある貧しい若い女性が自殺したことを告げ、全員がそのことに深く関わっていることを暴いてゆく……。     内容紹介より



ネタばれしています!ご注意下さい。




簡潔なストーリー、明快なテーマとメッセージ性をそなえた戯曲。
訳者安藤貞雄さんが解説に書かれているように、作者が警部の名前を“グール(GOOLE)”と名付けた意図はやはりghoul(食屍鬼)を読者(観客)に連想させるためでしょう。作中、二人の登場人物(警部自身と工場主)がグールの名前の綴りを教える場面が二箇所ありますが、これは主に舞台観客に配慮して警部の名前を強調し注意を向けさせるためだと思います。

それから作品全体ではディケンズの『クリスマス・キャロル』のイメージが浮かびました。あの世からの使いである三人の幽霊が鬼(警部)であり、スクルージ役が五人の人物なのではないかと。そして、若い女性と関わりをもったこの五人は、いわゆるミステリー・ゾーンに迷い込んだ状態にあって、その者たちの全員が改心するまでこの物語は何度も反復して繰り返される のではないかと思わせる無気味な余韻を残して終わります。

あと余談ですが、狂言回しである警部の最後の役回りは、クリスティの某作品に近いものがあるのではないかという気がしました。



夜の来訪者 (岩波文庫 赤 294-1)夜の来訪者 (岩波文庫 赤 294-1)
(2007/02)
プリーストリー

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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

「ナンタケットの霧」フランシーヌ・マシューズ 集英社文庫

2008-09-14

Tag :

☆☆

米東海岸の有名な避暑地ナンタケット島で男の他殺死体が発見された。被害者は島の農場主ピーターの、ブラジルに住んでいるはずの兄。警察署長を父にもつ女性刑事メリーが捜査に乗り出した。彼女にとっては初めての殺人事件だ。島の住人や避暑客を探っていくうちに、人々の複雑にからみあった過去が浮かびあがってきた……国際ジャーナリスト出身の女性作家による極上のミステリー。    内容紹介より



感想がなぜか非常に書きにくい作品です。相原真理子さんの訳者あとがきによると、本書が作者のはじめての作品だそうで上手く書けているとは思います。しかし、どうもノリが悪くてなかなか物語に入っていけませんでした。これはたぶん三人称多視点に問題があるのではないかと思います。約十人の登場人物に視点が変わり、そのうちの六人ほどの心理がやや深めに描写されて、他人に言えない悩みやなんらかの秘密を抱えていることをうかがわせています。ストーリー上その抱えているものを読者にすべて提示することはできないから、どうしても思わせぶりな書き方になってしまいます。多視点と内面描写の程合いがちょっとずれているような。ある程度視点を主人公の刑事に固定して、他の登場人物の心理描写を浅めにしたほうが読みやすかったかもしれません。

また、作者は器用なのでしょうが、人物像が平均化しているしストーリーも起伏に乏しく地味です。新人作家らしい生きの良さがありません。犯人の動機や意外性などは才能を感じさせますから、もっと冒険をして斬新な作品にしてもらいたかったです。



ナンタケットの霧 (集英社文庫)ナンタケットの霧 (集英社文庫)
(1997/11)
フランシーヌ マシューズ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「アンティーク鑑定士は見やぶる」エミール・ジェンキンス ランダムハウス講談社

2008-09-12

Tag :

☆☆

スターリングは売れっ子アンティーク鑑定士。壁を飾る絵に戸棚の置物― 「人は家のなかに人生を展示している」が彼女の持論だ。なのに今回の遺産査定で発見したのは死んだ老女の人生とは不釣合いなほど高価なコーヒーポット。しかも死亡状況にも不審な点があり……果たしてコーヒーポットが意味するのは? 華やかなニューヨーク競売場の表と裏から鑑定方法の解説まで、現役鑑定士の著者による裏話いっぱいのミステリ。   内容紹介より



英国的ユーモア・ミステリ小説か飲食系コージー・ミステリの変種と想像していたのですが、まったく違っていてわたしにはつまりませんでした。
現役鑑定士のデビュー作にしても全体的に粗が目立ちます。特に地元バージニアとニューヨークで起きたふたつの事件にほとんど関連性がなくそれぞれ独立していること。ミステリ書きの初心者には荷が重すぎた感じですし、そもそもその技量があるのかどうか大いに疑問。専門書だけ書いていたほうが良いと思います。アンティークの話らしく登場人物の平均年齢が高く彼らのやり取りや主人公の亡くなった母親との箴言や名言を含んだ脳内会話が辛気くさい感じです。

各章冒頭にアンティークについてのQ&Aを載せているのは飲食系ミステリに付きものの
レシピと同じ趣向ですね。これからのミステリのトレンドは実用に役立つ情報をおまけに付ける方向に行ったりして。

さて、わたしが本書をリペアするとしたら、主人公の年齢を60代にし、ぺダンティックで少々エキセントリックな性格にして、姪か甥をアンティーク講釈の生徒役およびワトスン役にし、猫を一匹登場させて店先でウェッジウッドの皿で餌を食べさせていると……、つづきは落語「猫の皿」で。


アンティーク鑑定士は見やぶる (ランダムハウス講談社文庫)アンティーク鑑定士は見やぶる (ランダムハウス講談社文庫)
(2006/06/02)
エミール・ジェンキンス

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「メールオーダーはできません」レスリー・メイヤー 創元推理文庫

2008-09-10

☆☆☆

クリスマス目前のある夜、通信販売会社の経営者が自殺した。金持ちで美人の妻がいて、人生順風満帆のはずがなぜ? 第一発見者の主婦ルーシーは釈然としない。クリスマスの仕度で大忙しのはずなのに、地元の巡査を巻き込んで事件をつつき始めるルーシー。だが肝心の巡査が事故で重体に……。メイン州の田舎町を舞台に、季節の行事をいきいきと描く、生活感あふれるミステリ開幕。      内容紹介より



ジル・チャーチル〈主婦探偵ジェーン・シリーズ〉にとても似ていますが、実は「主婦残酷物語」とでもいうような過酷な主婦業の実態(少し大袈裟)を描いた話なのではないのかと。たあい無いミステリ部分よりも主婦が担う家事のほうに感心しましたね。クリスマス間際ということもあってプレゼントや食事の買い出し、夫、三人の子供の世話、訪ねてくる実母、義理の両親、当然家事もこなさないといけないし、さらに主人公は共働きで通信販売会社*の深夜シフトのオペレーターまでやっているのですから、やることがいっぱいあってこれは大変ですよ。その上、殺人事件の調査まで…。リアルな生活感*が漂うこの物語を読んで既婚の専業探偵*(および警察官)たちにお気楽さを感じましたね。

ミステリ好きだけど気が利かない旦那を持つ主婦は、ぜひ本書を読ませるべきだと思いました。余計なお世話ですけど。

商品番号13
殺人
季節を問わず、あなたの嫌いな方、いなくなって欲しい方への贈り物に最適です。刺したり、絞めたり、撃ったり、殴ったり、盛ったりと様々なバリエーションを取り揃えています。ご希望の商品の番号と贈り先のお名前、ご住所をご記入下さい。時価。


*本書のなかでも名前が出てきますがL.L.Beanをモデルにしたような会社。
*p238からp239で描かれる主人公のキレかた!
*例えば、パーネル・ホールのスタンリー・ヘイスティングとか。



メールオーダーはできません (創元推理文庫 M メ 2-1)メールオーダーはできません (創元推理文庫 M メ 2-1)
(2007/10)
レスリー・メイヤー

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

「空高く」マイクル・ギルバート ハヤカワ文庫

2008-09-08

Tag :

☆☆☆

英国の片田舎ブリンバレーは不穏な空気に包まれていた。別荘荒らしが頻発し、教会の献金箱からは金が奪われ、疑惑の人物マックスモリス少佐も一大轟音とともに大爆発し空高く舞いあがった自宅のなかで死亡した。三つの事件に繋がりはあるのか? 少佐の爆死に、かつて爆弾による謎の死を遂げた夫との関わりを感じた聖歌隊の指揮者リズは、息子ティムと非道な犯人を探しはじめるが……巨匠による傑作が待望の文庫化。新訳版       内容紹介より



一人の男を殺すために爆弾で家ごと吹き飛ばすという大げさな仕掛けをヴィレッジ・ミステリ風の作品に使っているのは、作者のイギリス的ユーモアなのでしょうか。よく分からないのですが…。主人公の夫が爆死した過去、息子の仕事の謎、軍歴が怪しい少佐の爆死、いかがわしい秘密を持つレストランなどの事柄から大掛かりな陰謀があるのでは?ネタばれ→「と読者をミスリードしておいて実際の事件は、ものすごく矮小で肩すかしなもの」だったというのが作者の意図なのでしょうか?『捕虜収容所の死』の解説のなかで、森英俊氏が本作品を「ミス・マープル物に代表されるヴィレッジ・ミステリへのオマージュ」と書いていますが、それとともにパロディでもあるのでしょうか?そこが面白がるところなのか、わかんない。

こういう登場人物たちが出てくる雰囲気のある英国ミステリは好きなのですが、想像および期待と別の方向に物語が進んでいく不思議な感じのするミステリでした。


『十二夜殺人事件』マイケル・ギルバート




空高く (クラシック・セレクション ハヤカワ・ミステリ文庫)空高く (クラシック・セレクション ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2005/08/09)
マイクル・ギルバート

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「幽霊屋敷の殺人」キャロリン・G・ハート ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫

2008-09-06

☆☆☆

マックスが密かに会っていた美女が行方不明になった? 警察から知らされて、アニーはびっくり。でも彼女がマックスの依頼人だとわかって、アニーはマックスと一緒に捜索を始めた。ところが、そのさなかに厄介な問題が。幽霊が出るという屋敷で二十数年前に起きた事件を解決しなければならなくなったのだ。謎とユーモアと恐怖をミックスしたシリーズ第六弾     内容紹介より



今さらな感じもしますが、久しぶりにキャロリン・G・ハートのこのシリーズを読みました。
アニーのマックスへののろけぶり、お坊ちゃま育ちのマックスの脳天気ぶり、この二人の悩みも苦労もないような幸せぼけしているダーリング夫婦に、果たして事件関係者たちの秘められた心情を本当に理解できているのだろうか?表層しか見えていないのではないのか?と思ってしまうのですね。彼らの明るさと単純さが事件の持つ悲惨さと釣り合いが取れていない感じがしてどうも落ち着きません。コージー系のミステリにもかかわらず結構悲劇的な話なのでダーリング夫婦の妙に明るく無垢なキャラクターが納まりが悪い、ものすごく極端に誇張した例えで言いますと、林家ぺー、パー子夫妻がトマス・H・クックの〈記憶三部作〉に登場するみたいな。

彼らにも陰影をつけるなり、シリーズを通じて徐々に精神的な成長を遂げさせたりすればよかった気がします。内容は、一癖も二癖もある南部の名門家族のなかに真犯人がいるというベーシックなミステリです。ただ、ヘニー・ブローリーが旅行中で登場しないのが残念でした。



幽霊屋敷の殺人 (ハヤカワ文庫―ミステリアス・プレス文庫)幽霊屋敷の殺人 (ハヤカワ文庫―ミステリアス・プレス文庫)
(1996/11)
キャロリン・G. ハート

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「バランスが肝心 ローレンス・ブロック傑作集 2」ローレンス・ブロック ハヤカワ文庫

2008-09-04

☆☆☆☆

申し分のない仕事に、文句のつけようのない妻、そしてすばらしい愛人—会計士ヘッティンガーの人生は、まさに順風満帆だった。ところが、たった一通の脅迫状がきっかけで、彼の人生は微妙にバランスを崩しはじめた……満ち足りた毎日を送る男を待ち受けていた皮肉な運命を描く表題作をはじめ、ハードボイルドから奇妙な味の短篇まで、バラエティにとんだ19篇を収録。大好評『おかしなことを聞くね』につづく第二短篇集。       内容紹介より


内容紹介にあるように、収録作品がバラエティにとんでいるので読んでいて単調にならず読み飽きないし、最低でもひとつは気に入った作品が見つかるのではないでしょうか。さらにローレンス・ブロックの多彩な才能がよく分かります。
すれっからしのミステリ読み(とりあえずわたしやあなたのことです)は結末の予測が付く作品「狂気の行方」「処女とコニャック」「週末の客」「バランスが肝心」「風変わりな人質」「逃げるが勝ち?」にはあまり感銘を受けませんが、逆にすれていない読者にとっては基本的な作品になるでしょう。

多少のことでは驚かないすれた読者(くどいようですが、わたしやあなたのことですよ)は、捻り方が変わっている作品「危険な稼業」「それもまた立派な強請」「マロリイ・クイーンの死」「今日はそんな日」「最期に笑みを」「カシャッ!」やミステリ色の薄い作品「雲を消した少年」「人生の折り返し点」「ホット・アイズ、コールド・アイズ」に新鮮さを感じると思います。そして、弁護士エイレングラフもの「経験」「エイレングラフの取り決め」。

個人的に印象深い作品は、「安らかに眠れ、レオ・ヤングダール」と「バッグ・レディの死」です。前者は村上春樹氏が短篇集『Deadday Stories』を訳編するときにぜひ収録して欲しいほどの文学作品です。一片の死亡記事から始まる、まさしく人生の一場面を巧みに切り取った可笑しくてやがて哀しい秀作。後者は、犯罪(または戦争や自然災害)被害者の無名性をテーマにした作品。殺害されたホームレスの女性が三十二人の人物に特定の金額を遺し、そのなかのひとりマット・スカダーが事件を調査するのですが、その過程で被害者の人物像が浮かび上がる。世間では警察も真剣に捜査しようとしない、ただのどこにでもいる名も無いホームレスのありふれた殺人事件であっても、被害者を知り生前彼女と接したことのある者にとってはその死を悼み、暴力による死に理不尽さと憤りを感じる存在であって、決して無名の人物ではなかったというしみじみとした物語です。

ジョー・ゴアズの短い短篇小説論付き。



ローレンス・ブロック傑作集〈2〉バランスが肝心 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ローレンス・ブロック傑作集〈2〉バランスが肝心 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1993/07)
ローレンス ブロック

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

「呪われた村」ジョン・ウインダム ハヤカワ文庫SF

2008-09-02

Tag : SF

☆☆☆☆

9月26日月曜日の夜半、ロンドンにほど近い小村ミドウィッチに白く輝く円盤状の未確認飛行物体が着陸するや、半径1マイル内のあらゆる生物を眠らせてしまった。 そして24時間後、円盤はふたたびいずこへともなく姿を消した。住民はすべて無事。村は何事もなかったかのように見えたが……村に住むあらゆる受胎可能の女性—17歳から45歳までの全員が妊娠していたのだ! イギリスSF界の重鎮が描く、戦慄と恐怖の異色作      内容紹介より



言うなればエイリアンとのファーストコンタクトものでしょうが、ここに登場するのは人間から生まれたエイリアンだけで、彼らの親である円盤に乗ってきたエイリアンは姿を現しません。他の地球侵略SF作品とはその点ではかなりユニークだと思います。村の女性たちが一斉に妊娠していたと判明する場面と全員が金色の眼を持って生まれてきたところがストーリーの山場で、サスペンス性からいえば後はかなりトーンダウンしています。主に村在住の作家ゼラビーと非友好的で得体が知れず集団的なエイリアンの子供や関係者との生物界における人間の存在意義、社会進化論的な議論などの会話が大きな比重を占めています。もしかすると、作者はエイリアンに全体主義、共産主義の不安をオーバーラップさせていたのかもしれません。 

同じく人類を寄主とするエイリアン物といえば映画〈エイリアン・シリーズ〉がありますけれど、本書の女性たちの普通の出産と比べると、映画での人間の腹を喰い破って出てくる出産シーンとその後の混乱場面がギャグに思えてきます。まあ、前者を聖母マリアの処女受胎のブラックユーモアあるいはパロディと解釈することもできますが、『エイリアン』の大袈裟加減に比して地味目に恐い気もします。



呪われた村 (ハヤカワ文庫 SF 286)呪われた村 (ハヤカワ文庫 SF 286)
(1978/04)
ジョン・ウィンダム

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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