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『迷子のマーリーン』エヴァン・マーシャル ヴィレッジブックス

2009-08-27

☆☆☆

ニューヨーク郊外で著作権代理事務所を営むジェーンは38歳。2年前に最愛の夫を亡くし、今は9歳になる生意気盛りの息子ニックと、メスの三毛猫ウィンキーと暮らしている。作家たちのわがままと請求書の山だけで毎日てんてこまいなのに、息子のベビーシッター、マーリーンが忽然と姿を消してしまったから、さあ大変。親友の娘であるマーリーンをそのまま放っておけず、ジェーンは彼女の行方を追うが、美しい外見とはかけ離れたマーリーンの意外な素顔と不可解な行動が明かになるにつれ、事態はだんだんあぶない方向に―。かわいいウィンキーとそそっかしいジェーンが大活躍のコージー・ミステリー、第1弾! 内容紹介より



三毛猫ウィンキー&ジェーン・シリーズ一作目。
高橋恭美子さんの訳者あとがきによりますと、この作者は編集者、著作権代理事務所のエージェントの職歴を持ち、小説作法の指南書まで書いているらしく、さすがに読ませる技術を持っていると思います。どこがどうとかはっきり指摘できないのですが(自然描写が少なく、会話が多いところくらいか)、手慣れてスラスラと読めるんですね。失踪したベビーシッターについて、主人公の感情面でのバランスがよく描かれていていると思います。つまり、主人公は元々好意を持ていないでいたその娘が勝手に出て入ったことに、当然最初は憤慨するのですが、感じのよくない娘だからと無関心のまま彼女のことを深く知ろうとしなかった自分も悪かったのだと後悔してしまうのです。近頃のコージー系の女性探偵の多くが負けん気が強く、皮肉屋だったり他人に厳しく自分に甘い傾向があったので、本書の主人公のこういうところは新鮮に感じました。
物語はマーリーン自身を捜すとともに、ほとんどなにも知らなかったマーリーンとは一体どんな娘だったのかを探すものであり、その娘に係わったひとたちの姿を明らかにする話にもなっています。少し強引なラストのどんでん返しはどうでしょうか。これを活かすにはもっと伏線を張っておく必要があったのではないかと、単発の打ち上げ花火みたいないきなり感と突飛さを感じてしまいました。
本好きな者にとって主人公の職業はかなり興味深くかつ魅力的な設定です。




迷子のマーリーン―三毛猫ウィンキー&ジェーン〈1〉 (ヴィレッジブックス)迷子のマーリーン―三毛猫ウィンキー&ジェーン〈1〉 (ヴィレッジブックス)
(2004/04)
エヴァン マーシャル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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