『パートタイム・サンドバッグ』リーサ・リアドン ランダムハウス講談社

2010-06-26

Tag :

☆☆☆☆

1967年、ミシガン州の小さな町イプシランティ。誕生日を前にした老人が、行きつけのバーで長年の願望をもらす。こんな世界で70年も生きれば充分だ、年を取りすぎて自分を殺す気力もない、誰か力を貸してくれ、と。孫のP・Tがその願いを聞き入れてしまったことから、バーに集う人々の人生が大きく変わってゆく ― 。支え合って生きる二人の兄弟を通し、人間にとっての本当の「救い」とは何かを描いた、涙の青春ノワール 内容紹介より



ミステリでもなくノワールでもない、ジーンとくる物語でした。
幼少の頃、死に際にある母親から弟の世話を頼まれた兄、父親の暴力から自分を守ったために脳に障害を負った兄を想う弟、弟は兄が犯した殺人事件の身代わりとなってベトナム戦争へ従軍する、というなんとも辛くて哀しいやりきれない話です。兄が母親を回想する美しいシーンでもう泣けてきます。しかし、全編がセンチメンタルなめそめそとした様子ではなく、さっぱりかつからっとした雰囲気が大部分であり乾湿のメリハリがついていると思います。
この作品においてはベトナム戦争が直接あるいは間接的に登場人物たちに大きな影響を及ぼしているにも係わらず、声高に読者に意見の押しつけや判断の無理強い、誘導を行っていないところが印象に残りました。もちろんそういった時期はとうに過ぎ去り、ひとつの歴史的検証材料として冷静に扱う傾向にあるのでしょうけれど、その淡々とした描写がかえって物語に深い効果を与えているように感じました。




パートタイム・サンドバッグ (ランダムハウス講談社文庫)パートタイム・サンドバッグ (ランダムハウス講談社文庫)
(2005/11/13)
リーサ・リアドン

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

『ブラック・ドッグ』ジョン・クリード 新潮文庫

2010-06-24

☆☆☆

女性記者が漏らした不可思議な言葉“ブラック・キャット”。そしてアイルランド沖に不時着したパイロットの最期の一言 ― ブラック・ドッグ。英国の元秘密情報部員ジャック・ヴァレンタインは、五十年前の水兵の認識票を調べていた。簡単なはずの捜査は、いつしか謎の言葉へと結びつき……。彼の前に浮かび上がった意外な謀略とは。英国推理作家協会賞受賞作家が放つ王道の冒険小説! 内容紹介より



主人公のジャック・ヴァレンタインって人、こんなに料理好きな人でしたっけ?なにか雰囲気がロバート・B・パーカーのスペンサーに似てきましたね。スパイ活動についてのうんちくを語るわりに拳銃とか持ってくるのを忘れたり、あまり有能な人物に思えないところは相変わらずです。彼は他の情報機関が嫌がるほどの汚れ仕事を経験してきたのに、チョムスキーの本を読んで世界の腐敗について憤るとか、それってブッシュがチョムスキーを読んで、アメリカ政府ってこんな酷いことをやってたんだ!と感想を漏らすみたいに間抜けなことなのではないだろうか、と小一時間。そして、死んでるわけじゃないけど過去からの亡霊みたいに出るわ出るわ前作、前々作の登場人物たち。プロットも面倒くさいのに登場人物も面倒くさい。その上、事件の経緯をいちいちその全員に喋って回る、黙るということを知らない主人公、今時ありえない市街地での大規模な銃撃戦とか、このシリーズがややバカミスの方向に向かっているような気がしました。
英米間のスパイ戦みたいなものを先進自由主義国を舞台に描くのはどうしても今さら感が否めないし、こんな素っ頓狂なストーリー展開になるのなら、中国とかインドとかを舞台にテロリストとか麻薬組織を持ち出した方が無難なように思いますね。

『シリウス・ファイル』ジョン・クリード 新潮文庫
『シャドウ・ゲーム』ジョン・クリード 新潮文庫




ブラック・ドッグ (新潮文庫)ブラック・ドッグ (新潮文庫)
(2007/04)
ジョン・クリード

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『料理人は夜歩く』カレン・マキナニー ランダムハウス講談社

2010-06-22

Tag :

☆☆☆

夜な夜な宿の屋根裏から聞こえる無気味な足音……まさか幽霊!?宿を切り盛りするナタリーは頭を抱えていた。幽霊の噂が立てば、宿にとって致命的だ。けれどそんな心配をよそに、またも不幸な事件が。まじめだった宿の洗濯係が拳銃自殺したのだ。でも、新しいレシピのための材料を冷蔵庫に用意したまま自殺する人なんていない!他殺を確信するナタリー。事件の真相を調べ始めると、やがて築150年の宿の、暗い歴史も明らかとなり……。シリーズ第2弾。 内容紹介より



このシリーズ作品はコージー・ミステリにジャンル分けされると思うのですけれど、そのわりに一作目から主人公が肉体的な暴力に遭う場面が多くて、今回も頭部打撲で気絶、暴力行為で肋骨骨折の被害に遭います。この点では柔な女性探偵を主人公にしたハードボイルドより身体を張っているかもしれません。このヒロインが備える探偵のタイプは、近頃多く見られるところのいわゆる考えるより先に行動してしまうものですが、負傷の程度と回数は他と比べて群を抜いています。探偵も歩けば棒にも犯人にも当たるという趣向ですね。
ストーリーは、B&B経営のノウハウを得ようとして主人公に付きまとう女性客、浮気性の元婚約者との再会から幽霊騒動、洗濯係の女性と牧師の死といったものまで大なり小なりの災難、トラブルが降り掛かかって彼女自身や友人、宿の経営が窮地に陥るといったものです。ただし、問題の数は多いけれどそれぞれの関連性が乏しいものも多く、ジグソーパズルのピースみたいにそれらがぴったりはまって全体像が明らかになるものではありません。

『注文の多い宿泊客』カレン・マキナニー ランダムハウス講談社




料理人は夜歩く 朝食の美味しいB&B2 (ランダムハウス講談社文庫)料理人は夜歩く 朝食の美味しいB&B2 (ランダムハウス講談社文庫)
(2009/08/10)
カレン マキナニー

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『悪女パズル』パトリック・クェンティン 扶桑社ミステリー

2010-06-20

Tag :

☆☆☆☆

大富豪ロレーヌの邸宅に招待された、離婚の危機を抱える三組の夫婦。仲直りをうながすロレーヌの意図とは裏腹に、屋敷には険悪な雰囲気がたちこめる。翌日、三人の妻の一人が、謎の突然死を遂げたのを皮切りに、一人、また一人と女たちは命を落としていく……。素人探偵ダルース夫妻は、影なき殺人者の正体を暴くことができるのか?『女郎ぐも』『二人の妻をもつ男』の著者の初期を代表する『パズル』シリーズ第四作、ついに本邦初訳。探偵小説の香気を、とくとご堪能あれ。〈解説・小池啓介〉 内容紹介より



屋敷内とまでは言えないけれど狭いエリアでの連続殺人、少人数の関係者のなかにいると思われる真犯人、そして素人探偵。こういう古典的な推理小説が懐かしい。各章の扉に被害者となる女性の名前が記されていて、その人物がいつどんな方法で命を狙われるのかワクワクしながら読み進められるわけです。現実的で身につまされるミステリが多いなか、これは非現実的な状況設定であるからこその愉しみ方でしょう。
屋敷に集う離婚しそうな三組の夫婦と熱愛中らしき二組の婚約中のカップル。これらの錯綜する人間関係が緊迫感を高めながら、うるさくない程度の軽妙な語り口がしだいに殺伐としてくる空気をいい具合に和らげていると思います。とくに可笑しかったのは、豚の貯金箱という素っ頓狂なアイテムが登場することで、サスペンスミステリにはかなり場違いな小物であるために一層ユーモラスな効果を与えています。このあたりは作者のセンスが光りますね。




悪女パズル (扶桑社ミステリー)悪女パズル (扶桑社ミステリー)
(2005/10)
パトリック クェンティン

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『愛は売るもの』ジル・チャーチル 創元推理文庫

2010-06-18

☆☆☆

大統領選挙が間近に迫った11月、リリーとロバートのブルースター兄妹が暮らす屋敷に、人目をはばかる様子のグループ客がやってくる。一方、町の小学校から頼まれた兄妹は、代理教師をふたりで務めることに。だが教壇に立ち始めた直後、滞在中の客が殺されてしまう。被害者は一行の雇い主で、その正体は悪名高きラジオ伝道師だった。《グレイス&フェイヴァー・シリーズ》第4弾。 内容紹介より



このシリーズ名が兄妹の《リリー&ロバート・ブルースター・シリーズ》ではなくて、《グレイス&フェイヴァー・シリーズ》という屋敷の名前が付けられているのは必ずしも兄妹ふたりが常に主役としてスポットライトを当てられている訳ではなく、それ以外の人たちも重要な役目を与えられるからなのでしょう。前作『闇を見つめて』では新聞記者のジャック・サマー、本書では警察署長のハワード・ウォーカーみたいに、この傾向が一つの特徴として続きそうです。また、屋敷に新たな入居者が加わったように、個性的な人物が部屋を借りて住人が増えていくところもシリーズの魅力になるのかもしれません。このアットホームな雰囲気がとても心地良いし、これからの作品に期待を持たせます。そういう面では、このシリーズは一作目から読んだ方が登場人物たちに愛着を感じますし、特に『闇を見つめて』を読んでおかないと、ジャック・サマーとメアリー・タワートンとの関係や感情のあやが十分に理解できないのではと思いました。

『風の向くまま』ジル・チャーチル 創元推理文庫
『闇を見つめて』ジル・チャーチル 創元推理文庫




愛は売るもの (創元推理文庫)愛は売るもの (創元推理文庫)
(2007/11)
ジル・チャーチル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『殺戮のハイウェイ』ジェリー・エイハーン 創元推理文庫

2010-06-15

Tag :

☆☆☆

「この赤ん坊を撃ったやつを見たものは?」「痩せ気味で、皇帝髭を生やした男がうちの子を殺したのよ。うちの子を」「そいつを見つけたら必ず殺してやると約束しよう」離れ離れになった妻と子に再会するため、ハーレーにまたがり、サブマシンガンを携えて、核戦争によって焦土と化したアメリカの大平原をひた走る男、ロークが出会うドラマの数々。 内容紹介より



“The survivalist”シリーズの2巻目。
前巻に引き続き核戦争で荒廃したアメリカと狂暴化した集団との対決を描きながら、今回は若干目先を変えて、進駐してきたソ連軍も登場させストーリーに絡ませています。暴徒たちと彼らに被害を受ける住民たち、そして住民たちに代わって復讐を遂げる主人公たちという構図はまさに西部劇そのものですが、いよいよアメリカの国土を掌握しようと活動を始めるソ連軍とそれに対抗しようとする生き残った合衆国政府勢力を取り入れることでマンネリ化を防いでいます。また、主人公の目的があくまで妻子に再会することにあるのを貫くことで、ソ連軍に対する主人公の存在が“ランボー化”するのを止めていいると思います。KGBの女性スパイの役割は都合が良すぎる気がしますけれど、話の流れとしてはあれも主人公があくまでも等身大の人物であることを読者に認識させるためには必要だったのでしょう。さもなければ、主人公一人の活躍で大勢の敵を片付けてスーパーヒーローにしてしまわなくてはならなかったでしょうから。

『ヘルドラド』ジェリー・エイハーン 創元推理文庫




殺戮のハイウェイ (創元推理文庫)殺戮のハイウェイ (創元推理文庫)
(1989/01)
ジェリー エイハーン

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『バイク・ガールと野郎ども』ダニエル・チャヴァリア ハヤカワ文庫

2010-06-13

Tag :

☆☆☆

胸はぷるぷる、尻はぷりぷり。お色気ぶりぶりキューバ娘アリシアは、官能コスチュームで自転車を駆る。目的は金持ち男をゲットすること。大勢の男とエッチの末、ついに運命の男ヴィクターに出会うが、彼はなんと犯罪者だった!哀れアリシアは犯罪に巻き込まれて死体の隠蔽工作につきあうはめに。輝く胸&尻の運命はいかに?アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞を受賞した超イカレタ犯罪小説、セクシーに見参 内容紹介より



寒い国が舞台だと内向きでガチガチのパズラーミステリ、熱い国だとネジの緩んだクライムミステリという個人的な先入観があって、本書も内容紹介を読んだ限りでは、ネジの緩んだ人物たちが登場するおバカなドタバタコメディタッチのミステリなのだろうなと思っていました。しかし、読みはじめこそそうなのですが次第にスラップスティックな傾向が薄くなり、やや地味めな型通りな展開へ。南国の陽光みたいな空気感から次第に陰ったような雰囲気へと変わっていきました。作品自体はうまくまとめてあるけれど、弾けずに終わりました。ウェストレイクやハイアセンの作中人物と違ってクセのない登場人物たちのなかで、唯一キャラが際立っているヒロインなのだから、彼女の奔放なノリで終始一貫していれば良かったのでは。ブラックジョークとして使える死体の扱いも大人しめだし、プロットももうひと捻りがほしいところです。ただ、暴力とか嫌な奴が出てこないために読後感は穏やかです。




バイク・ガールと野郎ども (ハヤカワ・ミステリ文庫)バイク・ガールと野郎ども (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2002/11)
ダニエル チャヴァリア

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『死神を葬れ』ジョシュ・バゼル 新潮文庫

2010-06-09

Tag :

☆☆☆☆

「病院勤務は悪夢だ」挨拶がわりに僕らはこう言う。研修医の地獄のシフトじゃ睡眠時間は当然不足、疲労は無限。クスリでもキメなきゃやってられない。しかもその日の入院患者が最悪。マフィアのそいつは知られてはならぬ僕の過去を知っているのだ ― 。疾走感抜群の語り口で病院内部と裏社会の暗黒面を鮮やかに描き、驚愕の結末が全米の度肝を抜いたメディカル・スリラー、上陸! 内容紹介より



語り口は快調、いかにもエンタメ口調、進み具合は好調、でも何か単調、みたいな。
主人公はいかにして殺し屋となり、なぜ命を狙われ、なにゆえに医者となったのか。マフィアのお抱え殺し屋になる過程をメインにした過去の出来事と医者としての現在の出来事を交互に挿んで進むストーリー展開は読みやすいけれど、同じトーンが続くためにしばらくして飽きました。もう少し強弱の変化をつける必要があるのではないでしょうか。
作者本人も研修医の経験があるらしく病院、医療行為についてはNHKで放送されていたER的におもしろおかしく、且つ興味深く描写してみせていますが、もう一方のマフィアの世界については、あくまでも一般のイメージの踏襲に留まって描写不足な感じがしました。あまりシリアスすぎると作品全体のイメージ(軽佻浮薄)と合わなくなるからかもしれませんけれど。
まあ、ニューウェーブっちゃあニューウェーブ?ただ、やたら強いヒーローなので、ニュータイプのアメリカン・コミックもどきともとれるかもです。




死神を葬れ (新潮文庫)死神を葬れ (新潮文庫)
(2009/07/28)
ジョシュ バゼル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『フクロウはだれの名を呼ぶ』ジーン・クレイグヘッド・ジョージ あすなろ書房

2010-06-04

Tag :

☆☆☆☆

アメリカ北西部の原生林。マダラフクロウが絶滅の危機にひんしていた。木こりは木を切ることを禁じられ、父さんは仕事を失った。ぼくは思った ― みんなフクロウのせいなんだ! カバーより



児童文学でフクロウと言えば、アナホリフクロウの保護を巡る少年の冒険を描いたカール・ハイアセンの『HOOT』(理論社)が思い浮かびます。
野鳥の観察や保護活動に興味を持ち始めると、“Todays Birds,Tomorrow Men ”という言葉を覚えますが、レイテェル・カースンの『沈黙の春』の内容と同様に「明日は我が身」に降り掛かることを戒めているフレーズです。しかし、昔からヒトというのは未来より今現在に目が向きがちですから、「種の保存」や「遺伝子資源」とか「生物多様性」とか言われている時代ですけれど、個人の生活がかかっている場合にはなかなか飢えを我慢させて理想を語り聞かせることは難しいですね。
この作品は木こりの一家にフクロウのひなが拾われてやってきて、家族に変化をもたらしていく話です。特に、フクロウとその世話を焼く係になった父親の心の変化がストレートに描かれています。感心したのは、フクロウの餌についてペリットを吐くことの重要性、山が荒れ土砂が河川に入り込むことで魚が住めなくなること、鳥の刷り込み理論、森林の分断による個体の孤立などが初歩的ながら分かりやすく書かれていることです。興味を持った子供はさらに入門書を手に取るのではないでしょうか。




フクロウはだれの名を呼ぶフクロウはだれの名を呼ぶ
(2001/12)
ジーン・クレイグヘッド ジョージ

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テーマ : 児童書
ジャンル : 本・雑誌

『猫探偵カルーソー』クリスティアーネ・マルティーニ 扶桑社ミステリー

2010-06-02

Tag :

☆☆

ヴェネツィアに生きる猫たちはいきり立っていた。海に囲まれたこの愛する街で、またぞろ殺人事件が起きたのだ!カリスマ的ボス猫のカルーソ―は、自らの手で事件を解決すべく、愛しき雌猫カミッラや仲間たちとともに、路地から路地へ、運河から運河へと探索を始める。やがて事件の背後に浮かび上がる、作曲家ヴィヴァルディの遺した秘宝の謎―。個性豊かな猫たちの華麗なる大冒険のゆくえとは?全ての猫好きとヴェネツィアを愛する人々に捧げる、珠玉の猫ミステリー!〈解説・杉江松恋〉 内容紹介より



そりゃあ、カバーが猫の写真になっている猫探偵のミステリ本なら、猫好きホイホイみたいなトラップ効果も相まって手に取らざるを得ないでしょう。約190ページ程のヤングアダルト向けの寓話みたいな作品で、非常にシンプルなストーリーで読みやすいです。でも猫好きなミステリファン以外は読まなくてもいいかも。西洋においては猫が不気味存在として見られることもあるということが分かります。日本でも化け猫の話はあるけれど、あちらほど忌み嫌われた歴史はないですよね。
さて、なぜヴェネツィアの猫たちが殺人事件を調査しようと思い立ったのかというと、街の治安が悪化すると観光客が減少し、ひいては猫の生活にも悪影響を及ぼすから。そして殺人事件を早急に解決すれば、ヴェネツィアでの猫の評判を上げることができるから。動機が潔いくらい明確。ただ、猫のおかげでスリやかっぱらい、辻強盗から免れたという細々としたエピソードをメインの殺人事件の周りにちりばめてあれば良かったのではないかと思いました。




猫探偵カルーソー (扶桑社ミステリー)猫探偵カルーソー (扶桑社ミステリー)
(2007/12)
クリスティアーネ マルティーニ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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