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『聖なる夜の犯罪』シャーロット・マクラウド 編 ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫

2010-12-21

☆☆☆

心弾むクリスマスに、人気ミステリ作家の智恵を絞った贈り物が届きました。今回、読者のために特別に作品を書き下ろしてくれたのは、ピーター・ラヴゼイ、アーロン・エルキンズ、メアリ・ヒギンズ・クラークら、当代きっての巨匠たちばかり。思わず背筋が寒くなる幽霊譚から心温まる愛の物語まで、バラエティー豊かなクリスマス・ミステリが楽しめる傑作集 内容紹介より



「クリスマスに保温カバーを」シャーロット・マクラウド
この作者の作品では、この短編に登場するセーラ・ケリングシリーズは読んだことがなくて、シャンディ教授シリーズに感じられるアメリカ南部ほら話みたいな要素がないうえに、スパイものというのが意外でした。

「クレセント街の怪」ピーター・ラヴゼイ
クリスマス・イヴに幽霊が出るというある屋敷で、その調査のために留守番をすることになった元警察官。そこに白装束の若い女性が姿を現し、百五十年前に起きた殺人事件の真相が明らかになる。幽霊になったのは一体誰だったのかが、最後の最後に判明するというラヴゼイの巧さがさりげなく光る作品。

「クリストファーとマギー」ドロシー・ソールズベリ・デイヴィス
クリスマスを控え、オンボロ車で帰省中の巡業奇術師とその助手が遭遇した強盗事件の話。アクション場面の書き込みが目立つけれど、ラストがどういう意味なのか分かりませんでした。

「カープット」エリック・ライト
カナダにある軍の基地で、クリスマスに起きた殺人事件の話。犯人探しの本格ミステリ。どうも語り口がぐだぐだしている印象で、話にキレがないみたいな。

「生きたクリスマス・ツリー」ジョン・ラッツ
クリスマスなんか煩わしいだけだと考え、息子のために本物のクリスマス・ツリーさえ買ってやろうとしない弟の家に、詐欺罪で服役中の兄がクリスマス期間中だけ刑務所から出ることを許されてやって来た。あの有名なクリスマス・ストーリーの変種。

「三人の不良少年」ハワード・エンゲル
クリスマスの時期、中年探偵と女友達が、コカインの運び屋をやった三人の不良少年に施した善行。微妙。

「サンタクロースがやってくる」ビル・プロンジーニ
慈善クリスマス・パーティーで、女友達に頼まれサンタクロースに扮した「名無しのオプ」が、子供たちに絡まれたり、泣かれたり、殴られたり、踏まれたり、泥棒を捕まえたりしてさんざんな目に遭うという偽サンタさん定番の話。

「小さな敷居際の一杯」シャーリン・マクラム
空き巣に入った家で、幸運をもたらす男に間違えられた泥棒の話。食べ物や飲み物でもてなされ、切羽詰まった男は居直り強盗に変身するが……。オチが愉快。

「クリスマスを愛した男」ヘンリイ・スレッサー
クリスマスを愛して止まず、その時期が来るのを楽しみにしていた男が、クリスマス当日の朝、家族の前からこつ然と消えてしまった。残された子供へのプレゼントの中身は、到底女の子にはふさわしくないものだった。刑事が調査すると、男には意外な秘密が……。スレッサーらしいシニカルでブラックな笑いを軽快なタッチで。

「妖精コリヤダ」エドワード・D・ホック
ロシア民話に出てくる妖精の乙女コリヤダが、ロシア人の大学関係者一家が多く住む住宅地域に出現し、家々にプレゼントを配っているという。その噂を聞き付けた主人公たちは殺人現場で彼女の姿を目撃する。強引にまとめようとするホックの力技が微妙。このひとは、たまにこういう傾向があるような。

「笑うオランダ人」アーロン・エルキンズ
妻へのクリスマス・プレゼントを買う目的の、クライアントである成金男の買い物に付き合わされた弁護士。彼が画廊で偶然見かけた美術本には、成金が値切って購入した絵画が、掘り出し物の高価な名画として掲載されていた。画廊のオーナーもその絵の価値を知らないらしい。そこで弁護士がとった行動とは。苦いです。

「追いつめられたオート」スーザン・ダンラップ
何者かに手紙で脅迫される私立探偵と彼に借りがある女性刑事。オチがとほほな話。つまらない。

「ホッ!ホッ!ホッ!」アイザック・アシモフ
五人のサンタクロースがいた宝石店で起きたネックレス盗難事件。しかし、実際に店にいたサンタクロースは四人だった。五人目のサンタクロースの行方とその正体は?『ユニオン・クラブ綺談』形式の作品。

「聖夜」マーシャ・ミュラー
マーシャ・ミュラー(マーシャ・マラー)のシャロン・マコーンものの短編作品。家出した甥を捜してクリスマス・イヴの街を行く主人公が見たイヴの情景と出会った人々の話。特にホームレスたちの様子を描いた箇所には、ちょっとした場面にもかかわらずジーンとさせられました。なんか良いです。

タグ:クリスマス・ストーリー




聖なる夜の犯罪 (ミステリアス・プレス文庫―ハヤカワ文庫 (32))聖なる夜の犯罪 (ミステリアス・プレス文庫―ハヤカワ文庫 (32))
(1990/11)
シャーロット・マクラウド 編

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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  • Author:てんちゃん1号
  • 海外ミステリなどの感想を誤字脱字、表現・文法間違いを交え、思い込みと偏見を持って書いています。そんな素晴らしいブログなのでリンクとか何でもフリーです。異次元、霊界、他惑星からもお気軽にどうぞ。

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