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『独立記念日の殺人』キャロリン・G・ハート ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫

2011-02-08

☆☆

楽しいはずの独立記念祭をひかえて、アニーの心は重かった。元軍人のハッチが、図書館の理事として、記念祭の行事に横槍を入れてきたからだ。彼の差別主義的な言動には、もはや我慢がならない。ところがそのハッチが、記念祭の花火の最中に衆人環視の中で突然射殺された!容疑を受けた黒人青年の無実を信じ、アニーとマックスは、真犯人探しに乗り出す。 内容紹介より



以前から書いていますけれど、このシリーズの特徴ではないかと個人的に考えている事柄があって、ひとつはヒロイン、アニーの夫であるマックスの物語における必要性(シリーズ始めからいてもいなくても全く困らない存在感、どことなく捕らえ所のないキャラクター(注1))、もうひとつは、事件にいたる背景としてコージーにしては意外に暗くて深刻な問題が隠されている割に、ヒロイン夫妻のカラっと明るい軽佻ぶりが際立って目立つことです。シリーズ八作目となる本書では、そこらあたりに変化の兆しが見えているように感じました。まず、これまで昼行灯状態だったマックスが積極的および自発的に事件の調査に関わり出し、そこそこの成果をあげているところ(注2)。そして、常日頃のんきなアニーが男女間の愛情の移ろいを知らされて、珍しく感情的になり夫の前で嘆き悲しんでしまう場面です。それから、このシリーズの面白さは脇役ながらヘニー・ブローリーの活躍いかんにかかっているのだと思いました。六作目、七作目そして本書みたいに彼女の存在が希薄だとはかなり低調です。

(注1)これはジル・チャーチルのグレイス&フェイヴァー・シリーズの登場人物であるロバート・ブルースターにとても似通った造形です。
(注2)その活躍に対してパートナーであるアニーがひがんだりしているのは、作者はもともと、謎解きに関してマックスはあくまでアニーの引き立て役という意図があったのかもしれません。

タグ:キャロリン・G・ハート




独立記念日の殺人 (ミステリアス・プレス文庫)独立記念日の殺人 (ミステリアス・プレス文庫)
(1999/08)
キャロリン・G・ハート

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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