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『ブルー・ムービー』 ジョゼフ・ハンセン ハヤカワ・ミステリ

2011-09-19

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☆☆☆

十数冊のチャイルド・ポルノ、使途不明の高額の支払済小切手、避妊薬、敬虔なクリスチャンとして反ポルノ・キャンペーンを張っていた人物が残したにしては妙な品ばかりだった……死んだジェラルド・ドースンは、撮影機材の貸出業を営む傍ら、風紀粛正運動の指導者として人望を集めていた。そんな彼が、首の骨を折られた無惨な姿で発見されたのは、うだるように暑いある晩のことだった。犯人はすぐに逮捕された。ドースンに店を荒らされたポルノ書店の店主ツーカーが、被害者を恨んで凶行に及んだと考えられたのだ。薄弱ながら彼と犯行を結ぶ証拠も発見されていた。保険調査員デイヴ・ブランドステッターが妙な“遺品”を見つけたのは、ドースン夫人の保険金請求に基づいて型通りの調査を始めた矢先のことだった。個人は評判通りの聖人君子ではなかったのか?さらに妙なことには、ドースンが自分の子供と称して囲っていた若い娘シャーリーンが、殺人と前後して失踪していたのだ。事件の鍵を握ると思われる娘は一体どこへ?教会からブルー・フィルム・スタジオ、麻薬や売春の氾濫する街の暗部へ ― デイヴは緻密な調査を一歩一歩進めたが……父の死を契機にフリーとなったデイヴが、独立後初めて手がけた難事件!ハードボイルドの本流をゆく、異色のホモセクシュアル探偵登場の人気シリーズ第五作。 内容紹介より



〈デイヴ・ブランドステッター・シリーズ〉初読です。
これまで“ホモセクシュアル探偵”というのに引っかかって手に取りませんでしたが、予想外に出来が良い作品でした。まず、主人公に気取りがなく、控えめで落ち着きがあって好印象を持ちました。これまでのハードボイルドものの主人公のイメージ、斜に構えて無駄口をたたきまくるといったところがありません。大久保寛氏の訳者あとがきによれば「独立したデイヴ・ブランドステッターは、一つふっきれたのか、以前ほど性格の暗さも感じられず、むしろさっそうとした感じで、ようやくハードボイルドの探偵らしくなってきたようだ。多少の軽口もたたけるようになった」「本書をターニング・ポイントとして今後とも大いに活躍を期待できそうだ」(p206~207)と書かれているので、本書におけるキャラクターはいままでとは別みたいですけれど、こういうキャラなら他の作品も読んでみたいです。ただ、「ストーリーは、いつものジョゼフ・ハンセンらしくなく(といっては失礼だが、)明快で歯切れがよく、ちょっぴりサスペンスフルだ」と前述の大久保氏が余計なことを書かれていますが……。
なにはともあれ、作品自体はロサンジェルスがもつ猥雑で浮薄で人を堕落させる街という雰囲気を醸し出しながら、内容は結構密でしっかりと組み立てられていて意外でした。




ブルー・ムービー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1463)ブルー・ムービー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1463)
(1986/01)
ジョゼフ・ハンセン

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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