『軌道離脱』 ジョン・J・ナンス ハヤカワ文庫NV

2012-05-30

Tag :

☆☆☆

長年の夢が叶い、平凡な会社員キップ・ドーソンは宇宙旅行に出発した。だが、宇宙船が軌道に乗ってまもなく事故が発生、パイロットが死亡し、通信も断絶した。ただ一人生き残った彼は、地球に還るためにあらゆる方法を試みる一方、パソコンに自らの回想録を書き始める。が、それが知らぬ間に地球に届き、全世界が注目することに。世界各国が救出活動を始める中、孤独な闘いを続ける彼の運命は?感動の冒険サスペンス。 内容紹介より



先日、補給物資を積んだ民間宇宙船ドラゴンがISSとのドッキングを成功させたとのニュースが流れ、また、3年後には有人飛行も計画中だとか。なぜかブラッドベリの短篇集『スは宇宙(スペース)のス』、『ウは宇宙船のウ』を懐かしく思い出しました。そういえば「万華鏡」という作品もありました。
ということで、本書は民間宇宙船に乗って地球周回軌道を回る宇宙旅行に当選した44歳の薬品会社のセールスマンの話です。アクシデントが発生し、軌道上の宇宙船に一人取り残された彼が果して無事地球に帰還することができるのか?といってももちろん主人公は地球に戻ることができるのは当たり前ですけれど、こういうたぐいの作品は、それまでの経緯をいかに興味深く、スリリングでサスペンスフルに描き出せるかが作者の腕の見せ所になるわけで、本書の場合は主人公が回想記を綴るという新手法をとっているのとNASA長官と民間会社の確執が取り入れられています。その回想記が本人の知らぬ間に地球上のパソコンにダウンロードされて全世界の人に読まれ、かつ感動を呼ぶことになるのです。これが約300ページあたりなのですが、まあ、わたしはこの辺で正直飽きました。これは評価が分かれるのでしょうが、このセンチメンタリズムを前面に押し出した、いわゆる軽い感動の押し売りが少々あざとく、底が浅くて興味が冷めてしまいました。たしかに主人公をめぐるマスコミの狂騒振りを茶化したり、彼の発言について過剰に反応する宗教界を描いたりしてもいるのですけれど、全体的にアメリカン・エンタメシュガーがコーティングされてそれがべとべと甘いんですね。個人的にはアポロ13号についてのドキュメント本を読んでたほうがいいかも。
もう一回書いときますけど、人それぞれですから、はまる人ははまる作品です。




軌道離脱 (ハヤカワ文庫NV)軌道離脱 (ハヤカワ文庫NV)
(2007/01)
ジョン・J・ナンス

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

『汚れた守護天使』 リザ・コディ ハヤカワ文庫HM

2012-05-28

Tag :

☆☆☆☆

ちょっといいかい?あたしは顔も頭も良くない。だけど悪役女子プロレスラーとしてはうまくやってる。それなのにある夜、警察の手入れを受けたクラブから若い娘を救いだし、家に連れ帰ったときから不審な男たちに追い回されるようになってしまった。あの娘が原因らしいけど、だからって見捨てるなんてできない。あたしがカタをつけてやる!正義感と人情味溢れるヒロイン、エヴァの奮闘を描く英国推理作家協会賞受賞作 内容紹介より



女性を主人公にしたハードボイルドものなかではこれまでにない異色のヒロインでしょう。女子プロレスで悪役レスラーとして試合にでるけれど、それだけでは生計を立てられないので自動車解体工場の住み込み夜間警備員と街の大物の使い走りもやっています。子供時代はアルコール依存症で男関係にだらしない母親のせいで児童施設を出たり入ったりした経験があり、そんな母親に憤慨しながらも心の中ではかばったり、生き別れになった姉を慕うセンチメンタルな面と一時的な足として他人の車を無断拝借(しかも無免許で)して乗り捨てたり、混乱のどさくさにまぎれて財布を盗んだりするちゃっかりした一面もあります。こんな一筋縄ではいかない性格のヒロインが、とてもさっぱりとした憎めない魅力を放っています。
ストーリーは、一人の娘をトラブルから救い出したことでヒロインが二つの勢力から狙われるというもので、ミステリとしては単純な仕様で物足りないかもしれません。しかし、ヒロインと娘との友情や有名な女子プロレスラーとの試合の様子などが読者に話しかける文体(訳は堀内静子氏)で描かれ、ユーモラスでもありペーソスもあるこの作品は彼女のキャラクター自体を読ませる物語なのだろうなと思ったのでした。
また、もうひとつのシリーズのヒロインであるアンナ・リーを登場させたり、解体工場にいる二匹の番犬もそれぞれにキャラ分けしてあるのは芸が細かいです。

『見習い女探偵』リザ・コディ ハヤカワ文庫HM




汚れた守護天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫)汚れた守護天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1999/06)
リザ・コディ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『邪悪』 ステファニー・ピントフ ハヤカワ文庫HM

2012-05-26

Tag :

☆☆☆

1905年、ニューヨーク郊外で猟奇殺人が発生。被害者の女性は刃物で切り裂かれたうえ、鈍器でめった打ちにされており、現場は筆舌に尽くし難い惨状だった。捜査を開始した刑事ジールは、犯罪者の行動と心理を研究するシンクレア教授なる人物から連絡を受ける。事件前に今回の手口と酷似した妄想を語っていた男がいるというのだが……サイコ・サスペンスと歴史ミステリを見事に融合させた、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作 内容紹介より



リース・ボーエンの『口は災い』と同じく20世紀初頭のニューヨークを舞台にした歴史ミステリ。
交通機関は電車と辻馬車が混在し、個人所有の自動車が珍しがられていた様子が描かれ、また現代では考えられないような暴力を伴ったあからさまな選挙妨害、女性参政権や地位向上運動についての記述もあります。科学捜査については指紋や現場写真の重要性が認識され始めた時期のようです。ただし、そういう大まかな社会現象については触れているものの、庶民の暮らしぶりや社会風俗についての描写が乏しいのは物足りなさを感じました。歴史ミステリはそういうところがウリだと思うのですけれど、どうも作者は歴史ミステリの体裁に装い慣れていない印象を受けてしまいました。
主人公である刑事に犯罪学の大学教授が関わってきて捜査を行うのですが、この大学教授の研究は犯罪者を観察し、犯罪に駆り立てる原因を探り、犯罪予防や犯罪者の更生や矯正に役立てようというもの。犯罪者寄りの立場に立った考え方に納得がいかないものの、教授が事件の最重要容疑者のカウンセリングを行っていたこともあって、プロファイリングの面で行動を共にすることにした主人公なのですが……。この時代にそういう犯罪者についての研究が芽生えていた、というのが作品のひとつの目玉なのかもしれないけれど、こちらはその容疑者が真犯人ではないことは話の流れで予測がついてしまっているから、研究についての詳細をくどくど述べている場面がもたついている感じがしてしまうのでした。力の入れどころを間違えているみたいな気がする、いまいち残念な歴史ミステリでした。




邪悪 (ハヤカワ・ミステリ文庫)邪悪 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2011/01)
ステファニー・ピントフ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『王子を守る者』 レジナルド・ヒル ハヤカワ・ミステリ

2012-05-25

☆☆☆☆

夕暮れの浜辺で人間の舌が発見された。それも、持ち主の口から力ずくで引きちぎったものにちがいなかった……。サンダトン警察のマクハーグ警部は、町に不気味な動きがあるのを感じとっていた。酔っぱらったための事故として処理されたジャーナリストの焼死事件に引っかかるものがある。その上、浜辺で発見された舌は鑑識で犬のものと判定され、マクハーグは上司から捜査の打ち切りを命じられたのだ。やがて警部は、以前警固を担当していたアーサー王子の禁断の恋をめぐる国際的陰謀の渦中に。多彩な才能を持つ実力派が放つ冒険サスペンス篇 内容紹介より



フリーメイスンの組織を悪用した謀略、王族のアーサー王子、彼のアメリカ人の恋人であるアイルランド系の名家出身(!)の女性*、大統領候補である彼女の兄、ポケミスで約290ページの作品でありながら、地方で起きた一事件が扉を開いたようにスケールの大きな事件へと結びつく構成力、また物語の骨組みが揺るぎなく、人間関係が縦横に編み込まれ、中身が密に詰まっている印象を受けました。それとともに、やや窮屈な気もしましたが。
主人公はアーサー王子の護衛係の経歴を持ち、現在は郊外の警察署に勤務しています。主人公が独自に事件の捜査を進めると目撃者や証人が不審な死を遂げ、身の回りの人間すべてが怪しく、親しい者も信用できないという状況のなか彼の身にも危険が迫ります。最初は警察小説のようですが、その後、彼は警察組織から離れ、まるでA・J・クィネルのクリーシーばりの一匹狼として単独で敵を追い始めます。
全体的に英国の伝統的な冒険小説らしさを感じました。

*作者がモデルにしたかもしれないケネディ一家のなかに、英国貴族と結婚したキャスリーン・ケネディという人物がいます。

『四月の屍衣』レジナルド・ヒル ハヤカワ文庫
『骨と沈黙』レジナルド・ヒル ハヤカワ・ミステリ
『最低の犯罪 英米短編ミステリー名人選集8』レジナルド・ヒル 光文社文庫
『秘められた感情』レジナルド・ヒル ハヤカワ文庫HM




王子を守る者 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1455)王子を守る者 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1455)
(1985/09)
レジナルド・ヒル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『名探偵モンク モンクと警官ストライキ』 リー・ゴールドバーグ ソフトバンク文庫

2012-05-23

Tag :

☆☆☆☆

モンクにとって、刑事に復職するチャンスがめぐってきた。待遇改善を求め、サンフランシスコ中の警官が「病気」になり、困りはてた市長が絞殺事件の捜査をモンクに依頼してきたのだ。が、部下についた元刑事たちは一癖ある者ばかり。そんななか、次々と殺人が……孤立無援のなか、モンクが殺人犯と無秩序な警察と闘うシリーズ第2弾 内容紹介より



テレビドラマ『名探偵モンク』の脚本家によるノベライズだそうです。ノベライズ本というと何か薄っぺらいような偏見をもっているので、なかなか手を出しにくいのですが、本書は非常に個性的な登場人物としっかりとしたプロットを備えた内容になっていると思いました。いわゆるユーモアミステリのジャンルの主人公にこれほどのインパクトを受けたのは、ロバート・L・フィッシュの“シュロック・ホームズ”以来かもしれません。しかし、シュロック・ホームズが「迷探偵」だとすれば、モンクはシャーロック・ホームズの系譜を引く頭脳明晰な「名探偵」なのです。ただし、強迫神経症でさえなければ。心ならずも握手した際には必ずウェットティッシュで手を拭い、物事はきっちり整理整頓されていないと気が済まない、ピザを切り分けるときには角度を測り、上に載る具も均等の数でないといけない。さもないと彼の感情と思考力が混乱をきたすのです。さらに、モンクのもとに集まった元刑事たちもかなりエキセントリックなキャラクターの持ち主で、年のせいで物忘れが酷かったり、宇宙人と彼らに加担する組織に監視されていると思い込んでいたり、ダーティ・ハリーもどきに銃や腕力で解決しようとしたり。そんな彼らにそれぞれ付き添う孫や精神分析医、カウンセラーたちもちょっと変わった人物たちです。ただし、こういう登場人物を配しながらもドタバタコメディ一辺倒ではなく、ミステリにもきちんと捻りが設けられ、そしてまた、心に癒えぬ傷を負っているモンクと助手ナタリーとその娘との心の触れ合いがしんみりと描かれていたりもしています。




名探偵モンク モンクと警官ストライキ (ソフトバンク文庫NV)名探偵モンク モンクと警官ストライキ (ソフトバンク文庫NV)
(2008/03/17)
リー・ゴールドバーグ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『脱出山脈』 トマス・W・ヤング ハヤカワ文庫NV

2012-05-21

Tag :

☆☆☆☆

戦火の地アフガニスタン上空、捕虜護送任務にあたる米軍輸送機が撃墜された。不時着したのは反政府軍支配下の高山地帯。百年に一度のブリザードが荒れ狂い、救出は望めない。高位聖職者である捕虜を奪回すべく敵が迫るなか、機長は航空士のパースンに徒歩による脱出を命じた。それは高齢の捕虜と通訳の女性軍曹のみが同行する決死の単独行だった……強力な敵と過酷な大自然に立ち向かうサバイバル戦を描く迫真の冒険小説 内容紹介より



一番にものたりなさを感じたのは自然描写です。百年に一度の規模のブリザードというわりには、そのスケールも迫力も伝わってこない。こういう猛威を振るう過酷な自然を舞台にした冒険小説において真価が問われるのは自然描写であり、その大自然が第二の主役くらいの存在感を示さないと、いくらアクション場面が優れていたとしても作品自体は気の抜けたものになりがちです。ここでアリステア・マクリーンの名前を持ち出すのは野暮かもしれませんが、マクリーンならば読んでいて手足がかじかんでくるくらいの圧倒的で臨場感のある描き方をしたでしょう。
それから人物造形が主人公以外は平板です。特に女性軍曹はアンドロイドかロボットみたいに感情の起伏に乏しく魅力に欠けます。対して、主人公は輸送機の航空士であるために地上戦においてはまったくの素人同然ですが、故郷での狩猟やサバイバルの経験が豊富な人物というキャラクター付けをしてあるため、銃の取り扱いや雪山での行動に慣れていても不自然な感じがしません。また、軍曹から捕虜への扱いや敵への考え方をたしなめられたり諭されたりする場面があり、主人公の未熟な部分を描くことで彼の人間臭さを表す効果を上げていると思いました。
それから当初の追われる側から、後半は追う側に立場が変化する構成は目先が変わって面白い趣向でした。




脱出山脈 (ハヤカワ文庫NV)脱出山脈 (ハヤカワ文庫NV)
(2011/01/07)
トマス・W・ヤング

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『眺めのいいヘマ』 ジル・チャーチル 創元推理文庫

2012-05-20

☆☆☆

クリスマスに催したクッキー交換パーティに感心したという新婦の願いで、結婚式のプランニングをすることになったジェーン。親友のシェリイも引きずり込んで、会場の狩猟小屋に行くと、そこには物的・人的トラブルが山盛りで待ち構えていた。そしてついには、準備に集まった関係者から死人が出てしまう!主婦探偵が結婚式の裏方と同時進行で事件を調査する、シリーズ11弾。 内容紹介より



シリーズ10作目の『カオスの商人』の感想では、故・浅羽莢子氏訳とくらべて新谷寿美香氏訳になんら違和感がなかったと書いていたのですが、それが本書では結構な違和感があって、なにかヒロインとその女友達との会話のやりとりがはすっぱというか少々乱暴な感じがました。浅羽訳もいまどきの主婦の会話でしたけれど、新谷訳はもっとくだけ過ぎているような気がしました。前回は気にならなかったのだから、これは訳者が意図的しているのでしょうけれど……。
それからシリーズ9作目の『飛ぶのがフライ』と同様、今回は彼女のキャラを周囲から引き立てる子供たちや姑、ペットたちから離れてしまった状況なので、主婦としての存在感を発揮するまでには至りませんでしたが、子育てや家事から離れた分、舞台設定がすっきりしてミステリに集中できているように思いました。ウェディングプランナーとして抱え込むトラブルもそれほど手に負えないものではなかったので、そのせいでストーリーが停滞することもありませんでした。
人里離れた屋敷、宿泊客、嵐、停電、隠された宝、こういった本格推理小説のお約束的な要素を盛り込んでおり、いつものコージーとは違う雰囲気を出していると思います。

『飛ぶのがフライ』ジル・チャーチル 創元推理文庫
『カオスの商人』ジル・チャーチル 創元推理文庫




眺めのいいヘマ (創元推理文庫)眺めのいいヘマ (創元推理文庫)
(2011/03/11)
ジル・チャーチル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『はいつくばって慈悲を乞え』 ロジャー・スミス ハヤカワ文庫HM

2012-05-19

Tag :

☆☆☆☆

元モデルの美女ロクシーは夫を射殺した。すべてを強盗の仕業に見せかけようとするが、真相に勘づいたギャングにゆすられる羽目に陥る。偶然そこに現れた傭兵ビリーは、遺産の一部とひきかえにロクシーの護衛を買ってでる。しかし事件の周辺をかぎまわる野心的な刑事や、残虐な脱獄囚の思惑がからんだ末、地元のギャング団をまきこんだ壮絶な闘いがはじまる ― 息をのむ圧倒的な疾走感、クライム・スリラーの傑作誕生! 内容紹介より



関口苑生氏が解説で暴力についてのペレケーノスの言葉を引用しています。たしかにペレケーノスはワシントンDCを舞台にギャング、ドラッグ汚染、社会格差を作品に取り上げています。しかし、彼の場合は諸々の社会問題の元となっているものは貧困であるという姿勢をとっており、たとえ極悪人であれどばっさり切り捨てるような扱い方はしていません。また、そういう状況を改善しようとする一般人を登場させて将来への展望を読者に抱かせる設定をとっています。一方、本書で描かれているようにケープタウンはワシントンDCと比べて治安も生活環境もさらに酷い都市なのでしょうし、そこに暮らす住民たちも日常容赦なく暴力の被害に晒されているのも事実なのでしょう。作者はケープタウンの抱える悪や暴力をシンボライズして、女子供でさえ無慈悲に殺すパイパーという登場人物を造り上げたのでしょうが、この男をただの怪物にしてしまっているため、彼の行状には不快感しか残らないのです。これは彼の愛人である小悪党のディスコの造形と比較してみてもかなり悪い意味で際立っていると思います。それから作者は何の落ち度もない人物を無節操に殺しすぎ、それがケープタウンの現実に即したあつかいかもしれないし、あえてセンチメンタルを排しているのかもしれませんが、そこにはクールなものもドライな感じもなく、あるのはただただ不毛なイメージのみでした。ノワールでもクライムでも残虐でもまったくかまわないけれど、読後に正負どちらも胸に迫るものがないというのは問題かも。作者の街への思い入れも感じられなかった。




はいつくばって慈悲を乞え (ハヤカワ・ミステリ文庫)はいつくばって慈悲を乞え (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2011/03)
ロジャー・スミス

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『ランゴリアーズ』 スティーヴン・キング 文春文庫

2012-05-17

☆☆☆☆

真夜中のジャンボ機 ― 眠りから覚めた者たちを驚愕が襲う。たった11人を残し、他の乗客がみな消えているのだ。しかも眼下にあるはずの街まで……想像を絶する危機と戦う男女を描く表題作。盗作疑惑に追いつめられる作家の物語「秘密の窓、秘密の庭」。中篇集と称しながら、実は長篇二本分の分量の作品を収録した贅沢な一冊。 内容紹介より



キング初心者が読むキング作品の何作品目かです。彼の作品もSF作品もたいして読んでいないという予防線を張って感想を書きます。

「ランゴリアーズ」
「過去」というのは個人の記憶に残っているかぎりは幾度でも再生できるものですけれど、それが世間や世界という大きなレベルの過去になると、それはいったいどうなるのか?キングの考えの一端が伺えるのが、この「ランゴリアーズ」なのでしょうか。時間をテーマにしたSFはそれこそたくさんありますが、この作品のような捉え方をしたものを読んだのは初めてでした。嗅覚や味覚などの五感が個人の記憶に強烈な印象を残したとしても、それは時間が経過するにつれ褪せてくるものですが、この物語でも飲み物や食べ物の匂いや味が消えてしまっているという場面が描かれ、そんなアイテムのさりげない使い方が印象に残りました。登場人物のひとりが子供時代から恐れていた怪物“ランゴリアーズ”と過去をむさぼり喰らう“もの”を上手くリンクさせているにもかかわらず、肝心の“もの”の造形が少々迫力不足だったような気がしました。それは映像化されていたものを観ていた時点で承知をしてはいましたけれど……。 

「秘密の窓、秘密の庭」
主人公の作品を盗作だと非難する男は、現実に存在するのか、あるいは主人公の妄想が作り出した幻影なのか、というさして斬新でもないサイコパス様なアイデアでプロットが構築されています。ただし、ミステリ作品として考えてみたら、彼の遺産を狙った元妻の愛人による計画犯罪ともとれるというレッドへリングも用意してはあります。それを終盤までひっぱればスリリングだったでしょうが、後半部分でさっぱりなくなってしまいました。 

「過去」をテーマに、前者は過去をむさぼるものが襲ってくる話、後者は過去に追い付かれ、捕らえられた者の話ではないかと思いました。

タグ:スティーヴン・キング




ランゴリアーズ (文春文庫―Four past midnight)ランゴリアーズ (文春文庫―Four past midnight)
(1999/07)
スティーヴン・キング

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テーマ : ホラー小説
ジャンル : 本・雑誌

『ステルス艦カニンガム出撃』 ジェイムズ・H・コッブ 文春文庫

2012-05-15

Tag :

☆☆☆

2006年、南極。アルゼンチン軍が英南極基地を急襲、占拠した。近辺にあった唯一の軍艦、最新鋭ステルスか駆逐艦〈カニンガム〉が急行する。援軍は見込めない。〈カニンガム〉はアルゼンチン軍の猛攻に、ハイテクと機略と胆力を武器にたった一隻で戦いを挑む。苛烈な南極の自然の中、迫真のディテールで描く新たなる軍事冒険小説。 内容紹介より



作品が発表されたのは1996年なので、2006年に時代設定した本書は近未来軍事スリラーの形をとっています。しかし、現在2012年ということを割り引いても、軍隊の装備や武器に詳しくないから読んでいても近未来感がしませんでした。それはともかく、わたしのような素人でも現代の軍事スリラーの流行言葉は「ステルス」であり、それとともに様々な最先端科学技術がストーリーの全面に出てくる傾向があって、また、それを操るのはコンピューターに大部分を依存していることが分かります。本書においてもアルゼンチン軍の戦闘機との戦闘が始まると、武器のほとんどすべてがコンピューター制御され、戦闘指揮所にいる軍人の多くは手持ち無沙汰状態になっていると言ってもいいくらいです。この傾向は、本書の作者のような軍事関係者または元軍人などハイテク装備に精通している者にとっては軍事ミステリーを執筆する上で有利に働くでしょうし、リアリティのある描写が可能でしょう。一方、ハイテク装備した軍艦が登場する作品がみな似たような印象しか残せないのは、そこに人間ドラマが希薄だからでしょう。概ね軍事関係者や軍事評論家などの作品には、これが欠ける傾向にあると思います。本書では艦長と部下の恋愛を描くという、個人的には暴挙としか思えないような、軍事スリラーにはあり得ないことをしていて、こういう物語を緩くぬるくする人間ドラマは要らないのです。




ステルス艦カニンガム出撃 (文春文庫)ステルス艦カニンガム出撃 (文春文庫)
(1999/11)
ジェイムズ・H. コッブ

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

『病院が嫌いな猫』 リタ・メイ・ブラウン スニーキー・バイ・ブラウン ハヤカワ文庫HM

2012-05-13

☆☆☆

事件が起きたのは、クロゼット病院の古いボイラー室。病院の設備管理主任のハンクが首を切り裂かれた死体で発見されたのだ。現場の状況から考えて、行きずりの凶行ではないと思われるが、ではその動機は?保安官たちの捜査をよそに、好奇心を抑え切れなくなったハリーは、いつものように独自の捜査に乗り出してしまう。そんな彼女を心配して、トラ猫ミス・マーフィが率いる動物探偵団も、事件捜査へと立ち上がった! 内容紹介より



〈トラ猫ミセス・マーフィ〉シリーズ九作目。
一応、コージー・ミステリなのに三人も人が殺されるのは殺伐過ぎやしないかと、なかには動機について説明不足でストーリー上必然性を感じない殺人もあったような気がするし、また、ヒロインののんびりした農場暮らしの様子を描いている部分が好みなのですが、今回はのどかな雰囲気があまり感じられなくて残念でした。たかがコージー、されどコージー、ミステリ作品なわけですから、そもそも犯人が犯罪に手を染めるようになった過程を伏線として描かず、結果のみをポンと提示されても面白くなりようがないと思うのですけど、こういった手抜きの傾向は他のコージーにもしばしば見られるところで、さりとて登場人物の魅力に頼ろうにも九作目にもなると人物のキャラクターもマンネリ気味な造形に終始しているし、ここら辺りがシリーズの転換期ではないでしょうか。ただ、未訳の作品があと十作ほどあるそうです。それから、伝統というものにたいしてコンプレックスを持ってそうなアメリカ人読者向けに、キツネ狩り(ただし、殺すのではなく追跡するだけ)というイベントの様子を挿入していますが、このキツネとヒロインのペットたちが絡む場面は用意されていなくて、なにかもったいない感じでした。

『町でいちばん賢い猫』
『散歩をこよなく愛する猫』
『アルバムをひらく猫』




病院が嫌いな猫〔トラ猫ミセス・マーフィ〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)病院が嫌いな猫〔トラ猫ミセス・マーフィ〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2011/04/08)
リタ・メイ・ブラウン、スニーキー・パイ・ブラウン 他

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『モース警部、最大の事件』 コリン・デクスター ハヤカワ・ミステリ

2012-05-10

Tag : 短編集

☆☆☆☆

モース主任警部にとって、偽善に満ちたクリスマスほどうっとうしい時期はなかった。おまけに、こんな夜更けにケチな盗難事件の捜査に駆りだされることになろうとは……。現場はロンドンの場末の安酒場だった。児童施設に寄付するために店の主人が集めた四百ポンドの金が、忽然と消えたという。事件当夜、店にいたのは金回りが悪い常連客ばかりで、犯行のチャンスは誰にでもあった。モース主任警部はうんざりした面持ちで客の証言に耳を傾けていたが、やがて晴れやかな微笑を浮かべると、意外な話を切り出した!『クリスマス・キャロル』を下敷きとした洒落たクリスマス・ストーリーの表題作ほか、ホームズもののパスティーシュ「花婿は消えた?」、仕掛けを凝らしたメタミステリ「内幕の物語」など、短篇の愉しさを堪能できる十篇を収録。本格ミステリの第一人者が贈る、ヴァラエティに富んだ傑作短篇集。 内容紹介より



「モース警部、最大の事件」「エヴァンズ、初級ドイツ語を試みる」「ドードーは死んだ」「世間の奴らは騙されやすい」「近所の見張り」「花婿は消えた?」「内幕の物語」「モンティの拳銃」「偽者」「最後の電話」を収録。文庫版には、さらに「信頼できる警察」が収録されているようです。

あくまでも個人の想像ですけれど、コリン・デクスターの作品、それもわざわざ短篇集を読んでみようかと手にとる人の多くは、海外ミステリを読みなれていて、かつ、この作者の作風に親しんでいる人だと思うのです。そういう方たちはデクスターの長篇作品の印象が強過ぎるために、これらの短篇の評価についてはやや厳しくなる傾向があるのではないかと思ったりしました。
一方、短篇ながら読者の想像を超える二三重のひねりが設定され、とても分かりやすいストーリーで、ユーモラスで嫌な後味が残らないところは、逆に、国内海外ミステリ問わずミステリ初心者には格好の入門書になるかもしれないし、海外ミステリのファンを増やすきっかけになる作品集かもしれません。

無縁だと思われたクリスマススピリットがモース警部の心に舞い降りた「モース警部、最大の事件」、青春時代のはかなく切ない恋の想い出が、モース警部の調査によって結果的にグロテスクで残酷な笑いに変えられてしまった「ドードーは死んだ」、この作者特有のひねりのくどさが堪能できる「エヴァンズ、初級ドイツ語を試みる」と「世間の奴らは騙されやすい」、常日頃馬鹿にされまくりのワトスンからの痛快な仕返しであるホームズパスティーシュの「花婿は消えた?」、たぶん珍しいメタミステリの短篇作品、しかも構成がすっきりしているうえに引き込ませるテクニックに長けた「内幕の物語」、少々狙い過ぎた印象の「モンティの拳銃」と「偽者」、人間性の裏側を嫌らしく描いた「最後の電話」。




モース警部、最大の事件 (ハヤカワ ポケット ミステリ)モース警部、最大の事件 (ハヤカワ ポケット ミステリ)
(1995/02)
コリン・デクスター

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『警察長官と砂漠の掠奪者』 マイクル・ピアス ハヤカワ・ミステリ

2012-05-06

Tag :

☆☆

イギリス人でありながら、マムール・ザプトと呼ばれるエジプト副王直属の秘密警察長官の職にあるオーウェン大尉は、カイロでその名を知らぬ者がないほどの名捜査官。その彼が命じられたのは、なんとアメリカからやってきた考古学者ミス・スキナーのお相手をすることだった。なんでも、彼女の叔父は次期大統領と目される大物政治家だという。スキナー嬢たっての願いで、オーウェン大尉はしぶしぶ盗掘事件の調査に同行することを承知した。その矢先、何者かの仕業で彼女が危うく電車に轢かれそうになり、さらに数日後、彼女が赴いた先の発掘現場で足場が崩れると言う事故が起きた。犯人探しに乗り出したオーウェン大尉は、やがて大がかりな盗掘組織と対決することに……。二十世紀初頭のエジプトを舞台に、警察長官と気丈なおてんば娘の活躍を描く、異国情緒たっぷりの痛快時代ミステリ。英国推理作家協会賞ユーモア賞受賞作。 内容紹介より



英国によるエジプトの植民地化や大地主による地方支配などへの反発から、民族主義的思想が台頭し始め、それは盗掘され違法に売買されたり、外国人によって発掘され海外へ持ち出されている古代エジプトの遺物に対しても同じような主張で保護しようとする考えを持つ人たちも現れている状況の中、遺跡や遺物の保護についてリベラルな考えの持ち主である米国人女性ミス・スキナーが登場するのです。そして、彼女の身に危険が及ぶ事態になって、主人公のオーウェン大尉が捜査し始めるという話です。
堀内静子氏があとがきで書かれているように、ユーモア賞受賞作品といっても、あくまでも英国風ユーモアであって、ドタバタ系でもないし、大笑いするようなギャグ満載でもない、抑制された笑いです。個人的にはユーモア以前に話の強弱が乏しく、平板で面白いとは思えませんでした。国家権力側のオーウェンより、一民間人のミス・スキナーを主人公にしたほうが良かったかも。それとエジプトらしい独自のスパイスが欲しかったところ。
たぶん今も同じであろう遺跡や遺物をめぐる状況、格差や貧困といった問題を抱える現代エジプトに興味を持つきっかけに、あるいは異国情緒を味わうため、エジプト旅行を予定している方には良い読み物かもしれません。




警察長官と砂漠の掠奪者 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)警察長官と砂漠の掠奪者 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(1995/03)
マイクル ピアス

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『案外まともな犯罪』 ジョイス・ポーター ハヤカワ・ミステリ

2012-05-03

Tag :

☆☆☆

町の鼻つまみ者ホン・コンおばさんが新設したコニー相談所に大方の予想に反し、一人の客が訪れた。その婦人は、警察が自殺とした息子の死が、他殺であることを証明してほしいと依頼したのだ。息子を天国に、という切なる親心にほだされたホン・コンはさっそく警察に赴き、部長を恐喝して調査記録をせしめた。だが、なんと少年は天国どころか、教会冒瀆、銀行強盗など前科数犯のとんでもない悪だった。加えて、歴然たる自殺の証拠。だが、けっしてひるむことのないホン・コンは、傍若無人な探偵術を展開。ついに意外な事実をつかんだのだ! 内容紹介より



シリーズタイトルは〈ホン・コンおばさんシリーズ〉です。
貴族の血を引くプライドの高いお金持ちながら、ケチで口が悪く出しゃばりなため周りからひんしゅくを買っているおばちゃんが主人公です。この人物が非常に強烈なキャラクターの持ち主で、「貴族階級は下層階級の面倒をみなければならない」という要らぬ使命感を持っているため余計にたちが悪く、上から目線でずけずけものを言う様子が読んでいてとても壮快でした。このドン・キホーテの女性版みたいなご主人に付き従うのが、至って常識人で気の弱い使用人のミス・ジョーンズで、二人のやり取りも面白可笑しいです。巻末のあとがき(あるいは、解説)で、ヒロインは「ミス・マープル自身のアンチ・テーゼ」という上手い指摘をしていますが、または、セイヤーズのピーター・ウィムジー卿と執事バンターのパロディとも言えるかもしれません。意外だったのは、スラップスティックな雰囲気で物語が進展しながら、犯人と動機についてはいたってまともなミステリ的帰結を迎えたことでした。これが良かったのか悪かったのか、小さくまとまった感も否めません。それと、町のチンピラたちは少々目障りでした。




案外まともな犯罪―ホン・コンおばさんシリーズ (Hayakawa pocket mystery books)案外まともな犯罪―ホン・コンおばさんシリーズ (Hayakawa pocket mystery books)
(1972/01)
ジョイス・ポーター

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『タンゴステップ』 ヘニング・マンケル 創元推理文庫

2012-05-01

☆☆☆☆

男は54年間、眠れぬ夜を過ごしてきた。森の中の一軒家、人形をパートナーにタンゴを踊る。だが、その夜明け、ついに影が彼をとらえた……。ステファン・リンドマン37歳、警察官。舌がんの宣告に動揺する彼が目にしたのは、新米のころ指導を受けた先輩が、無惨に殺されたという記事だった。CWA賞受賞作『目くらましの道』に続く、スウェーデン推理小説の記念碑的作品ついに登場。 上巻内容紹介より



物語をナチス・ドイツで起きたある殺人事件の単なる復讐譚に留めず、それを現代のネオナチズムにリンクさせているところに、社会問題を作品のテーマに取り入れる作者の真骨頂が窺えます。実際に、移民排斥や反イスラムの主張を掲げた犯人によるノルウェーの銃乱射事件が起きているわけですから、内容にとてもリアリティを感じました。
主人公は舌ガンを患い、本格的な治療が数日後に控えているため、また、死への恐怖心から恋人との仲も危うくなりつつあるせいで、作品の雰囲気は終始暗く、ジョセッペ・ラーソンという警察官が唯一、暗に対する明の存在に設定してありますが、明暗のバランスがとれているとは言い難い感じでした。このジョセッペについては、主人公が管轄外の警官であるにも関わらず、排他的な態度を取ることなく、のっけから積極的に捜査に拘わらせるというところに、不自然さと都合の良さが垣間見えるような気がしました。ストーリーの流れは、中盤にもたもたした停滞感があって間延びしている印象を受けました。それから、主人公が二度犯人に襲われて、いずれも意識を失ってしまう場面がありますが、この重複は、主人公のイメージをかなり間抜けなものにしてしまうのではないかと。いろいろ細かいことを書きましたが、ヘニング・マンケルらしい安定感のある秀作です。

タグ:ヘニング・マンケル




タンゴステップ〈上〉 (創元推理文庫)タンゴステップ〈上〉 (創元推理文庫)
(2008/05/23)
ヘニング・マンケル

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タンゴステップ〈下〉 (創元推理文庫)タンゴステップ〈下〉 (創元推理文庫)
(2008/05/23)
ヘニング・マンケル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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