FC2ブログ

『ハッカー/13の事件』 J・ダン&G・ドゾワ 編 扶桑社ミステリー

2012-12-15

☆☆☆☆

ハッカー ― コンピューターをはじめ、ありとあらゆる情報システムに侵入して改変をおこなうアウトローたち。だがかれらの行動は、単なる犯罪行為ばかりではない。それは、テクノロジーの新たな地平を目指す挑戦であり、自由をもとめる精神の戦いでもあるのだ……1980年代以降のカルチャー・シーンを大きく変貌させた、ウィリアム・ギブスンの歴史的名作を筆頭に、ポスト・サイバーパンク世代の新たな成果まで、名編集者コンビが厳選した最強のハッカー小説、全13編!新世紀のヴィジョンがここにある。〈解説・山岸真〉 内容紹介より



収録作品、「クローム襲撃」ウィリアム・ギブスン 「夜のスピリット」トム・マドックス 「血をわけた姉妹」グレッグ・イーガン 「ロック・オン」パット・ギャディガン 「免罪師の物語」ロバート・シルヴァーバーグ 「死ぬ権利」アレクサンダー・ジャブロコフ 「ドッグファイト」マイクル・スワンウィック&ウィリアム・ギブスン 「われらが神経チェルノブイリ」ブルース・スターリング 「マシン・セックス[序論]」キャンダス・ジェイン・ドーシイ 「マイクルとの対話」ダニエル・マーカス 「遺伝子戦争」ポール・J・マコーリイ 「スピュー」ニール・スティーヴンスン 「タンジェント」グレッグ・ベア

邦題からミステリ系の作品が多いのかなと思っていたら、ほとんどすべてSF作品でした。そのジャンルに非常に疎いわたしでも知っている大御所の作品が収録されていて興味深く読めました。

犯罪組織のコンピューターをハッキングして大金をかすめ取るハッカーと現代でいうところのネットアイドルになりたがっている娘を描いた「クローム襲撃」。
大手多国籍企業を辞め、独自に研究を始めるための資本提供先を探している研究者に、仲介役として接触していた夫婦。交渉中に何者かに襲われ、妻と研究者が誘拐されてしまう。多国籍企業の陰謀だと考えた夫は、旧知の凄腕のハッカーの元へ赴く。よくあるパターンの話の落とし方だった「夜のスピリット」。
先日読んだデイヴィッド・ベニオフの短編みたいに盲検法が話の鍵になっている、難病に罹った双子の姉妹についての物語「血をわけた姉妹」。

ロック(音楽)とSFまたはセックスとSFの組み合せは、作品として表現するには個人的に非常に相性が悪いと思うので、「ロック・オン」と「マシン・セックス[序論]」は読み辛く、その世界に入りにくかったです。それに比べて、異星人に支配された地球で、人間の身体に埋め込まれた生体コンピューターをハッキングする「免罪師の物語」はとても読みやすかったです。

自分にアルツハイマーの症状が現れ始めてきたことを知った男は、人工知能を持つコンピューターに、過去から現在までの自らについてあらゆることを語りかける「死ぬ権利」。
「ドッグファイト」は、複葉機を駆り、敵機を撃ち落とすバーチャル・ゲームに嵌り、手段を選ばず名人に挑む青年の話。勝負に勝った時、彼が得たものとは。
麻薬をつくる遺伝機構を直接人間のゲノムにつけるウェットウェアを発明した男とその転写酵素誘導体が犬をはじめとして他の動物に伝えられた後の顛末をコミカルに描いた「われらが神経チェルノブイリ」。
「マイクルとの対話」は、白血病によって息子を亡くした母親が、“ヴァーチャル・セッションルーム”で息子と対話し、心理治療を受ける話。
八歳の誕生日にプレゼントされたバイオキットで、アメーバをレトロウィルスによって形質転換させた少年が、遺伝子操作、遺伝子接合、体細胞形質転換を経て、自らをゲノム操作し直接光合成システムが開発されるまでになった世界に行き着くまでにたどった道をエピソード形式で描いた「遺伝子戦争」。
「スピュー」は、バーチャル空間でネット監視の仕事をする男の話か?よく理解できなかったのです。
「タンジェント」は、不思議な能力を持った少年が四次元の世界とそこの住人と接触する話。ブラッドベリの短編「もののかたち」を思い出しました。




ハッカー/13の事件 (扶桑社ミステリー)ハッカー/13の事件 (扶桑社ミステリー)
(2000/11)
J・ダン&G・ドゾワ編 ウィリアム・ギブスン 他

商品詳細を見る

テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

てんちゃん1号

  • Author:てんちゃん1号
  • 海外ミステリなどの感想を誤字脱字、表現・文法間違いを交え、思い込みと偏見を持って書いています。そんな素晴らしいブログなのでリンクとか何でもフリーです。異次元、霊界、他惑星からもお気軽にどうぞ。

カテゴリー

最近の記事

月別アーカイブ

09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07 

ユーザータグ

短編集 ホラー SF アンソロジー クリスマス・ストーリー ルース・レンデル アーロン・エルキンズ スティーヴン・キング キャロリン・G・ハート デイヴィッド・ハンドラー ドン・ウィンズロウ ジョアン・フルーク ローラ・チャイルズ C・J・ボックス ジョージ・P・ペレケーノス マイクル・クライトン ジョー・R・ランズデール ポーラ・ゴズリング レジナルド・ヒル ヘニング・マンケル エド・マクベイン ジル・チャーチル ジェイムズ・パタースン ローレンス・ブロック ジェームズ・パターソン リチャード・マシスン S・J・ローザン カール・ハイアセン ジャネット・イヴァノヴィッチ リリアン・J・ブラウン D・M・ディヴァイン スチュアート・ウッズ パーネル・ホール ピーター・ラヴゼイ ジェフリー・ディーヴァー ローラ・リップマン アリス・キンバリー ジョルジュ・シムノン レックス・スタウト ジョー・ゴアズ ウィリアム・カッツ マーガレット・ミラー レスリー・メイヤー ジャック・カーリイ クレオ・コイル ヒラリー・ウォー アイザック・アシモフ カーター・ディクスン ジョン・ディクスン・カー マーシャ・マラー エド・ゴーマン コリン・ホルト・ソーヤー ルイーズ・ペニー マイケル・ボンド ジェフ・アボット イーヴリン・スミス ジェームズ・ヤッフェ フレッド・ヴァルガス ウィリアム・L・デアンドリア ロブ・ライアン リタ・メイ・ブラウン キャロリン・キーン G・M・フォード ポール・ドハティー ジャン=クリストフ・グランジェ リン・S・ハイタワー ダナ・レオン ドナ・アンドリューズ ウイリアム・P・マッギヴァーン サイモン・カーニック スタンリイ・エリン クリスチアナ・ブランド アン・クリーヴス アンソニー・ホロヴィッツ ジョアン・ハリス ケイト・ロス アンドレア・カミッレーリ ジョン・クリード レニー・エアース デイヴィッド・マレル コニス・リトル オーサ・ラーソン ファーン・マイケルズ レイ・ハリスン エヴァン・マーシャル ウィリアム・ランデイ ジャック・フィニイ ウォルター・モズリイ ビリー・レッツ サキ ジェーン・ラングトン ユージン・イジー イーサン・ブラック リック・ボイヤー エーリヒ・ケストナー ウォルター・サタスウェイト トバイアス・ウルフ ポール・ドハティ スタンリー・エリン 

ブログ内検索

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

リンク

RSSフィード

最近のトラックバック

最近のコメント