『フランクを始末するには』 アントニー・マン 創元推理文庫

2013-07-31

Tag : 短編集

☆☆☆

フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され……。二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など多彩な12作。奇想とユーモアあふれる傑作短篇集です。 内容紹介より



「マイロとおれ」「緑」「エディプス・コンプレックスの変種」「豚」「買いもの」「エスター・ゴードン・フラムリンガム」「万事順調(いまのとことは)」「フランクを始末するには」「契約」「ビリーとカッターとキャデラック」「プレストンの戦法」「凶弾に倒れて」

「優秀な刑事というのは、事件をつねに純真な目で見る」という理由から、刑事が犯罪現場や聴き込みに赤ん坊を帯同して捜査を行う「天真爛漫」計画が始まり、その一環として赤ん坊マイロとコンビを組まされた刑事の話。発想の突飛さは評価するけれど、それで話が面白くなっているかといったらそうでもない「マイロとおれ」。
“タンポポ”がでてくるからというわけじゃないけれど、なにかレイ・ブラッドベリの作品を思わせる「緑」は、地域共同体から個人にかけられる無言の圧力や強制、おせっかいを“芝刈り”に見立てて描いた良品。
ゲームの腕前をあげるには父親を憎むことという理論を実践した「エディプス・コンプレックスの変種」と、究極の勝利法を見出した男の末路を描いた「プレストンの戦法」は、共にチェスを題材にした作品。
不幸な生い立ちの青年を自宅に住まわせる、ペットに豚を飼う金持ち夫婦の目論見は……「豚」。21日分、日々の買いものリストのみで構成された、ミニマリズムが極まった、なかなか面白い「買いもの」。
「エスター・ゴードン・フラムリンガム」は、著名なミステリ・シリーズの代作者の候補者となった売れない作家の話。まあ、普通。
復讐譚の「万事順調(いまのとことは)」と「凶弾に倒れて」は、エンディング部分の処理が通常より深めに刈り込んであり、剪定の妙が感じられました。
マスメディア業界のエンターテインメントへの暴走ぶりをブラックかつコミカルに描いた「フランクを始末するには」と、事件の被害者家族でさえ進んで大衆娯楽の下僕となっていく様子を描いた「契約」。
ロアルド・ダールのあの名作を思い出させる、車と時計を賭けた「ビリーとカッターとキャデラック」。

「奇想とユーモア」といえば、かつて早川書房より「異色作家短篇集」シリーズが出ていましたが、それに比べるとえぐ味とか渋味が足りず、受賞作の「フランクを始末するには」にしてもテーマは陳腐だし、インパクトに欠ける印象でした。ただ、収録作品はバラエティに富んでいると思います。




フランクを始末するには (創元推理文庫)フランクを始末するには (創元推理文庫)
(2012/04/27)
アントニー・マン

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『ドライビング・レッスン』 エド・マクベイン ヴィレッジブックス

2013-07-28

☆☆☆

うららかな秋の午後、のどかな田舎町で悲劇が起こった。16歳のレベッカが、運転免許を取るための路上教習中に女性を轢いてしまったのだ。同乗していた教官はなにも飲んでいないはずなのに意識混濁状態、しかも被害者は教官の妻だった!不幸な偶然が重なった事故だったのか、故意の殺人か、それとも他殺に見せかけた自殺だったのか……。ベテラン女性刑事ケイティが丹念に謎を解き明かしてゆく。ミステリー界の目利きオットー・ペンズラーが選んだ名手エド・マクベインの傑作ノヴェラ。 内容紹介より



最初はオーディオ・ブックとして発表された、139ページの作品です。こういう中篇ミステリだと、とにかくプロットの構築が第一で、登場人物の造形は二の次になりかねないのですが、エド・マクベインクラスの巨匠になるとどちらもしっかりと仕上げているという感じがしました。この作品に限らず、マクベインは人物が登場するたびに、その人の髪の毛、瞳、服装に関する色彩の情報を律儀に読者に説明する傾向があって、それがまるでデッサン画が早送りに彩色されていくみたいに感じられるのですが、季節が紅葉の盛りの秋に設定されていることと相まって、非常に視覚イメージに訴えてくる気がしました。また、家を出て行った夫に対する女性刑事の感情の機微を度々挟んで、彼女の人物像とストーリー自体に肉付けする手法もベテラン作家らしい手馴れた印象を受けます。
一つの交通事故を巡っていろいろな解釈がなされ、刑事が地道に真相を探っていく物語は、ヒラリー・ウォーの作品みたいにも思えました。

ユーザータグ:エド・マクベイン




ドライビング・レッスン (ヴィレッジブックス)ドライビング・レッスン (ヴィレッジブックス)
(2002/01)
エド・マクベイン

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『最高の銀行強盗のための47ヶ条』 トロイ・クック 創元推理文庫

2013-07-25

Tag :

☆☆☆

タラ・エバンズは22歳。とびきりの美女にして、名うての銀行強盗だ。父親のワイアットが考案した“47ヶ条の規則”を守りつつ、ふたりで全米を荒らしてきたが、最近は強盗ついでに殺しを楽しむ父親にうんざりしている。そんなふたりの次なる獲物は、さびれた田舎町にある小さな銀行。その町で、運命の出会いが彼女を待っていた……。驚異の新人が贈る、ノンストップ青春+強盗小説。 内容紹介より



作品の雰囲気と登場人物たちの奇矯さ具合はカール・ハイアセンを思わせ、内容はジェイムズ・カルロス・ブレイクの『無頼の掟』をおもいっきりコミカル(あるいはパロディ)にした感じがしました。銀行強盗犯を主人公にした物語はこれまでの物以上に派生しようがないのか。とにかく、九歳の女の子と彼女に強盗の手ほどきをする父親の銀行強盗コンビが強烈で、これから先どんなふうにぶっ飛んだ展開になるのかと期待しました。そして、22歳になったヒロインは、ある町で運命の男に出会い、かねてから父親への不満が募っていた彼女はその若者とともに恋の逃避行へと……。ここで読者としては、父娘コンビを遥かに上回る恋人同士の過激な化学反応を望んでしまうのですが、どうも触媒としての相手の青年のキャラが大人しめで、ふたりのストーリーに関しては爆発しませんでした。終わってみれば、結局親父の方が全部持っていった気がする、ストーリー云々よりもキャラクター依存度の高い作品でした。




最高の銀行強盗のための47ヶ条 (創元推理文庫)最高の銀行強盗のための47ヶ条 (創元推理文庫)
(2008/09)
トロイ・クック

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『ブックストアは危険がいっぱい』 リシェル・ミード 角川文庫

2013-07-22

Tag :

☆☆

エメラルド・シティ・ブックス&カフェは居心地のいいブックストア。一見普通の店ですが、一つだけ変わったところがありました。それは、書店員がサキュバス・夢魔だということです。男性を虜にして魂を奪う夢魔は、たとえ本当に愛している相手でも、キスをしただけで命を奪ってしまう危険な存在。これじゃ、恋愛なんてできやしない!ジョージナの不幸な恋愛体質の行方は?全米で大人気のパラノーマルロマンスがついに登場! 内容紹介より



ジョージナ・キンケイド・シリーズの第一作目。
ヴァンパイアやサイキックなどの要素を取り入れたパラノーマルロマンスとは言っても、基本はロマンス小説ですから、ヒロインにとって、対照的なキャラクターを持つふたりの魅力的な男性を登場させていること、また、ヒロインが恋愛に対して消極的な傾向を持っていること、という一般的な設定はもちろん備えています。愛する人物の思い出からヒロイン自身の記憶を消し去ることを条件に、彼女は夢魔になったという陰影付けをしているのはキャラクターに一定の深みを与えていると思いました。シリーズものですから、ヒロイン以外の主要な登場人物の造形も徐々にそうなれば面白くなっていくのかもしれません。
ストーリーは、生体エネルギーを吸い取って相手を死に至らしめてしまうため、真に愛する男性を避けなければならない矛盾を抱えるヒロインのロマンス、それから彼女の回りにいる魔物たちが何者かに襲われるサスペンスの二本立てで進みます。しかし、既成のフォーマットを使用したかのようなロマンス部分がありきたり過ぎて退屈でした。




ブックストアは危険がいっぱい (角川文庫)ブックストアは危険がいっぱい (角川文庫)
(2010/11/25)
リシェル・ミード

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

『北人伝説』 マイクル・クライトン ハヤカワ文庫NV

2013-07-17

☆☆☆

バグダッドの使節イブン・ファドランは、旅の途上で屈強の一団と遭遇した。彼らこそ勇猛で知られる北人 ― バイキングであった。彼らの客となったイブン・ファドランは、北方のロスガール王国の救援に馳せ参じる北人の勇士十二人に同行することになる。王国は邪悪な死者常食族ウェンドルによって危機に瀕していた。かくして北人とウェンドルの激烈な闘いが幕を開ける!十世紀の北欧に展開する血湧き肉躍る伝奇ロマン。 内容紹介より



十世紀に歴史上の実在の人物が書き残した手記を基に組み立てられたフィクション。どこまでが史実で、どこまでが創作なのか、読者の判断を迷わせるのは作者の手腕の賜物。アラブ人による異国見聞録の形式を採っており、主に北人(バイキング)の信仰から生活習慣、体格、行動様式などの違いが描かれています。何かもの足りない気がするのは、クライマックス部分では踏み出しますが、物語の語り手のアラブ人が観察、記録者の域をなかなか出ないこと。それ故に主人公としては存在感が希薄だったこと。これはバイキングのリーダーにも言えることで、終始、観察対象者のイメージが強く、主人公としてのキャラクターがこちらに迫ってくる感じがしませんでした。ページ数が少ないのも原因なのかもしれません。個人的にバイキングにもこの時代のアラブ人にもあまり興味がなく、クライトンの得意とする虚実とりまぜて語る手法に今回はどうもハマりませんでした。

ユーザータグ:マイクル・クライトン




北人伝説 (ハヤカワ文庫NV)北人伝説 (ハヤカワ文庫NV)
(1993/04)
マイクル・クライトン

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

『怪しいスライス』 アーロン&シャーロット・エルキンズ 集英社文庫

2013-07-11

☆☆

プロ1年目の女子ゴルファー、リー・オフステッド。あらゆる経費を切り詰める、金欠なプロ生活を送る彼女は、出場した試合でスター選手ケイトの撲殺死体に遭遇する。捜査を担当するグレアム・シェルダン警部補が、ゴルフを全く知らないとあって、リーも黙って見てはいられない。試合で知り合ったアマチュアゴルファーのペグと真相究明に乗り出すけれど……。ゴルフの世界の裏舞台も覗き見できる、軽快ミステリーの登場! 内容紹介より



シリーズタイトルは〈プロゴルファー リーの事件スコア1〉。
たまに見かけるスポーツ・ミステリのひとつですけれど、プロゴルファーしかも女性、そのうえシリーズものというのは希少かもしれません。発表されたのは1989年、どういう経緯でエルキンズ夫妻がこんなニッチな分野に目をつけたのでしょうか。270ページほどの軽目のサスペンスロマンで、プロゴルファー、とくに駆け出しのトーナメントプロの大変さが描かれています。しかし、わたしのようなゴルフの素人にも読みやすくしてあるため、ゴルフが趣味でその関係の色々な情報や内容の深さを求めている人は物足りなさを感じてしまうでしょう。さらに、やがてヒロインと事件担当の警部補のロマンスが始まってしまうため、このふたりの関係性がそれ以上に派生のしようがなくなって、ありきたりな流れに終始してしまい詰まらないのです。また、ヒロインが果たしてトーナメントで賞金を獲得することができるかどうか、というシーンも、往年のスポ根もののドラマやアニメを見付けている日本人の目にはぬるすぎる気がします。

ユーザータグ:アーロン・エルキンズ




怪しいスライス プロゴルファー リーの事件スコア 1 (プロゴルファー リーの事件スコア) (集英社文庫)怪しいスライス プロゴルファー リーの事件スコア 1 (プロゴルファー リーの事件スコア) (集英社文庫)
(2011/09/16)
アーロン&シャーロット・エルキンズ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『バーベキューは命がけ』 J・B・スタンリー RHブックスプラス

2013-07-07

Tag :

☆☆

最大規模のバーベキュー・コンテストへ、ゲスト審査員として招かれた〈デブ・ファイブ〉の5人。会場ではバーベキューの達人たちが、夜通しグリルで肉を焼いたり、ソースの研究をしたりと腕を竸う。そんな真剣勝負のさなか、優勝候補の男がキャンピングカーの中で変死。そして〈デブ・ファイブ〉のひとり、ジリアンが逮捕されてしまった!肉ざんまいの薔薇色の4日間は一変。ジリアンの知られざる過去が明らかになる……。 内容紹介より



ダイエット・クラブ 4。
スピリチュアルな雰囲気をもったトリマー、ジリアンの個人的な秘密が明らかになる本書は、舞台を別の町に移し、そこで催されるバーベキュー大会で起きた不審死めぐって逮捕されたジリアンを救うために、残りのメンバーが会場内を奔走するというもの。こういうコージー・ミステリのシリーズ物は、彼らのホームを離れると話の内容がたいがい面白くはならない傾向があるような気がしていて、この作品もそんな印象が残りました。コージー・ミステリのイベント好きは顕著なものがありますが、今回はバーベキュー・コンテストという食のイベントを取り上げ、〈デブ・ファイブ〉の面々が審査員として招待されるという設定です。ただし、これが別の町で行われるために、彼らは、コージーの面白要素の一つである(隣人、同僚、行きつけの店、町の雰囲気というこれまでに構築してきた)日常から切り離されてしまうわけで、シリーズの優位性がかなり損なわれてしまっています。さらにほとんどの場面が明けても暮れてもコンテスト会場という代わり映えしないことも、後半に入って飽きてしまう原因になっていると思います。このシリーズの大きな魅力であるポジティブな傾向は今回も健在ですが、少々バーゲンセール気味。

『ベーカリーは罪深い』ランダムハウス講談社
『アイスクリームの受難』ランダムハウス講談社
『料理教室の探偵たち』RHブックスプラス




バーベキューは命がけ ダイエット・クラブ4 (RHブックス・プラス)バーベキューは命がけ ダイエット・クラブ4 (RHブックス・プラス)
(2011/02/10)
J・B・スタンリー

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『証拠が問題』 ジェームズ・アンダースン 創元推理文庫

2013-07-03

Tag :

☆☆☆☆

八月の月曜の晩。わが家でひとり過ごしていたところ、出張中のはずの夫スティーヴンが突然帰宅してきた。仕事が早く終わったので、という弁解に釈然としないものを感じるアリソンだったが、真夜中を過ぎること、今度は二人の刑事の訪問を受ける。彼らは、今夜一件の殺人が発生したこと、その現場で死体のそばにひざまずいているスティーヴンの姿が目撃されたことを告げた。打ちのめされながらも、夫の潔白を証明するため、アリソンは奔走を開始したが……。多彩な作風を誇る技巧派の雄が、二転三転するプロットと意外な真相を仕掛けた最新作! 内容紹介より



本書よりも先に発表されている『血のついたエッグ・コージイ』や『殺意の団欒』(共に文春文庫)は、作品の出来栄えに今ひとつの感じが強かったのですが、この作品は読者を巧みにミスリードしている点ではとてもよく出来たミステリだと思います。ただ、技巧派と紹介されているだけあってそつがなく、手際が良すぎているような気がしました。道を極めた名人の手さばきが素人にはいとも簡単に見えるように、作者のストーリー展開が途中まで淡々としてけれん味がないからかもしれませんが……。364ページの半ばまでは☆(評価)が二つだったにもかかわらず、残りの28ページで☆が四つに変わるというくらいにやられた感の強い、衝撃的なクライマックスを用意する名人級のテクニックを披露しながら、どうして全体が単調な印象になってしまっているのかというと、それは当然364ページまでが凡庸すぎるからです。もう少しクライマックス前までの部分を力を入れて頑張って欲しかったです。
とは言いながら、読後に振り返ってみると、作者の小道具やシチュエーションを使った伏線配置は見事と言わざるを得ません。留置場で妻に面会したスティーヴンが、別れる間際に彼女に言った感謝の言葉は意味深いものがあります。

『血のついたエッグ・コージイ』ジェームズ・アンダースン 文春文庫




証拠が問題 (創元推理文庫)証拠が問題 (創元推理文庫)
(1991/11)
ジェームズ・アンダースン

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『マイアミ・ブルース』 チャールズ・ウィルフォード 創元推理文庫

2013-07-01

Tag :

☆☆☆☆

筋骨たくましい犯罪常習者、それがフレディだ。ひと仕事しようとカリフォルニアからマイアミに着いた日に、さっそく空港で若い男の命を奪ってしまう。ホテルの部屋に呼んだ娼婦は、幼いといっていい女子大生で、気の合ったふたりは同棲をはじめる。さあ、腰をすえて稼いでやるぞ……。そんなフレディを追うのは、孤独な中年の刑事ホウクだった。 内容紹介より



〈マイアミ・ポリス/部長刑事ホウク・モウズリー〉シリーズの第一作目。
刑務所を出所したばかりのフレディは、カリフォルニアで強盗傷害事件を起こし、マイアミへと逃れてきたが、空港内で気に食わない男の指をかっとなった拍子に折り、それが原因で相手がショック死してしまう。その事件を担当することになったホウク刑事は被害者の妹の婚約者として現れたフレディの振る舞いから、彼が前科者だと確信する。しかし、やがてフレディは隙を突いてホウクを襲い、奪った警察バッジを使った強盗計画を企てる、という展開です。
クライムノベルとしてフレディという犯罪者を描き、警察小説としてホウク部長刑事を描いて、共に両立している作品です。フレディの傍若無人な悪党ぶりが気負わず描写されているのに対し、ややホウク刑事の警察活動の部分が弱い感じがしましたが、全体的にみるとバランスがとれた佳い作品だと思います。ホウクの存在感は二作目以降の方が上がっている気がします。サイコパスや捕食者みたいな血の通っていないかのような殺人鬼や怜悧で品行方正な法執行者がいるデジタル的ミステリが存在する一方で、本書のようなかなり泥臭いストーリーで、人間臭い犯罪者や警察官が登場するアナログな作品を読むと何故か落ち着いた気持ちになります。

ユーザータグ:チャールズ・ウィルフォード




マイアミ・ブルース (創元推理文庫)マイアミ・ブルース (創元推理文庫)
(1987/08)
チャールズ・ウィルフォード

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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