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『修道士の頭巾』 エリス・ピーターズ 光文社文庫

2013-09-11

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☆☆☆☆

―自らの土地を教会に寄進することで楽隠居を考えた荘園主が、食事中に悶死する。殺害に使われたのは修道士の頭巾の異名を持つトリカブトだった。それもカドフェル修道士が調合したものが悪用されたとあっては見過ごせない。ところが、カドフェル修道士が調査に乗り出してみると、荘園主の妻は42年も前に将来を誓い合った女性だった。甘酸っぱい哀しさを漂わすイギリス推理作家協会賞に輝いた会心のシリーズ第三弾! 内容紹介より



修道士カドフェルシリーズ3。
シュルーズベリの町が王位継承をめぐる闘いの舞台となり、殺伐として血なまぐさい雰囲気が漂っていた前作とは打って変わって、本書では争いも遠のき穏やかな日々が町に戻り、修道院では院長人事がもっぱらの関心事です。 そんななか、修道院の敷地内に移り住んできた荘園主が毒殺されるという事件が起きます。カドフェルは青年時代に恋人だった荘園主の妻から、殺人の容疑をかけられた彼女の息子を助ける よう求められます。事件の状況から、毒を入れられる場所と機会も限られているために、容疑者は被害者の家族と使用人に限定されているにもかかわらず、これぞ悪人という人物を設定していないので犯人の見当がつきません。逆にその設定を活かして作者お得意の人情噺へとクライマックスにかけて流れを持っていく手法は巧妙です。また、昔の恋人との再会をきっかけにカドフェルが自らの半生を顧み、別の人生を想い描きながらも、すぐに自分には安息の場所があることを悟る場面では、彼が聖職に道に進んだことで得たものと失ったものを考えて、主人公の人生の哀切さを感じさせられました。

『死体が多すぎる』
『修道士カドフェルの出現』




修道士の頭巾―修道士カドフェルシリーズ〈3〉 (光文社文庫)修道士の頭巾―修道士カドフェルシリーズ〈3〉 (光文社文庫)
(2003/05/13)
エリス・ピーターズ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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