『死の同窓会』メグ・ガーディナー 集英社文庫

2016-10-29

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☆☆☆☆

ハイスクールの同窓会のため、故郷チャイナ・レイクに戻ってきたわたし,エヴァン・ディレイニーは、そこで衝撃の事実を知る。ここ数年のあいだに同窓生が相次いで死んでいたのだ。病死や事故死など、一見,関連のなさそうな同窓生の死。でも、新たに惨殺事件が起こり、一連の死の背後には暗くうごめくシナリオがあって、わたしも部外者ではいられない予感をさせるのだった……。絶好調シリーズ! 内容紹介より



エヴァン・ディレイニーシリーズの第四作目。一作目の『チャイナ・レイク』、三作目の『暗闇の岬』は未読です。第二作目の『裏切りの峡谷』で受けた印象どおりに、作品の雰囲気はロマンティック・サスペンスぽいのですが、事件の内容は邦題から想像するようなドメスティック・ミステリではなく、そもそもの発端が国家権力にまつわる非常に衝撃的なものでした。“コヨーテ”と名乗る殺人犯がヒロインの同窓生を動機が明かされないまま殺してまわるのですが、その殺害場面の描写が凄惨で残酷でグロかったです。杉田七重氏の訳者あとがきにもあるように、こういう「緊迫した場面の連続」(p622)に一息つかせるように「スラップスティックな笑い」(同)を持ってくるのですけれど、個人的にはこの部分はやたら目について中和させる効果より、緊迫感を削いでいるマイナスの働きをしているように感じました。なかでもコミックリリーフ役であろうヒロインのいとこであるテイラーの存在は悪目立ちすぎている感じがするのはいなめないし、同様な存在の謎の女とその夫も加えるとかなりくどい気がするのです。
ただ作品の出来は第二作目よりはるかに良く仕上がっていると思います。

『裏切りの峡谷』




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『死を誘う暗号』ルース・レンデル 角川文庫

2016-10-26

☆☆☆☆

野良猫たちが集まる、人気のない草地—そこがマンゴーと仲間たちとの暗号受け渡し場所だ。退屈なパブリック・スクールに通うマンゴーにとって、暗号を使った“スパイ活動”はひそかな愉しみだった。園芸店に勤めるジョンは、偶然その受け渡し場所を見つけ、暗号文を手に入れる。誰が、何のために使っている暗号なのか?ジョンは、暗号の解読に没頭していく。それが事件の始まりだった……。暗号を巡って様々な人生が重なり合い、運命の車輪が今ゆっくりと廻り始める。英国ミステリー界の女王レンデルが放つ、戦慄に満ちた傑作長編。 内容紹介より



小尾芙佐氏の訳者あとがきによれば「本書は、ルース・レンデルのノン・シリーズの作品としては十四作目」にあたるそうです。
レンデルが得意とする心理サスペンスの真髄を発揮した作品であり、いったんそれを希釈しつつも、いたって平凡きわまりない男の心理がまわりに存在する奇矯な人物たち、そして少年たちがやり取りする暗号文によって図らずも大きな影響を受けざるを得ないさまを見事に描き出しています。妻に去られた男の戸惑いと執着の鬱々とした日常、対してパブリック・スクールの生徒のスパイごっことその日常。この二つの生活の流れが暗号文で小さな接点が作られ、次第に男の心を占めていく一方で、生徒は敵対するスパイ組織の暗号を解読しようとするとともに、部下たちのなかに二重スパイの存在を疑いが心に持ちあがります。パブリック・スクールでの学生生活や家庭の様子がなかなか興味深く、レンデルの作品には珍しい、少年小説のような明るさとユーモアをもって描かれており、徐々に張りつめていく緊張感に一息つく良いアクセントになっているとともに、男の孤独,暗号に没頭していく異様な姿を対照的に映しだしています。妻の元婚約者と生徒のひとりが暗号文によって繋げられたことによって、状況は急速に転がりはじめて破滅的な事態を引き起こしただけでなく、登場人物に対してちょっと不気味な余韻を残して終わる作品でした。

ユーザータグ:ルース・レンデル




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『バトラー弁護に立つ』ジョン・ディクスン・カー ハヤカワ・ミステリ

2016-10-23

☆☆☆

白い幽霊のような霧が、リンカンズ・イン・フィールズのあたりにたちこめていた。十一月も下旬の午後四時半,空も町も、もう暗かった。四階にあるプランティス弁護士事務所は、ひどく暗くてがらんとしていた。奥の事務所だけに明かりがついていて、副所長のヒューが、許婚のヘレンに笑われていた。「あなたはどう見たって冒険むきよ。こんな退屈な法律事務所にいるよりはね。たとえば、霧の中から、外国なまりの、皮膚の黒い不思議な人物が現れて“わたしはトルコの王です,ぜひご相談に乗っていただきたくて参上致しました”ていうの……」「ばかな、そんなことが現代にあってたまるもんか!」ヒューがそう言った時だった。廊下に通じるドアが前ぶれもなくあいて,トルコ帽にアストラカンのオーヴァーを着た東洋人が現われ、妙な話を始めた。「わたしはトルコのアーブーというものですが……わたしの災難のすべては、あなたの手袋が原因です。助けてくれないと殺人が起きます……」そして、不吉な予言どおり,アーブーは、ヒューとヘレンに連れていかれた他に誰もいないはずの部屋で、胸を短刀で一突きされて死んでいたのだ!名法廷弁護士パトリック・バトラーが不可能犯罪に挑む〈密室殺人の巨匠〉カー中期の傑作! 内容紹介より



深い霧が立ち込める人通りの無い街路、暗く人気の無い事務所、正体不明の男が語る不思議な話、というゴシックホラー風なおどろおどろしい開幕から、密室殺人に逃亡劇を経て女同士の対決に男女の心の行き違いとロマンス、そして活劇に最後は一同を集めての真犯人当て。こういういろいろな要素がめまぐるしく盛り込まれている、というか詰め込まれている作品なのですけれど、作品に終始一貫して流れているリズムは騒がしいどたばたです。それから古今の名探偵や敏腕弁護士をカリカチュアしたかのようなバトラー弁護士のキャラクターが非常に目立ちました。こういう派手な展開を破綻なく最後まで引っぱる技量はさすがカーだと思います。しかし、殺人犯の見当が早々に付くところと、なんちゃって密室なところがあるので、これが傑作とはちょっと言い過ぎのような気がしました。

ユーザータグ:ジョン・ディクスン・カー




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『人間たちの絆』スチュアート・カミンスキー 扶桑社ミステリー

2016-10-20

Tag :

☆☆☆☆

シカゴの老刑事エイブ・リーバーマンは、周囲の小さな世界で頻発するさまざまな出来事にかこまれて生きている。そんな彼が新たにかかえた殺人事件。単純な物盗りの犯行に思えたが、実は計画的殺人だった。老刑事は真犯人の鉄壁のアリバイを崩すことができるのか?一方で彼は、身辺で続発するささやかな問題にも立ち向かわなければならない。それがリーバーマンの人生なのだ—犯罪によって結ばれていく奇妙な人間の絆。巻を重ねるごとにますます評価の高まる,味わい深い警察小説の逸品。 内容紹介より



〈刑事エイブ・リーバーマン〉シリーズの四作目、『裏切りの銃弾』は未読です。
ローラ・リップマンの〈テス・モナハン〉シリーズがボルチモアを舞台として、その土地の情景を印象深く描いているのと同様に、本シリーズは地元シカゴとの結びつきを強く描き出しています。かたや若い女性が主人公の探偵小説であり、このシリーズの主人公は老齢の刑事です。それをふまえると作品の雰囲気は、アイソラを舞台にした〈87分署〉シリーズにかなり似ているような感じがしますが、ただ土地が醸し出す独特の風情は、実際の街を舞台に据えたこのシリーズに若干の分があるような気がします。特にシカゴ・カブスの話題がちょくちょく出てくる(なぜかシカゴ・ホワイトソックスについては言及されません)ところなどはさらも色を添えているように思いました。
さてストーリーは、夫による妻殺しの現場を空き巣泥棒が偶然目撃してしまったところから始まる、いわゆる倒叙ミステリ形式です。それをメインに、よそからシカゴに移って開業した医者、そのクリニックに強盗計画を立てる不良グループ、などの話がモジュラー型で展開していくとともに、主人公とその相棒の私生活が描かれています。慶事と表裏をなして現れる悲嘆を相変わらず渋くかつ丁寧に綴っている沁みる人間ドラマです。

エイヴ・リーバーマン シリーズ
『愚者たちの街』
『冬の裁き』
ルー・フォネスカ シリーズ
『消えた人妻』講談社文庫




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『ボルチモア・ブルース』ローラ・リップマン ハヤカワ文庫HM

2016-10-17

☆☆☆

失業中の元新聞記者テスに、友人のロックから仕事の依頼が舞いこんだ。最近、不審な言動が続く婚約者の身辺調査をしてほしいという。テスはその女性と愛人らしき男性の密会現場を突きとめた。しかし、その直後、相手の男が殺され、ロックに殺人の容疑がかけられた。親友の無実を晴らすため、テスは奔走するが……アメリカ探偵作家クラブ賞,アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作『チャーム・シティ』に続く、注目の第二弾 内容紹介より



〈テス・モナハン〉シリーズの第一作目。
ボート仲間である男友達への心配りのある深い心情にくらべると、別れた後も肉体関係は続いている元恋人の身に起きた事件について、主人公が表面的には動揺した様子も悲嘆した姿も見せずにいるところに違和感を感じた他には、これまで鼻についていた一面が見受けられず意外でした。それくらい以前読んだ作品のなかでの主人公の他者に対する意地悪な見方や辛辣な独白が気になって、わたしのなかでの主人公のイメージを損ねていました。しかし、これがシリーズ一作目にあたるわけで、ということは主人公は回を追うごとに次第に攻撃的な性格に変化していくということなのか。主人公が都合良く情報を得られるような各職場に知り合いがいるというお手軽な設定は初回からでした。
ということは別にして、作品自体は伏線の配置,プロットの構築、人物造形の巧みさがデビュー作とは思えないような完成度の高さを見せている印象を受けました。

ユーザータグ:ローラ・リップマン




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『チーズフォンデュと死の財宝』エイヴリー・エイムズ コージーブックス

2016-10-14

Tag :

☆☆

財宝が眠ると噂される19世紀のワイナリー。町に残るこの不気味な廃墟を大学に改装する計画が持ちあがり、資金集めのイベントがワイナリーで開催されることになった。チーズ専門店のシャーロットはケータリングを頼まれ、豪奢なダイニングに用意した店自慢のチーズフォンデュとワインは大好評。ところが館の不吉な雰囲気が災いしてか、次々とイベント参加者が諍いを起こし、余興の宝探しゲームが始まると、ついに殺人事件が!地下の貯蔵庫で、イベントに参加していた美術学生の遺体が見つかったのだ。死体のそばにちらばっていた宝石は噂の財宝?それとも……!? チーズの解説&美味しいレシピが満載のシリーズ第2弾! 内容紹介より



〈チーズ専門店〉シリーズ2。
シリーズ一作目の『名探偵のキッシュをひとつ』は未読です。
シリーズタイトルのとおりチーズ専門店のオーナーをヒロインにした、いわゆる飲食系コージーミステリです。イベント会場で事件が起きて、身内が疑われたため主人公が調査を始める。そして間一髪で真犯人を捕まえる、というオーソドックスな悪くいえば代り映えのしないストーリーです。
登場人物が多いうえに、ひとりが引っ込んだと思ったら別の人物が登場してきて、入れ代わり立ち代わりに現れるというせわしなく感じる展開が、シチュエーションコメディや吉本新喜劇の舞台みたいだと思っていたら、作者は「一時期女優をするかたわら、テレビ・ドラマの脚本も手がけていた」(訳者あとがき)のだそうです。あえてやっている手法なのか癖なのかは判りませんが、ほとんどこういう具合だと一場面が長くなって読んでてちょっと疲れます。強弱というか高低というか、リズムを変化させたほうが良いように感じました。それから多すぎる登場人物の整理も必要ではないかと。




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『燃えつきた森』デイナ・スタベノウ ハヤカワ文庫HM

2016-10-11

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☆☆☆

一年前に火災があった森ではキノコが大繁殖していた。ケイトらはキノコ狩りに精をだしていたが、そこでキノコに覆われた焼死体を発見した!死体は地元中学の教師シーボルトと判明、彼は教育方法をめぐり、キリスト教原理主義の説教師である老父と対立していた。シーボルトの死は誤って火災に巻きこまれたためなのか?それとも狂信者たちの仕業なのか?ケイトの推理がアラスカの悲愴な現実を暴く入魂のシリーズ第5弾 内容紹介より



始まって早々にフランス人カップルに降り掛かった、ギャグアニメみたいなハクトウワシとプードルがからむエピソードが笑えました。その一方、今回のテーマである宗教が持つ、それを拒む者や抗う者などへの排他性,独善性、攻撃性といった普遍的な性質から起きた事件が重苦しいです。著者の身が心配になるほどキリスト教原理主義(者)をストレートに辛辣に皮肉まじりに舌鋒鋭く攻撃しています。物語の構図は単純で、アラスカの狭い地域社会におけるキリスト教原理主義者の父親と学校で進化論を教える息子の間のトラブルが発端になっています。アメリカではそもそも進化論を信じる国民が少数派な上に、科学者でさえ進化論を否定したり、ID説を唱えたりして、この問題は非常にやっかいなものですが、それが小さな地域社会に持ち込まれた際の悲劇を主題にしています。キリスト教に限らず頑迷で偏狭な宗教はアラスカのみならず各地に残る伝統も拒絶し攻撃するのです。    

『白い殺意』
『雪どけの銃弾』




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『ストレートタイム』エドワード・バンカー 角川文庫

2016-10-08

Tag :

☆☆☆☆

十二歳にしてマリファナ、十六歳にしてヘロイン、泥棒,詐欺、武装強盗,ポン引き……悪の限りを尽くし、少年時代から拘置所と貧民窟を行き来していたマックス。明日,八年の刑務所暮らしから晴れて仮釈放される。が,彼の心を支配していたのは、不安と憂鬱だった。いまさら堅気になろうとは思わなかったが、悪事には二度と手を染めたくなかった。が、食うためには金が要る。闇の仕事ならいくらでもある。まともな職が欲しかった。屈辱に耐え、悪の誘惑も断ち、這い上がろうとする前科者に、娑婆は容赦なかった……。圧倒的なリアル。ロマン・ノワール幻の傑作。(解説 茶木則雄) 内容紹介より



1973年に発表された犯罪小説で、1978年に角川書店から単行本で刊行された作品です。解説によれば、日本で刊行された当時は「冒険小説の台頭期」だったために、ほとんど話題に上らなかったようです。そして、二十年後に文庫版として再度刊行されたのですけれど、最初は「世に出るのが早すぎ」(解説より)、二回目は遅きに失したような感じがしました。そして、わたしは18年後に読んでいるわけで、つくづく出版するタイミング,読むタイミングというのは大事なのだな、と改めて思いました。しかし、中身は色あせることのない秀作です。所持金も少なく車も持てないため、まめのできた足で歩き回って職探しをしても、前科者であることを告げると断られる、こういう状況にもがき苦しむ状態が大部分を占めるのかと予想していたら、それ相応の事情はあるにしても、意外にあっけなく心が折れて犯罪者に戻ってしまう それからは水を得た魚さながらにすいすい泳ぎ回る、このあがいていた前の姿とのギャップがひときわ鮮明で面白く感じました。
著者自身がプロの犯罪者で長期にわたって服役していた経験があり、彼の体験に裏付けられた描写がとてもリアリティを与えています。




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『金の羽根の指輪』ジャニータ・シェリダン 創元推理文庫

2016-10-05

Tag :

☆☆☆

新人小説家のわたし、ジャニスはマウイ島に向かった。新聞記者をしている友人に頼まれたうえ、ハワイ人の男性がマウイから怯えた電話をかけてきて、このままでは恐ろしいことが起きると助けを求めたからだ。激しい嵐の中、島に到着すると、牧場主で首長の血を引く知人が行方不明になっていた。島に馴染みのない彼の新妻レスリーは、夫は死んだのだからと牧場を追い出されようとしている。電話のハワイ人は謎のメッセージを残して厩舎で死んだ。義理の妹、中国系のリリーとともに事態に立ち向かい、レスリーに協力するが、牧場主は生死も知れず次なる殺人が……。銀色の海が誘うコージー・ミステリ、渾身のシリーズ第三弾。 内容紹介より



第一作目、二作目と異なり、本書では、義妹に比べてこれまでワトスン役が多かったジャニスが行動面でアクティブに活躍していて、ふたりの関係のバランスが良い具合にとれている印象を受けました。しかし、相変わらずこの作家であるヒロインはまったく小説を書こうとしないどころか、文学について言及する場面はちょっとだけ古典からの引用句を使うくらいで、シリーズとおして果してヒロインを小説家に設定する意味があったのかどうかが不思議に感じるほどです。物語は前作同様にハワイの伝統文化が色濃く描かれ、それが一連の事件のキーポイントに仕立てられています。海の事故で行方不明になった牧場主、その新妻、彼女を邪魔者扱いする従兄夫婦、いかがわしい感じの隣人、距離を置く牧場の使用人たち、といった人物を配し、秘密と謎に満ちて、何かが起こりそうな緊迫感に溢れた雰囲気の作品です。わたしとしては非常に意外な人物が真犯人であり、動機も予想外のもので一本とられました。

『翡翠の家』
『珊瑚の涙』




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『話す神』トニイ・ヒラーマン ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫

2016-10-02

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☆☆☆☆

殺されたのはいったい誰なのか?インディアン保留地近くで見つかった歯のない男の死体からは、身元を示すものが入念に消されていた。わずかな手掛かり追い、リープホーン警部補はワシントンへ飛んだ。やがて事件は、チー巡査が捜査中の事件と意外な結びつきを見せるが……舞台を西部の大自然から喧騒渦巻く都会に移し、新たな展開を見せるシリーズ注目作 内容紹介より



舞台が西部から主にワシントンへ移ったのにもかかわらず、作品全体がこれまでよりもさらにインディアンの文化、風習を強く描き出しているような印象を受けました。それは白人でありながらインディアンの血が入っていて、彼らへの帰属意識が強い、スミソニアン自然史博物館の学芸員であり、そこに研究資料として収蔵されているインディアンの遺骨を彼らに返還させる運動を起こしている人物の影響が大きいと思います。彼のインディアン文化への傾倒ぶりとそれにともなって触れられる「話す神」を巡る風習も独特の雰囲気を造り上げています。捜査が進むにつれ、なぜ身元不明の刺殺体が持っていたメモに彼の名が記されていたのか、その謎を追うリープホーンと白人の墓を暴いた学芸員の男を保留地で逮捕したチー巡査の捜査が交わる時、殺人者であるもうひとりの男の姿が浮かび上がってきて、物語にさらなるひと味を付け加えます。

『時を盗む者』
『黒い風』
『コヨーテは待つ』




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