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『出生地』ドン・リー ハヤカワ文庫HM

2018-06-30

Tag :

☆☆

1980年、東京で一人の女性が失踪した。名前はリサ・カントリーマン。日本人と黒人の間に生まれたアメリカの大学院生で、博士論文のリサーチのため母国の日本を訪れていた。姉から失踪の知らせを受けたアメリカ大使館の職員は調査をするが、行方は知れず、麻布警察署の刑事・太田が捜査を始める。やがてリサが日本に来た本当の目的が明らかになるが……アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞した胸を打つサスペンス 内容紹介より



日本人と黒人の間に生まれアメリカ人の養父母に育てられた大学院生、白人と韓国人の両親を持つ米国大使館職員、そして元帰国子女で職場ではうだつの上がらない刑事。この三人の視点から、いわゆる“自分探し”というような帰属意識の問題を抱える人間たちの物語が語られます。ルーツを探しに来日し、ホステスとして働くヒロインの失踪に至るまでの話はほとんど最初から読者には提示され、それをどういう具合に、離婚歴があり、やや心に変調をきたし気味な刑事が解明するのかを私的エピソードを交えて進展させていく流れと、ある人妻との不倫に溺れる下っ端大使館職員の話が並行して語られる構成をとっています。すごく昭和臭のする風俗小説みたいな雰囲気を醸し出す作品で、それは作者の狙い通りに仕上がっているということなのでしょう。たぶんそのあたりがMWA賞処女長編賞の選考者の琴線に触れたのしょうか。ほとんどミステリとしては見るところがない作品ですし、ルーツだとかアイデンティティというテーマの切り口も斬新さがない気がします。良くも悪くも異国情緒を売りにしている傾向が見えるのは2009年に同賞を受賞したフランシー・リンの『台北の夜』と同様です。




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『殺しの歌が聞こえる』カーリーン・トンプスン ハヤカワミステリ

2018-06-27

Tag :

☆☆☆

「薔薇のまわりに輪になって、ポケットにお花をつめこんで」受話器から響いてきた不気味な童謡に、ブレインは思わず身を固くした。やがて曲が終わると長い沈黙が続き、突然電話は切れた……。高校教師ブレイン・エイヴァリーの身辺で不可解な出来事が起き始めたのは、夫のマーティンが自殺してから半年後のことだった。教え子の一人が手首を切られて殺され、死体の第一発見者となったブレインのもとに、奇妙なメロディーにのせた犯行声明の電話がかかってきたのだ。だが、警察は彼女の言葉を信じようとはせず、かえってアリバイのない彼女への疑惑を強めていった。やがて同じ手口で第二、第三の殺人が起き、そのたびに深夜の電話が!誰ひとり頼る者もなく不安に怯えるブレイン。ついに犯人の魔手は彼女自身にも……。『黒い蘭の追憶』で衝撃的なデビューを飾った著者が、卓越した心理描写で紡ぎだした出色のサスペンス。 内容紹介より



歳の離れた資産家の夫が交通事故で下半身に障害を負い、その後拳銃自殺を遂げる。状況に不審な点が見られたことからヒロインに疑いの目が向けられるが、その騒動もようやく落ちついた頃、彼女の家の敷地内で教え子が死体で発見され、さらにヒロインが勤める高校の校内でもロッカーの中に入れられた女子生徒の他殺体の第一発見者となってしまう。再び警察や学校からの疑惑がかけられ、さらに……という展開に。
夫の死とともにヒロインにかんするゴシップの種になった開業医を始めとして同僚の英語教師や妹の旦那らがいかにもそれらしく容疑者として取り揃えられ、読者の目の前にこれ見よがしに釣り下げられています。しかし、登場人物たちのキャラクターには一様に浅さと適当な肉付けしか感じません。また地元の保安官がヒロインの元恋人という設定がお定まりの展開になっていく流れが凡庸です。伏線はほとんどないものの真犯人は意外な人物でプロットは良く練られているけれど、巧緻ではないです。サスペンスのテンプレートがあるみたいに、いわゆる型にはめたみたいな、そして先が読めてしまう印象が残ります。レンデルの作品に代表されるようなじわじわと先の見えないサスペンスというものをほとんど感じませんでした。

『黒い蘭の追憶』




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『探偵稼業は運しだい』レジナルド・ヒル PHP文芸文庫

2018-06-24

☆☆☆

仕事を解雇され、やむなく私立探偵となった冴えない中年男、ジョー・シックススミス。口うるさい伯母に厳しく育てられ、いまだ独身。同居人は黒猫のホワイティ。無聊をかこつ彼のもとに、「一族の創設したゴルフ・クラブで不正をしたという疑いを晴らしてほしい」と、一族の跡継ぎが訪ねて来る。この相談が、まさか、こんなことになるなんて!CWA賞ゴールド・ダガー賞受賞作家が描くユーモア・ミステリ。 内容紹介より



私立探偵ジョー・シックススミス シリーズ。
作者がレジナルド・ヒルでなければ、おそらく手に取らないであろう邦題とカバーイラスト。主人公のもとへ、お金持ちの名家の出身で誰からも好かれる好青年が依頼人として訪れます。依頼人の絵に描いたような良い人ぶりに、主人公は、ゲームの最中に不正をしたという彼にかけられた汚名をそそぐべく調査を開始します。そこは会員制の由緒あるクラブで、サッカー好きの元旋盤工でゴルフなどやったことも興味もない主人公の場違いさが笑いを誘います。主人公は、あの名探偵みたいな論理的推理、あるいは天啓にうたれたようなひらめきのどちらの才能もある訳ではなく、「やみくもに腕を振り回していたら偶然当りのボタンを押していた」みたいな異才の持ち主です。そんな彼が周囲の女性たちの助けを借り、伯母さんから教わった至言を唱えながら事件の解決に奔走する軽妙洒脱なミステリです。ただゴルフの不正疑惑をある利権を巡るスキャンダルに繋げてみせる手法はなかなかのものだと思いました。

ユーザータグ:レジナルド・ヒル



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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『シュガー・ハウス』ローラ・リップマン ハヤカワ文庫HM

2018-06-21

☆☆☆☆

クリスマス間近のある日、私立探偵テスに父の古い知人の女性から依頼があった。身元不明の少女を殺した罪で服役中だった弟が刑務所で殺された事件を調べてほしいという。今回の事件は少女の殺害事件と関連が?少女は最後に目撃されたとき、“シュガー・ハウス”という謎の言葉を遺していたらしい。調査を進めるにつれ、テスは家族をも巻き込んだ妨害を受け、絶体絶命の窮地に!数々のミステリ賞に輝くシリーズ第五作 内容紹介より



刑務所で服役中に殺された弟の死は、彼が起こした少女殺人事件に関連があるのではないか、という女性の依頼から物語が始まります。この話の珍しい点は、依頼人の弟が殺されたにしても、もともとの被害者側からではなく加害者側から依頼を受けたところです。これは被害者の少女の身元が警察の捜査でも判明しなかったという設定があるからです。ヒロインの丹念な調査によって、少女があるお金持ちの娘であることが明らかになるとともに、彼女が摂食障害を治療する施設から抜け出して被害にあったことが判ります。被害者とその家族との関係や施設が抱える秘密、そしてそこを抜け出した後の行動がヒロインの調査で次々に表に出て、やがて少女の死自体にも謎があることが……。今回はヒロインの活躍を支える恋人、親友、知人などのチームワークが目立ちました。こういう脇役が花を添える趣向は物語に厚みを持たせてより面白く、また父親との関係や目撃者である女の子との会話はヒロインの内面をさりげなく描き出し、従来のハードボイルド作品とはひと味違ったものにしているように感じました。名無しの少女の正体が次第に明らかになっていく過程と彼女によせるヒロインの哀切がとても印象に残る作品だと思います。

ユーザータグ:ローラ・リップマン




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『警視の偽装』デボラ・クロンビー 講談社文庫

2018-06-18

Tag :

☆☆☆☆

英国の有名オークションに出品されたジュエリー。それはジェマの友人エリカの父の形見で、行方不明のものだった。オークション関係者の謎の死。1945年の殺人。ジェマの母が倒れ、ジェマは警察官、娘、母親として岐路に立たされる。公私共にパートナーのキンケイドと時を超えた謎に挑む、警察&ヒロイン小説の傑作。 内容紹介より



ダンカン・キンケイド&ジェマ・ジェイムズ シリーズ12作目の作品。このシリーズは八作目までは読んでいたのですが、当然まったくといって良い程内容を覚えていません。
本書では、キンケイドはスコットランドヤードの警視、ジェマはノッティング・ヒル署の警部補で二人はそれぞれの子供とともに同棲をしています。物語は、ジェマの旧友であるユダヤ人女性が第二次大戦前にドイツからイギリスへ亡命する際になくしたブローチがオークションのカタログに掲載されたことから始まります。ジェマは友人の頼みでそのブローチがオークションハウスに持ち込まれた経緯を店員に問い合わせますが、それを契機に宝石にかかわった人物の不審死が続けざまに起こります。さらに戦争が終わって間もない頃に起きたユダヤ人男性の刺殺事件も明らかになり……。という具合に現代と過去、人物が錯綜して展開していく訳ですが、ジェマ自身にも個人的な出来事が降り掛かります。ミステリも出来が良く、ヒロインの両親を始めとしたプライベートでの心の成長も盛られた良作だと思います。読み始めは視点の移り変わりがめまぐるしく感じましたけれど、優れた女性作家特有の繊細な心理描写と緻密で巧みな物語の織り方がとても印象に残る作品でした。



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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『災いの小道』キャロリン・G・ハート ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫

2018-06-15

☆☆☆☆

ジャーナリズム学科の女学生マギーが課題として選んだのは、過去の未解決事件三件の最調査レポート。だが調査に着手した矢先、彼女は他殺死体で発見される。死体が放置されていたの〈恋人たちの小道〉、1988年の殺人事件の現場だった—マギーを指導していたヘンリー・Oは独自の捜査を開始する。過去と現在、交錯する謎の深淵に潜む衝撃の新事実とは? 内容紹介より



本書はヘンリー・O シリーズの第三作目にあたります。元新聞記者である主人公が個別指導するジャーナリズム学科の女子大生が、調査報道の研究テーマに選んだのが、過去に大学町で起きた未解決事件です。1988年と1982年に発生した射殺事件、1976年の失踪事件、この三件を再調査するというもの。自らの美貌と才能を鼻にかけている女学生に主人公は慎重で入念な調査をすることを条件に許可しますが、大学の機関紙であり地元紙でもある新聞に過去の事件についての情報提供を呼びかける広告を出した途端に主人公に大学関係者から圧力がかかり、女学生は他殺死体となって発見されます。
容疑者もなく迷宮入りした恋人同士の大学(院)生二人の射殺事件、妻が容疑者として裁判にかけられたもののアリバイを証明する人物の証言で逆転無罪となった地元の有力者の射殺事件、大学構内から忽然と姿を消した大学教授の事件。発生した時期も場所も異なるこの三件になんらかの繋がりがあるのか、関連のない別々の事件ならば、どれが女学生殺人のきっかけとなったのか、または、まったく別の動機によって殺されたのか、過去の真相が明らかになると困る人物たち、彼女に愛憎や恨みを抱いていた人物たち、謎と容疑者は豊富に効果的に提示されています。三件の事件について同程度のボリュームを持たせてないところ、主人公が真犯人と確信した根拠が乏しいところなど弱点もありますが、未読の『死の散歩道』以外に、わたしがこれまで読んだ作者の作品のなかで、本書がベストではないでしょうか。

ユーザータグ:キャロリン・G・ハート




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

『天使に銃は似合わない』マイク・リプリー ハヤカワ文庫HM

2018-06-12

Tag :

☆☆☆

エンジェルに親友オオカミ男からSOSの電話が入った。知らぬ間に麻薬の運び屋に仕立てられ、しかも自動車事故でブツを失ってしまい、ブルターニュ国民戦線なる連中に軟禁されているという。麻薬は彼らの資金源だったのだ。ブツを持って行かなければオオカミ男の命はない。ロンドン一のお気楽男エンジェルが友の窮地を救おうと、ヤンキー娘と怪僧を助っ人に大奮闘!英国推理作家協会賞ユーモア賞に輝くシリーズ第三弾 内容紹介より



英仏を舞台にしたユーモアハードボイルドです。主人公の本職はトランぺッターなのですけれど、本書での彼はハードロックバンドのステージでの照明を担当するくらいで、自身が演奏するシーンはありませんでした。バンドがレンタルした機材のなかに隠されている麻薬を回収して、それと交換に人質となった親友を助け出す、という話です。ユーモアミステリのうえに殺人事件が起きないのでプロットにぴりっとした感じがなくてかなり緩めな印象が残りました。物語の面白さは、人質の兄である修道士とバンドのマネージャーのアメリカ人女性、そして主人公を含めたこのおかしな三人組による珍道中にあるのでしょう。イギリスからフランスへ麻薬を持ち込む手段もユニークなものだったので、その道中でなにかしらのスリリングな展開を付け加えて欲しかったところではあります。CWA賞にラスト・ラフ・ダガー賞というユーモア賞が過去に設けられていたことを初めて知りました。




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ジャンル : 本・雑誌

『殺人遊園地へいらっしゃい』クリス・グラベンスタイン ハヤカワ文庫HM

2018-06-09

Tag :

☆☆☆☆

海辺の保養地シーへイヴンヘようこそ。ここでは誰もがのんびりする。臨時警官のおれだって例外じゃない。制服も拳銃もないが、帽子に輝く警察マークが女の子に受けるのさ……そんな平和が消し飛んだ。大富豪のハートが遊園地で殺されたんだ。唯一の目撃者、娘のアシュリーにも犯人の魔手が迫る。おれの使命は、相棒の超カタブツ警官シーパクとともに事件を解決することなんだ!アンソニー賞を射止めた新鋭のデビュー作 内容紹介より



保養地にある開園時間前の遊園地に娘と一緒にいた大金持ちが射殺されます。被害者は悪辣な手口で不動産開発をしていた人物で、目撃者の娘の証言によると加害者も彼に恨みを抱いていたと思われ、地元の薬物中毒のホームレスの男が容疑者として手配されます。事件当日、現場近くに居合わせ娘を保護した警官と相棒の臨時警官が捜査に加わりますが、その後、彼女が殺人犯によって誘拐されてしまいます。
ワトスン役の語り手である臨時警官の「おれ」によって描き出されるイラク帰りの元兵隊シーパクの造型が非常に好ましいです。饒舌と寡黙、地元っ子とよそ者、そして規範(コード)のあるなし、さらにいえば制服と拳銃の有無。単なる饒舌系コンビにはない、これらのコントラストが堅物シーパクのキャラクターを引き立てて見せています。彼の生真面目さが可笑しさを見せるとともに、戦争によるトラウマを抱えているという陰影も帯びさせて作者のテクニックを感じました。物語は軽快なテンポで進み、総じて明るい雰囲気のユーモアミステリ調ですけれど、事件の真相は後味の悪さを残します。続編が翻訳されないのが残念なシリーズ物です。




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ジャンル : 本・雑誌

『ブラック・チェリー・ブルース』ジェイムズ・リー・バーク 角川文庫

2018-06-06

Tag :

☆☆☆

ブルースはやるかたない苦みからしぼりだされる。デイヴ・ロビショー—元ニュー・オーリンズ警察警部補。わけあって、今は貸しボート屋の主人。妻を殺された悪夢から覚めやらぬ日々のなか、ふと立ち寄ったバーで旧友のブルースマンと出くわした。男は面倒事に巻き込まれていた。ロビショーは関わりたくなかった。ロビショーのもとに狂気に満ちた脅迫状が舞い込んだ。守るべきものはなにか。たち戻れぬ過去に復讐するかのようにロビショーは北へ向かう—。`90MWA長編賞を受賞した香り高きハードボイルド・ロード・ノベル。 内容紹介より



本書は〈デイヴ・ロビショー〉シリーズの第三作目にあたります。
いわゆる“文学”出身の作家が著すミステリ作品のなかには、良くいえば重厚、格式、悪くいえば書き込み過ぎ、もったいぶった表現といったものを感じてしまうことがあります。本書においても、日常風景や景色に触発されたイメージが主人公のなかで言葉としてあふれ出しているような文章形式をとっています。さらに、油井事故で亡くなった父親や暴漢に殺された妻の幻影との会話(ビリー・ボブ・ホランド シリーズでも同じ趣向が用いられていた)も挿まれ、生前の彼らの追想や情景から人生の一端、人間性の一面にも話が及び、主人公の情感を描き出します。これが“文学”作品ならいくらでも主人公をそこに浸らせておけばよいのでしょうが、ミステリ作品として見ると一向に話が前に進まず、後半部分に入るとさすがにくどさを感じてしまいました。自らの裁判が数日後に迫るなか、殺人犯の容疑を晴らすために主人公が追っている男をそっちのけで、わざわざマフィアとトラブルを起こすというあまり意味が分からない本筋から離れる展開より、主人公の養子についてのエピソードに紙幅を割いたほうが全体的なバランスがとれるような気がしました。

『過去が我らを呪う』
ビリー・ボブ・ホランド・シリーズ
『シマロン・ローズ』講談社文庫
『ハートウッド』講談社文庫




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ジャンル : 本・雑誌

『ベベ・ベネット、死体を発見』ローズマリー・マーティン 創元推理文庫

2018-06-01

Tag :

☆☆☆

憧れのニューヨーク。レコード会社で秘書の仕事に就いたベベ。仕事は面白いし、上司は素敵だし、いうことなしの毎日だ。ところがルームメイトのダーリーンにダブルデートに誘われたのがトラブルの始まり。デートの相手がホテルのバスタブで死んでいたのだ。しかもダーリーンが容疑者?冗談じゃない!誰とでも仲良くなれる特技を生かし、ベベは友人の容疑を晴らすべく奔走する。バンドのメンバーに被害者の元恋人と、怪しい人物はてんこもり。お人よしで、ちょっと危なっかしいベベが、周囲を巻きこんでの大騒動。キュートなミステリ3部作第1弾。 内容紹介より



時代は1960年代、舞台はニューヨーク、主人公は、大都会に憧れヴァージニア州から出て来た、サザン・ホスピタリティの気風を備えた、プレイボーイの上司に惹かれるまだまだうぶな22歳の南部美人です。ビートルズが音楽界を席巻している頃、ヒロインの勤めるレコード会社がその二匹目のドジョウを狙ってアメリカに招いたバンドのヴォーカルがホテルで死体となって発見されます。その現場に居合わせたのがヒロインとルームメイト。事件の容疑者となったルームメイトと事件のせいで会社での立場が窮地に陥った上司を救うためにヒロインが事件の謎に挑むというもの。被害者と、他のバンドメンバー、マネージャー、元恋人、それぞれとのトラブルが明らかになり、ヒロインの身にも危険が迫るプロットは代わり映えしませんし、事件の真相も無理矢理こじつけた感があります。しかし、この作品の魅力は、あえて時代設定を1960年代に持って来たこと(ケネディ大統領暗殺事件の影響、生活スタイル、デビュー前のニール・ダイアモンドなどの音楽関連の話)、世間知らずで男慣れしていない(地下鉄が怖くて乗れない、カクテルを初めて飲む、雑誌プレイボーイも初めて目にする、上司の下着姿にドキドキする、などなど)ヒロインの造型にあり、特によく描かれるファッションスタイルは女性読者受けしそうです。



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てんちゃん1号

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