『第二の深夜』 アンドルー・テイラー 文春文庫

2012-11-17

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☆☆☆☆

少年にとっては初めての外国旅行だった。が、同行の父は彼を異境プラハに置き去りにして、姿をくらましてしまう。父はスパイだったのだ。時は1939年、戦争の足音はそこまで近づいている。戦火のヨーロッパで、いろいろな人に身を寄せつつ、少年は人生を学ぶ。そして真夜中と“第二の深夜”の間には何ごとも起こりうることを。 内容紹介より



1935年から1956年までの激動の時期をケンドール家、特に次男ヒューを中心に描いた歴史ミステリ。英国の情報機関の密使がウィーンにおいて任務に失敗したせいで、新たに必要となった任務のためにヒューの父親が臨時の連絡員にスカウトされ、息子を連れてプラハへと向かった。しかし、政治情勢が切迫したため、ヒューの父親はやむなく彼をプラハに残して帰国してしまう。ヒューはチェコのレジスタンス組織の関係者の許に身を寄せ、父親の迎えを待つが、ついに大戦が始まってしまう。やがて、ある事件が起き、彼は身元を偽ってドイツ軍将校の一家に使用人として住み込むことになる。
この作品の特色は主人公ヒューが、政治的な主義主張に染まらず、終始一貫して、それとは無縁な立場に身を置いているところではないでしょうか。少々淡々とし過ぎているような気もするけれど、その姿は爽やかな印象を与えていると思います。戦争や諜報戦で、登場する男性のほとんどが嫌々ながら、または進んで国家のため、あるいは私欲のために身を打つなか、ヒューの心にあるものは、ただ一人の女性への愛情なわけで、この基本形は女性登場人物の多くにも当てはまっています。本書でも触れられているように英国人は戦争をゲームに見立てる傾向があると言われますが、そんなゲームに嬉々として興じる男たちがいる一方で、愛するものを失う女たちの悲哀が、素人スパイごっこの末に、息子を異国の地に見捨てた夫を許すことができなかったヒューの母に表されているように感じました。

『我らが父たちの偽り』 アンドリュー・テイラー サンケイ文庫




第二の深夜 (文春文庫)第二の深夜 (文春文庫)
(1990/04)
アンドルー・テイラー

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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まとめ【『第二の深夜』 アン】

☆☆☆☆少年にとっては初めての外国旅行だった。が、同行の父は彼を異境プラハに置き去りにして、姿をく

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