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『殺しの四重奏』 ヴァル・マクダーミド 集英社文庫

2012-11-23

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☆☆☆☆

警部に昇進して新しい職場に配属されたキャロル。さっそく多発する不審火に目をつける。一方、心理分析官のトニーも六人の研修生たちとチームを発足。行方不明の女子高生をサンプルに活動を開始するが、意外にも有名なTVキャスターのジャッコが犯人像として浮かぶ。キャロルはトニーとともに捜査を始めたが……。CWAゴールド・ダガー賞受賞作のシリーズ第二弾!! 内容紹介より 



ヴァル・マクダーミド初読です。
ロバート・K・レスラーが著わした一連のノンフィクションで流行語にもなったプロファイリングをテーマにした作品で、まず、その言葉自体に懐かしさを覚えました。内容はサイコサスペンスらしい(未読なので分かりませんけれど)シリーズ一作目の『殺しの儀式』と違い、警察小説の趣が強い作品だと思います。異動先の警察署管内で発生する不審火を調べる、警部キャロル・ジョーダンが率いる捜査員たち、過去に各地で起きた複数の少女失踪事件をサンプルとしてプロファイリングを学ぶ、心理分析官トニー・ヒルが選抜したプロファイラー候補者の刑事チーム。そのプリファイリング・チームのなかの女性刑事がサンプル・データを分析しているうちに、ある有名な人物が容疑者として浮かび上がり、彼女が単独でその人物に接触するところからストーリーが大きく動き始めます。容疑者の名声が高く人望があるせいで犯人とは有り得ないとして、警察の上層部に端から相手にされない状況に陥る中、チームがどのように犯人を追い詰めていくのか、そして、新たに犯人に拉致された少女を救い出すことができるのか、という警察小説の醍醐味を十分に味わえるとともに、犯人側からの視点も取り入れているため、徐々に進んでいく捜査の過程とそれに対抗して策を弄する犯人の行動が緊迫感を持って描かれ、読者には始めから失踪事件の犯人の正体が明らかされていることから倒叙ミステリの要素も愉しめる作品になっています。
不審火事件については失踪事件と小さくても何らかの接点があればよかったでしょうし、エピローグにいたっては個人的には欲求不満がつのって不必要たと感じました。

『殺しの儀式』




殺しの四重奏 (集英社文庫)殺しの四重奏 (集英社文庫)
(1999/06/18)
ヴァル・マクダーミド

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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