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『ディミティおばさまと聖夜の奇跡』 ナンシー・アサートン RHブックス・プラス

2012-12-23

☆☆☆☆

双子の息子と過ごす、初めてのクリスマス。待望の雪も積もり、これで「完璧なクリスマス」が迎えられる!そう思った矢先、ロリは家の前で倒れている男性を発見。服はぼろぼろ、身元もわからず、意識不明のまま病院へ運ばれた。調べてみると、これまで男が各地で聖人のような奇跡を起こしてきたことだけがわかった。いったい何者なのか?そして命を削ってまでロリの家にやってきた目的とは?ロリのクリスマスは思いがけない方向へ転がっていくことに。 内容紹介より



ヒロインが小さなコミュニティに住み、莫大な遺産を相続して慈善活動を行う財団を設立しているところなど、リリアン・J・ブラウンの〈シャム猫ココ・シリーズ〉のクィラランを彷彿とさせるところがあります。しかし、〈シャム猫ココ・シリーズ〉をはじめとして一般的なコージーミステリにおいては村や町ではやたら殺人事件が頻発し、住民が減ることはあっても増えることはないのにたいし、このシリーズでは殺人事件などは起こらず、かえって住人が増えそうな傾向にあります。そんな数あるミステリ作品のなかでも独自の路線を行くこの〈優しい幽霊シリーズ〉。今回はクリスマス・ファンタジーと言えるほどファンタジー色が強いように感じました。幼い頃父親を亡くしたヒロインは、その体験から近づくクリスマスに夫や双子の子供たちと理想的なクリスマスを送ろうと準備に余念がありません。そんななか、彼女は自宅の庭でホームレスのような身なりをした男が倒れているのを発見します。この謎の男性の出現と彼の過去を調べていくうちに、ヒロインのクリスマスは、自分と家族や親しい知人たちとで祝う狭い定義のクリスマスから、恵まれない見知らぬ人々のことをも思う博愛のクリスマスへと大きく変化します。謎の男とカトリックの神父のふたりのキャラクターが重なる部分が多いのが気になりましたし、テーマのストレート具合に読んで気恥ずかしさも感じましたが、ヒロインが一つの殻を破り、人間的な成長を遂げていく過程を描いた、この季節にふさわしいなかなか感動的な物語でした。

『ディミティおばさま現わる』ナンシー・アサートン ランダムハウス講談社
『ディミティおばさま旅に出る』ナンシー・アサートン ランダムハウス講談社
『ディミティおばさまと古代遺跡の謎』 ナンシー・アサートン ランダムハウス講談社




ディミティおばさまと聖夜の奇跡 優しい幽霊4 (RHブックス・プラス)ディミティおばさまと聖夜の奇跡 優しい幽霊4 (RHブックス・プラス)
(2010/09/10)
ナンシー・アサートン

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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