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『殺人セミナー』 B・M・ギル サンケイ文庫

2013-02-07

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☆☆☆☆

「メイブリッジ主任警部、できたらこの殺人のあらを捜してみてください」 ― 推理作家たちが三十人、〈ゴールデン・ギロチン・クラブ〉の年次例会に集まったその夜、会長の大物作家グラントが怪死。枕元に謎のメッセージが残されていた。作家同士の確執が続き、捜査が難航するなか、第二の死体が発見された!『十二人目の陪審員』で英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞を受賞、クリスティの衣鉢を継ぐと絶賛される、B・M・ギルの正統派推理最新作。 内容紹介より



以下、ややネタバレ気味です。ご注意下さい!


ミステリ作家クラブの例会に講師として招かれたメイブリッジ主任警部。彼は講演会において会員たちが書いたミステリ作品を俎上に上げ、警察官の目から見て気付いた欠点や問題点を次々に指摘していた。という経緯があって犯行現場に犯人から警部に宛てた挑戦状が残されていたと思われるのです。被害者の首には焼肉用の串が刺さっていましたが、それは死後に行われ、直接の死因は薬物の過剰投与です。例会には、妻の愛人である被害者の秘書のほか、被害者との間にできた赤ん坊を連れた元愛人、被害者から盗作を糾弾されている老作家とその息子、無断で作品の登場人物のモデルにされた作家など、被害者との間に問題を抱える会員が参加しています。
このように本書は正統派であり本格派の推理小説の様式をとっているのですが、
「素人がいともあさましい死を描いた本を夢中で読むなんてことは異常なことである」「他人が犯した人殺しの話を、わがことのようにわくわくしながら読む人間たちから金をしぼりとっている、無気味な想像力を持つ男女である」(p6)、と推理小説の読者や作家について、こんな独白を主任警部にぼやかせているように、いかにも英国ミステリらしい皮肉で自虐的なユーモアも備えた作品にもなっています。それから、事件がすっかり解決したかと思いきや、最終盤のおける「意外な事実の判明」という展開にはちょっと時代を感じてしまいました。

『十二人目の陪審員』B・M・ギル ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫




殺人セミナー (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)殺人セミナー (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)
(1986/10)
B・M・ ギル

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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