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『ネコ好きに捧げるミステリー』 ドロシー・L・セイヤーズ リリアン・ジャクソン・ブラウンほか 光文社文庫

2014-03-07

☆☆☆

―【猫】食肉目ネコ科の哺乳類。古代エジプトより家畜となり、神聖視される一方、魔性のものともされる。夜行性で音をたてずに歩き、感覚器官のひとつである長いひげをもつ。寿命は20年近くとされるが、最高寿命31年の記録もあり、愛玩動物中もっとも長命である。―愛すべきペットが魔性の化身か。ドロシー・L・セイヤーズ、リリアン・J・ブラウン、ヘンリー・スレッサーなど12人の大物作家が趣向を凝らして筆を競う、ネコ派人間必読の短編集! 内容紹介より



EQ編集部によるネコミステリーのベストセレクト12編。

「替え玉」パトリシア・モイーズ
資産家の娘と結婚した男が、妻を精神不安定にして、財産の乗っ取りを企む。まず彼は妻が旅行中に彼女が溺愛する飼い猫を入れ替える計画を立てる。かなり都合の良い流れが気になりました。

「猫の子」ヘンリー・スレッサー
『猫に関する恐怖小説』(徳間文庫)に「僕の父は猫」で収録されている作品。猫と人間の間に産まれた青年がアメリカからフィアンセを連れ帰り、彼女に父親を紹介するまでの話。微苦笑が浮かぶというやつか。

「灰色の猫」ジョイス・ハリントン
ある施設に入っている少女は常々施設の管理人の女から嫌がらせを受けていると思い込んでいた。可愛がっていた野良猫を女が殺したのではないかと疑った少女は復讐とこれまでの鬱憤を晴らすために管理人を殺そうとする。状況設定のミスリードが巧く、最後の仕掛けもなかなかのもの。

「ウェブスター物語」P・G・ウッドハウス
『猫文学大全』(河出文庫)に「ウェブスターの物語」として収録されている作品。疎遠になっていた牧師である叔父の依頼で、彼の飼い猫の面倒をみることになった画家の甥。教会で飼われていたため不道徳な行いや不謹慎な言葉使いを嫌う猫の影響を受けた甥は品行方正な人間に嫌々ながらなっていくのだが……。魔性を帯びた怪猫もあるものには弱いという話。

「猫で殺す」メアリ・リード
「だとすりゃ、猫を使って人をあの世へ送る方法つったら、剥製にしたやつで頭をぶんなぐるっての以外にゃないぜ!」。巧い殺人方法の話題で盛り上がっているパブに、常連客が箱に入った仔猫を連れてやってきた。その仔猫は階段から落ちて脚を怪我して動けない妻へのプレゼントだと言うのだが……。猫を使って妻を殺す方法。

「ラヴェラ―が行く」J・v・d・ウェテリンク
銅製品を蒐集していた夫人の所有する砲弾が爆発し、彼女と飼い猫が死んでしまう。虐げられていた夫が容疑者となるが、確たる証拠が上がらない。『不思議の国のアリス』が引用されるのだけど、全体にタガが外れた感じを受けるのはそのせいなのかも。それも意図してやっているのでしょうか。何だか話は拙い。

「八時三十分の幽霊」リリアン・ジャクソン・ブラウン
『猫は14の謎をもつ』 (ハヤカワ文庫HM)に「ススと八時半の幽霊」 として収録されている作品。
ある姉妹のアパートに越してきた車椅子に乗った風変わりな老人。猫の生まれ変わりだと言うその老人に姉妹の飼猫は非常に懐き、彼が訪ねてくると甘えていたが、彼がアパートからいなくなった後もある時間になると彼に甘える仕草をするのだった。

「彼はあたしのもの」ステラ・ホワイトロー
彼との相思相愛な関係に、ある日仔猫が割り込んで来て、その上、彼の婚約者まで現れてしまうという話。

「キプロス猫」ドロシー・L・セイヤーズ
猫嫌いだけれど猫には好かれる男、彼の親友とその妻の話。なぜ男は親友の妻を撃ち殺してしまったのか。

「猫の重罪」L・J・リトケ
猫に似た男と彼を子供の頃からいじめてきた同級生の正体。尻尾がある時点で猫そのものではないのか。そうとうバカバカしいお話でした。

「ネコにヴァイオリン」エドワード・D・ホック
クローズド・サークルとなった島で起きる、マザーグースの童謡になぞらえた連続殺人。いうまでもなくクリスティの作品をなぞらえたもの。この作家らしい出来上がりといえばそうですが、なにか残念。

「老友モリー」クラーク・ハワード
亡き妻が可愛がっていた猫が行方不明になってしまった年金暮らしの老人とその猫探しを手伝う街の不良グループのリーダーを描いた話。暗くて悲惨なストーリーですが、ハートウォーミングな読後感が残る佳作。




ネコ好きに捧げるミステリー―ベストセレクト12編 (光文社文庫)ネコ好きに捧げるミステリー―ベストセレクト12編 (光文社文庫)
(1990/11)
ドロシー・L・ セイヤーズ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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  • Author:てんちゃん1号
  • 海外ミステリなどの感想を誤字脱字、表現・文法間違いを交え、思い込みと偏見を持って書いています。そんな素晴らしいブログなのでリンクとか何でもフリーです。異次元、霊界、他惑星からもお気軽にどうぞ。

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