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「ひとたび人を殺さば」ルース・レンデル 角川文庫

2006-04-11

☆☆☆☆

ロンドンの甥を訪ねたウェスクフォード警部は退屈していた。仕事を取りあげられたのでは島流しも同然だ。ところが、ロンドンのどんな名所より彼の関心を引くことが持ちあがった。逗留先の近くの墓地で、絞殺死体が発見されたのだ。被害者は若い娘だった。ウェスクフォードは、やはり警察官である甥に協力して捜査に当たることになった。いわば“私立探偵”である。不思議な事件だった。聞き込みを重ねても、被害者の身元が割れないのだ。名前は偽名だった。周囲との交際もなく、一人ひっそりと暮らしていたらしい。こんな影の薄い女が、なぜ、誰の手で、殺されねばならなかったのか?ニ転三転、捜査は意外な結末に辿りつく。 あらすじより



肥満と高血圧のため長期休暇を余儀なくされたウェスクフォード警部は、首都警察警視である甥の家に療養のため滞在しています。出される食事や散歩コースなど、警部とその夫人や甥夫婦の思い込みや齟齬が可笑しいです。
130ページあたりで事件を解決してしまったものと思い込んだ迷探偵なわたしも可笑しいのですが…。ころりと作者のミスリードに嵌まってしまいました。まんまと騙されたので誉めますが、これは佳作ですよ。今まで読んだ中で一番出来が良いと思います。こちらが予測する話の流れを見事に裏切りますね、レンデルさんて。

マゴーンやブランドは、ストーリーの最後半部分であれこれと容疑者たちを犯人として挙げてはそれを打ち消していくという作業を繰り返し、真のラストに真犯人を指摘します。所謂、読者を惑わせ戦意喪失させるパターンですが、読者がじれてどうでも良いやみたいな気にさせるので、サプライズ効果薄くなる恐れもあります。
一方、レンデルは、読者が犯人と思った容疑者を物語の途中で否定していく手法なですが、その度にサプライズを味わえる効果があります。
この作品はそういう意図が見事に成功していると思います。
以下、少しネタバレです。






しかし、その手法にこだわるあまり、手持ち札が無くなったかのようにワンペアというありふれた手札(真相)で終わったのは実に惜しい。

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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