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『ダルジール警視と四つの謎』レジナルド・ヒル ハヤカワ文庫HM

2015-05-13

☆☆☆

九十キロを越す巨体、無作法、口の悪さは超一級―そんな型破りの“アンチ・ヒーロー”、ダルジール警視は、その桁外れの魅力でミステリ・ファンの圧倒的な支持を受けてきた。本書では、彼が部下のパスコー警部とともに四つの難事件の謎に挑戦する。ダルジールとパスコーの出会いを描いたものや、2010年の近未来を舞台に、月面で初めて起きた殺人事件の顛末など、英国ミステリ界きっての実力派が贈る魅力あふれる中篇集 内容紹介より



「最後の徴集兵」
中部ヨークシャー警察に移動してきたパスコー刑事が、初めてダルジール警部(共に当時)と出会った日に遭遇した事件を描いた作品。徴収された乱暴者の兵士が軍のなかで問題を起こし何度も刑務所に収監され、そのたびに二年間の徴兵期間が延びてしまう。それが原因で母親の死に目に会えなかったことを逆恨みしたその男がダルジールと、居合わせたパスコーを拉致して監禁してしまうという話。男をだたの乱暴者に設定せず人情話を挟んでいるところに特徴を感じました。

「パスコーの幽霊」
幼馴染みと結婚した人妻の失踪事件を手がけるパスコー警部の話。幼馴染みの七人と失踪した人妻の兄、彼らの間に隠された秘密が徐々に明らかになっていく。果たして彼女は彼らのなかの誰かに殺されたのだろうか……。300ページ弱の読み応えのあるサスペンスに満ちた作品。なのですが、後半、私邸で事情聴取を行うという間抜けな設定は、結末へ繋げるためとはいえ興をそぐ気がしました。某大物作家の作品を思い出しました。

「ダルジールの幽霊」
パスコー夫妻の友人夫婦が改装した農場の中の一軒家で、奇妙な音や感じがするという。その話を聞いたダルジール警視によると幽霊には原因が三つあるそうで、それは、まずい料理、換気の悪さ、良心の痛み。そこで彼とパスコー警部はその正体を明らかにするため屋敷に一晩泊まりこむことに。だが、ダルジール警視のもくろみは別のところに。まあまあ。

「小さな一歩」
引退して年金生活をおくるダルジール元警視がヨーロッパ連邦司法省イギリス長官に出世したパスコーと共に、月面で起きた殺人事件を捜査するというSFミステリ。あまり食指が動かなかったのですが、読んでみたら捻ったうえにさらに捻るというしっかりしたプロットでした。ただ、面白かったかといえば、微妙。サイエンスの部分でなにか欲しかったところ。




テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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