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『15のわけあり小説』ジェフリー・アーチャー 新潮文庫

2015-06-18

Tag : 短編集

☆☆☆

宝石商から18カラットのダイアの指輪をまんまとせしめる「きみに首ったけ」。大胆な保険金詐欺を企む「ハイ・ヒール」。信号待ちをしている間に恋に落ちる「カーストを捨てて」など15の短編を収録。思わず「やられた!」と叫びたくなる、驚きのエンディング。くすっと笑い、鮮やかに騙され、ホロリと涙する―。そう、面白いには“わけ”がある。巨匠がこだわりぬいた極上の短編集。 内容紹介より



タイトルに*印がついている作品は、「よく知られた事件に基づいたもの」(まえがきより)。

「きみに首ったけ」*
婚約者にそそのかされて、宝石店から高価な婚約指輪を盗み出す計画の片棒を担ぐことになった男の話。犯行の手口が、たしかヘンリー・スレッサーの『快盗ルビイ・マーチンスン』で使われたものと同じだと思います。

「女王陛下からの祝電」*
百歳の誕生日を迎え、慣例通りに女王陛下から祝電が届いた老人は、三年後、今度は妻へ届くはずの祝電がいっこうに届かないことを不思議に思う、という先が読めてしまう話。

「ハイ・ヒール」*
これも誰かの作品で読んだことがあるような気がしました。火災保険金詐欺を暴く損害査定人の話。

「ブラインド・デート」
ロアルド・ダール風な苦いユーモアのある作品。カフェの席に座り、隣の席についた客の容姿や年齢などについて推理することを密かな楽しみにしている目の見えない男性の話。ある日、彼の隣には女性客が座るのだが……。

「遺書と意志があるところに」*
余命僅かな老人に取り入り、その財産をかすめ取ろうと企む美人看護師の話。彼女が本来の相続人たちから裁判に訴えられないように採った計画が秀逸でした。

「裏切り」*
強盗犯は逮捕したものの、奪ったダイヤモンドの隠し場所がつかめない警部補は、犯人と同房になる囚人に取引を持ちかけ、ダイヤの在り処を探り出すよう依頼する。

「私は生き延びる」*
グロリア・ゲイナーの大ファンである骨董品店主。当の本人が彼の両隣の店へ連日立ち寄るという出来事が起きる。羨ましくて仕方がない彼の店に、ついに彼女が姿を現し、ロシアの高価なアンティーク品に目をつける。しかし、それは売約済みの品だったのだが……。

「並外れた鑑識眼」
放蕩三昧で若くして死んだ天才画家の作品にまつわる物語。彼のパトロンであった男の子孫にあたる神父に、教会の屋根の雨漏りの問題が持ち上がる。神父に謎の男がある取引を持ちかける。

「メンバーズ・オンリー」*
ジャージー島に住む女性と島の名門ゴルフコースに惚れ込んだイングランドの男性の人生を切り取った話。島の生まれでないとなかなか会員になれないという厳しい条件がある名門ゴルフクラブ。
会員になろうと努力する彼の人生を、ナチス・ドイツ占領下の島のエピソードを交えて描いた良品。

「外交手腕のない外交官」*
スーダン総督だった祖父、外務省に努めていた父、その二人の後を追うように外交官になった男。
しかし、彼にはまったく外交官としての才能がなく、結局、外務省の文書保管事務所に定年まで勤めた。しかし、野望を持つ彼は、一七六ニ年に制定され、現在も失効していないある古い法律に目を付ける。これもどこかで読んだ気がします。

「アイルランド人ならではの幸運」*
バカンスで訪れたスペインの島で、偶然に不動産業を営むことになったイギリス人の男性。やがて彼は島の開発にも関わるようになる。そして大規模な土地開発計画を手がけ、銀行から多額の資金を調達し、行政からの許可もおり、建設も始まった頃、スペインの国政選挙が始まる。ところが投票の結果、キャスティング・ヴォードを握ったのはある少数党だった。その後の悲喜劇。

「人は見かけによらず」
人品卑しからぬ人物、見たからに怪しい人物。これまた先が読めてしまう作品。

「迂闊な取引」
不治の病に侵された冷酷な銀行頭取が悪魔と交わした取引の話。悪魔は、受付の若者と頭取の人生を交換することを提案する。悪魔との取引にはいろいろ裏があるという、よくある小話。

「満室?」
観光に訪れたイタリアの町で、所持金が乏しくなった若者はこじんまりしたホテルで一夜の宿を乞うが、フロントの優雅で華奢な美女に満室だと断られてしまう。しかし、キャンセルが出たら泊まることができると言われた彼は、ホテルの最上階で待つことに。深夜十二時を過ぎて、フロント係の女性が案内した部屋は……。てっきりホラーかと。

「カーストを捨てて」*
一目惚れしたプレイボーイの恋の行方とカーストの違いを乗り越えて成就した愛の先にあったものとは。

『十一番目の戒律』
『十二の意外な結末』




テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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