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『災いの小道』キャロリン・G・ハート ミステリアス・プレス ハヤカワ文庫

2018-06-15

☆☆☆☆

ジャーナリズム学科の女学生マギーが課題として選んだのは、過去の未解決事件三件の最調査レポート。だが調査に着手した矢先、彼女は他殺死体で発見される。死体が放置されていたの〈恋人たちの小道〉、1988年の殺人事件の現場だった—マギーを指導していたヘンリー・Oは独自の捜査を開始する。過去と現在、交錯する謎の深淵に潜む衝撃の新事実とは? 内容紹介より



本書はヘンリー・O シリーズの第三作目にあたります。元新聞記者である主人公が個別指導するジャーナリズム学科の女子大生が、調査報道の研究テーマに選んだのが、過去に大学町で起きた未解決事件です。1988年と1982年に発生した射殺事件、1976年の失踪事件、この三件を再調査するというもの。自らの美貌と才能を鼻にかけている女学生に主人公は慎重で入念な調査をすることを条件に許可しますが、大学の機関紙であり地元紙でもある新聞に過去の事件についての情報提供を呼びかける広告を出した途端に主人公に大学関係者から圧力がかかり、女学生は他殺死体となって発見されます。
容疑者もなく迷宮入りした恋人同士の大学(院)生二人の射殺事件、妻が容疑者として裁判にかけられたもののアリバイを証明する人物の証言で逆転無罪となった地元の有力者の射殺事件、大学構内から忽然と姿を消した大学教授の事件。発生した時期も場所も異なるこの三件になんらかの繋がりがあるのか、関連のない別々の事件ならば、どれが女学生殺人のきっかけとなったのか、または、まったく別の動機によって殺されたのか、過去の真相が明らかになると困る人物たち、彼女に愛憎や恨みを抱いていた人物たち、謎と容疑者は豊富に効果的に提示されています。三件の事件について同程度のボリュームを持たせてないところ、主人公が真犯人と確信した根拠が乏しいところなど弱点もありますが、未読の『死の散歩道』以外に、わたしがこれまで読んだ作者の作品のなかで、本書がベストではないでしょうか。

ユーザータグ:キャロリン・G・ハート




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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