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『要塞島の死』レーナ・レヘトライネン 創元推理文庫

2018-07-07

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☆☆☆

出産休暇の最後の週末を利用して、夫と娘とともにレードシャール島を訪れたマリア。かつて要塞だった島は、今は船舶塗料メーカー、メリヴァーラ社が購入し、一般に開放していた。マリアが島に行きたかった最大の理由は、昔の恋人がそこで事故死していたことだった。島から帰ってからも、メリヴァーラ一族との縁は切れなかった。息子が動物愛護のデモに参加し騒ぎを起こし、さらに経営者である当主が島で死体で発見された。休暇明け、警部に昇進したマリアが因縁の島で起きた事件捜査に奔走。フィンランド人気ナンバーワン作家のシリーズ第三弾。 内容紹介より



一年前にヒロインの元恋人で鳥類学者だった人物が事故死した島は、自然環境に優しいをうたい文句にする船舶塗料メーカーが所有しています。会社のオーナーが不審死をとげた日は、くしくも元恋人の遺体が発見された日と同じでした。捜査の結果、死因は他殺とみられ、被害者の妻、娘、息子、継母、異母弟、その友人女性、娘の恋人が容疑者として限定される状況と犯行現場が孤島であること、この二つの点はいわゆるクローズドサークルもどきです(ただし、事件当日の深夜に船のエンジン音が聞こえたとの証言があり外部の者による犯行の可能性もある)。そこでヒロインによる各容疑者への取り調べが始まる訳ですが、こういう事件での事情聴取の場面が退屈になってくるのは致し方ないものですけれど、容疑者たちの個性が地味目であり、やはりなにがしかの隠れた動機とか暴露話などが明らかになる展開が欲しかったところではあります。さらにヒロインの一人称であるので視点の変化がなく全体的に単調(読者の目を覚まさせるような爆弾も用意されてはいるにしても)になってしまっているような気がしました。警部に昇進し課長となったヒロインの職場での職務や人間関係、そして子育てを主とした私生活についてのこもごもの感情が描写されるとともに、環境問題やエコテロリストなどの社会問題も取り入れて物語にふくらみを持たせようとする作者の意図が感じられる作品でした。

『雪の女』
『氷の娘』




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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