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『ニューオーリンズの葬送』ジュリー・スミス ハヤカワ・ミステリ

2018-09-26

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☆☆☆

ニューオーリンズの街を熱くするカーニヴァルの興奮は、山車にのった〈王〉の登場で頂点に達した。そのとき、沿道のバルコニーにいたカウガール姿の人物が腰の拳銃を抜き、おどけた調子で〈王〉に狙いをつけると、引き金をひいた。次に瞬間、〈王〉は床にくずおれた!事件を目撃したスキップ・ラングドン巡査は、被害者を知っていた。学校時代の友人の父親—ニューオーリンズの政財界を牛耳るサンタマン家の主人チョンシー・サンタマンだ。市民権運動の熱心な活動家として人望も厚かった彼が、なぜ?サンタマン家の知りあいということで交通巡査から殺人事件の捜査に抜擢されたスキップは、初めての経験にとまどいと興奮を覚えながら捜査に当った。だが、旧家の歪んだ人間関係の裏には、思いも寄らない衝撃的な秘密が……。猥雑なエネルギーに満ちた街を舞台に、旧家の悲劇を重厚な筆致で描く、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。 内容紹介より



主人公は身長が180㎝を超える大女でそれがコンプレックス、警察官というブルーカラーになったために医者の父親とは長年口をきかないほどの不仲。そんな彼女がカーニヴァルの交通警備をしていた目の前で街の有力者が射殺されてしまいます。人権擁護や芸術家への支援など広く行って来た被害者が何故祭りの最中に殺されたのか、父親の職業柄街の上流階級の人間と知りあいだった主人公は巡査の身ながら事件の捜査に加わります。被害者の妻、息子、娘、一家の友人、そして主人公、この複数の視点が入れ替わって物語が進むのですけれど、被害者家族とその友人はどれもこれも過去の夫婦関係や親子関係、人間関係で常に悶々としているシーンばかり。事件を契機に明らかになる名家の醜聞という典型的なテーマで、登場人物たちの人間関係と彼らの心の動きを入念に描いた心理ドラマではあるものの、思わせぶりな傍白と報われない愛情と憎しみに懊悩とする姿がくどく、読み続けていくとかなり面倒くさくなりました。ベテランの殺人課の刑事に混じって、あまり期待されず独自に捜査を進める主人公なので、警察小説というより警察ミステリみたいな形態をとっています。被害者の家族と友人それぞれの視点から見た主人公の存在が各々違って面白いのと、鍵となる謎のコールガールの正体が意外なことぐらいでしたが、ユニークなヒロイン像ではあると思います。




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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