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『狩りの風よ吹け』スティーヴ・ハミルトン ハヤカワ文庫HM

2018-10-17

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☆☆☆

30年ぶりの再会だった。私立探偵アレックスのもとを訪れたのは、かつてバッテリーを組み、共に一流のメジャーリーガーを夢みた親友だった。その夢を捨て、音沙汰のなかった彼が、昔の恋人の捜索を依頼してきたのだ。アレックスは旧友のために彼の最愛の女を追うが、まもなく何者かに暴行を受け監禁される……やがて明らかになる悲劇的な真相とは?雪解けの水のように清らかな感動があふれる、現代ハードボイルドの収穫 内容紹介より



以下、少々ネタバレしています。ご注意下さい!

〈アレックス・マクナイト〉シリーズの第三作品目。二作目の『ウルフ・ムーンの夜』は未読です。
主人公がマイナーリーグの3A時代にバッテリーを組んだ旧友が三十年ぶりに姿を現し、かつてメジャーリーグに登録された時に知り合った恋人を捜して欲しいと依頼してきます。彼はたった一度だけメジャーの試合に登板する機会に恵まれるも、めった打ちにあい、それ以来彼女との関係を一方的に絶ったのでした。主人公は気が進まないながら、友人とともにわずかな手がかりを求めて彼女の足跡をたどりますが、ようやく彼女の家族が住んでいる家を訪ねるとそこで思わぬ事態に遭遇します。
主人公は警官時代に銃撃され相棒を亡くし、そのトラウマで警察を辞め、自身も体内に銃弾が残っている状態です。挫折し気乗りしない私立探偵業をやっているという状況で、美女探し、頭に一撃などハードボイルドの構成要素が見られますし、ロードノベル風でもあり、また悪女ものでもあります。過ぎ去った若かりし頃の夢と挫折、中年になった今現在の人生を対比させ郷愁と哀切、諦観みたいな感情を描き出す趣向を用いています。昔の恋人が隠れ住む田舎町の重苦しい雰囲気がそれまでのからりとしたものから一変しクライマックスへと雪崩れ込んでいく展開はなかなかのものです。残念なのは元恋人が思い出に残っているような人物ではないことが読者に早めに見当が付いてしまうことであり、第二の主人公である悪女の存在感を強く印象づけるエピソードが希薄なところです。非常にアメリカ的な作品だと思いました。

『氷の闇を越えて』




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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