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『大道商人の死』ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク 創元推理文庫

2019-05-10

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☆☆☆

家人が死んでいるとの通報を受けて、現場へ急ぐフライプストラ警部補とデ・ヒール巡査部長、だが現場付近ではデモ隊と機動隊が睨み合いを続け、思うように進めない。ようやく被害者宅へたどりついたのは、無線を受けてから四十五分もたってからだった。顔をめった打ちにされた被害者は、はぶり良く暮らしていた大道商人であった。その彼がどうしてこのような最期を遂げる羽目になったのか?お馴染みの名コンビは、被害者の過去を探る。やがて、捜査線上に浮かび上がってきたものは……?警察小説の白眉! 内容紹介より



本書は1977年に発表され、日本では1987年に邦訳されているオランダを舞台にした警察小説です。シリーズ化していて本書を含めて四冊が邦訳されているようです。
大道商人が自室で顔をひどく潰されて死んでいるのを同居中の妹が発見し、アムステルダム警視庁の三人の警察官が捜査に当ります。折しも現場付近では機動隊がデモ隊を警戒中であり、犯行時刻に不審者は目撃されておらず、犯行の手口と凶器の種類が謎になっています。また、被害者は周囲の評判も良く慕われていた人物であり、動機も不明です。前回読んだレジナルド・ヒルのダルジール警視シリーズみたいに、主要な登場人物は警視、警部補、巡査部長と似たような構成になっています。事件の裏に複雑な動機が隠れているようなものでもない、三面記事に載りそうないたって一般的な犯罪をこれまた庶民的な警察官が捜査する話なのでダルジール警視もののような娯楽性の高い切れの良いミステリと比べると物足りなさが残ります。ただ興味をひくところは、刹那主義的な被害者の人生のとらえ方が強調されるので、その点は作者の考えが表されているのかもしれません。訳文の中でも特に会話部分の言いまわしに時代を感じた一方、運河とボートハウス以外にはオランダらしい情景が描かれていないので異国情緒にはひたれませんでした。




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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