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『惨劇のヴェール』ルース・レンデル 角川文庫

2019-10-10

☆☆☆☆

ウェクスフォード、テロに遭う!後から思えば、ウェクスフォードはほんの一足違いで事件を逃したのだった。その同じ偶然が、娘の車に仕掛けられた爆弾でばらばらに吹き飛ばされるのから、間一髪かれを救った。入院したウェクスフォードに代わって捜査の指揮をとったバーデンは、死体発見者の女性の息子を犯人とにらみ、取りつかれたように取り調べす進めた。だがその時かれは母と子の関係の底に隠された、摩訶不思議な、同時に恐るべき影の存在に気づかなかった。そして事件の本当の恐ろしさにも。ウェクスフォード・シリーズ、最大最高の長篇! 内容紹介より



本書は、ウェクスフォード・シリーズの14作目にあたり、1988年に発表されています。
ショッピング・センターの地下駐車場で中年女性の絞殺体が発見され、ウェクスフォード主任警部が捜査にあたりますが、警部自身が爆弾テロの被害を受け入院したため、部下であるバーデンが捜査の指揮をとることになります。彼は死体発見者の息子が犯人だと確信して取り調べを進めます。母親と二人暮らしで、心理療法士を受診する、その容疑者の様子に異様なものを感じたバーデンが、幾度も面談を重ねるにつれ、容疑者の態度に変化が起き始めます。ウェクスフォード・シリーズとノン・シリーズのふたつを掛け合わせたみたいな作品に仕上がっている本書は、死体発見者の息子の造形と、彼とバーデンとの一連のやり取りとそれにつれて変化する彼らの関係性が読みどころなのでしょう。本書の心理的な息苦しさをふくむサスペンス性の部分をバーデンが受け持ち、ミステリ自体はウェクスフォードが解き明かすという二重性を持たせているという点ではかなり凝ったプロットだと思います。サスペンスに目が行きがちになりましたが、雑誌に掲載されている読者の人生相談欄が事件の謎を解く重要なヒントになっているところに著者の巧さを感じました。また、爆弾犯が狙った真の標的にも捻りが加えられて軽いアクセントになっています。

ユーザータグ:ルース・レンデル



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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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