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『Xに対する逮捕状』フィリップ・マクドナルド 創元推理文庫

2020-03-23

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☆☆☆☆

米国の劇作家シェルダン・ギャレットは自作公演でロンドンを訪れた。初日を成功裏に終え無聊を覚えた日曜の午後、立ち寄った喫茶店で女二人の会話を盗み聞きする成り行きに。いとも曖昧な断片ながら犯罪の匂いを嗅ぎ取ったギャレットは防がんと行動を開始する。相手にされないこと数度、やがてアントニイ・ゲスリンと面談。ゲスリンが動くや女の身許は割れたが行方は知れず、関係者の死、ギャレット自身も奇禍に遭うなど、行く手は困難を極めて……。興味深い発端、論理的な謎解き、緊迫の終局。巧みな展開が小気味よい、マクドナルドの代表作。 内容紹介より



本書は1938年に発表されたアントニイ・ゲスリン大佐を主人公にした作品です。ロンドンを訪れたアメリカ人が偶然立ち寄った喫茶店で二人の女性の間で交わされる、犯罪に関する密談を耳にしてしまいます。店を出た彼は彼女たちの後を追いますが、後ろ姿だけしか目にすることができす行方を失ってしまいます。身内が犯罪に巻き込まれたことがある彼は重大な犯罪が行われるのを危惧して警察に届け出ますが相手にされません。そこで彼は友人の伝でゲスリンと面会し、協力を頼みます。女たちの一人が喫茶店に置き忘れた切符と買い物のメモ書きから、彼らは行方を探ることに……。
犯罪を未然に防ごうと懸命な捜査を行うという珍しい趣向がとられている作品で、一片の紙切れから謎を解く妙味、犯行計画を解き明かすスリル、犯罪者からの反撃が生むサスペンス、それからロマンスも添えられている盛り沢山な良い物語です。でも、やはりちょっと古めかしくはあります。時々各章の導入部に映像を意識した描写を施しているところは、脚本家としても活動していた一面が現れているように思います。それから米英の話し言葉の微妙な違いや、イギリス人からはやや無礼とも思える直情径行なアメリカ人像が盛り込まれて、そこのところにロンドンにやって来たアメリカ人という設定が効いているみたいに感じました。

『鑢 名探偵ゲスリン登場』
『迷路』ハヤカワ・ミステリ
『ゲスリン最後の事件』
『ライノクス殺人事件』




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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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