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『ダンスは死の招き』ロバート・フェリーニョ 講談社文庫
2020-03-29
- Category : ☆☆☆
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最高裁判事の父親が殺された夜、事件記者クィンは別れた妻と愛娘のダンスを見に行っていた。そのステージに、死んだと思っていた「ダンスの天才」ジョーおじさんが車椅子で登場した!喜びもつかの間、愛する者たちに迫る殺人者の魔の手。犯人を捜すクィンだが……。最高傑作ハードボイルド・サスペンス! 内容紹介より
義理の父親である判事が最初の被害者となって始まった連続殺人事件を追う事件記者が主人公です。殺人犯の正体は物語のはじめで明かされていますが、その動機は伏せられています。次第に疎遠になったままの関係で亡くした義父への悲嘆を抱えつつ、また別れた妻と一人娘、そして現在の若い恋人、この二組の間を複雑な感情を抱いてうろうろする主人公の造形とその感傷がやや鼻についてしまいました。ハードボイルドとノワールをくっつけたみたいな作品ですけれど、主人公は今ひとつだし、殺人犯をこんなふうに奇天烈な造形にする必要があったのか不思議だし、裏で糸を引いていた人物も彼が持つ理想と比べて不自然だしで全体的に完成度が低いように感じました。なので個人的には決して「最高傑作」というほどの出来ではないという印象です。
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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌
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