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「修道士カドフェルの出現」エリス・ピーターズ 光文社文庫

2008-06-10

Tag : 短編集

☆☆☆

ーー 時は1120年の晩秋。国王ヘンリーは16 年にもわたって続けられていた戦闘に終止符を打ち、イングランドとノルマンディの所領を統一することに奏効した。そして王のために戦った諸侯や騎士たちの中に、経験豊かな練達の戦士カドフェルはいた。(「ウッドストックへの道」)

ーー カドフェルがいかに天の啓示を受け、修道院にたどり着き修道士になったのか。その経緯を描いた作品を含む、シリーズ唯一の短編集。全21巻完結。内容紹介より



「ウッドストックへの道」
いかにしてカドフェルは悟りを開き、僧坊に入ったのか、みたいな。
仲間と人生を振り返る場面が味わい深い。

「光の価値」
この作品は、『誰にでもある弱味 イギリス・ミステリ傑作選'79』(中村保男 訳)にも「お灯明の代価」という題名で収録されています。

クリスマス・イブからクリスマスにかけての話です。クリスマスの奇跡、幽霊(聖母マリア様を幽霊呼ばわりしてすみません)とくれば、クリスマス・ストーリーの約束事を連想しますね。『贈り物 クリスマス・ストーリー集1』(長島良三 編 角川文庫)の長島良三さんの解説で知ったのですが、チャールズ・ディケンズが言い出したクリスマス・ストーリーの条件には、子供を登場させ、奇跡が起こらなければいけないそうです。また、エラリイ・クイーンは、クリスマス「物語そのものに、《美と光》とを指向すること」と言っているとのこと。長島さんはそれらの条件に「幽霊を登場させる」ことを付け加えています。残念ながらこの短編には子供は登場しませんが、たぶん偶然にも美しい幽霊(マリア様のことです、たびたびすみません)が光の中に現れ、奇跡が起きています。

「目撃者」
「光の価値」がカドフェルものの雛形みたいな作品とすれば、これはエリス・ピーターズが作品に仕込むレッド・へリングの傾向がよく分かる作品かもしれません。


修道士カドフェルの出現?修道士カドフェル・シリーズ〈21〉    光文社文庫修道士カドフェルの出現?修道士カドフェル・シリーズ〈21〉 光文社文庫
(2006/05/11)
E・ピーターズ

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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