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『春を待つハンナ』エヴァン・マーシャル ヴィレッジブックス
2009-08-31
- Category : ☆☆
Tag : エヴァン・マーシャル
前回、愛猫ウィンキーとあざやかに事件を解決し、一躍“ノース・ジャージーのミス・マープル”として有名になった著作権エージェントのジェーン。でも依然として事務所の経営は火の車で頭を抱えていたところ、超人気歌手ゴッデスの代理人をやらないかという耳よりな話が持ちこまれた。いそいそとゴッデスとの初対面に臨んだ場で、なんと仲立ちしてくれた編集者が無惨な姿で発見される。何日か前に開いたひとり息子ニックの誕生日パーティーでは首吊り死体を発見してしまうし、どうしてジェーンの行く先々に死体が?今度もウィンキーの手を借りて、みごと事件解決となるのか?好評シリーズ第二弾。 内容紹介より
前作『迷子のマーリーン』で好ましく感じた主人公の性格、嫌いな人物にたいしても思いやる気持ちみたいなところが今回は見られず、ただのシニカルな心を持つ人間になってしまっていて残念でした。こういう性格の主人公はかなりたくさんの作品で見られますから、何かもっと情緒豊かにしたり感情のひだを描くなり個性の部分で他と差別化したほうがよろしいのではないのかと思います。物語は三毛猫ウィンキーが異常な行動をとったり、真犯人の意外性とかが、一時期のリリアン・J・ブラウンの〈シャム猫ココ・シリーズ〉を彷佛とさせますが、プロットは本書のほうが入り組んでいます。ただ、それが妙に力業みたいに無理矢理っぽくて、論理的でない推理の流れ、説得力のない犯人の行動が目につきました。猫の異常行動が科学的に説明されている点は、ブラウン女史のそれとはまた違った面白さがありました。
春を待つハンナ―三毛猫ウィンキー&ジェーン〈2〉 (ヴィレッジブックス) (2005/01) エヴァン マーシャル 商品詳細を見る |
テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌
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