FC2ブログ

『ボニーと風の絞殺魔』アーサー・アップフィールド ハヤカワ文庫

2009-12-18

Tag :

☆☆☆☆

その絞殺魔はオーストラリア特有の激しく吹き荒れる砂嵐の夜に、跳梁した。ニュー・サウス・ウェールズ州最西端の小さな町キャリーの住民は、嵐の夜に必ず現れ、嵐のために足跡がつかめぬ絞殺魔の所業にふるえあがっていた ― そんななか、ジョー・フィッシャーと名乗る一人の渡り牧童がキャリー町をめざして歩いていた。しかし、この男は実は、連続絞殺事件の捜査にやってきたボニーの仮の姿だったのだ。彼は身分を隠し、牧場に住み込んで、いよいよ事件の調査に乗り出した。独特の風土を舞台に名警部ボニーの活躍を描くシリーズ第二弾! 内容紹介より



〈ボナパルト警部シリーズ〉です。
1937年に発表された作品らしく、主人公の造形が古風というか良い意味で時代を感じさせます。日本で出版されたのは1982年なのですが、越智道雄氏の訳も会話の部分が戦前のミステリを読んでいるみたいで懐かしい気がしました。
オーストラリアを舞台にしたミステリには、コニス・リトルの『記憶をなくして汽車の旅』があるけれど、あの作品の主人公はアメリカ人でしたし、大陸横断鉄道くらいしかその地の風物で印象に残る記述がなかったのに比べ、オーストラリアで育ったらしい作者が書いた本作では、過酷な自然と土着の言い伝えの箇所に目を引かれました。
特に、砂嵐の描写と木々を伝って移動し、被害者に襲いかかる絞殺魔とネイティブの間で言い伝えられる悪霊とのイメージが重なって、ネイティブと白人の血を引く主人公が恐怖を感じる部分は印象的です。アウトドアというか半野生の場所での捜査活動が他のミステリ作品と違っていて斬新な感じを受けました。




ボニーと風の絞殺魔 (1982年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)ボニーと風の絞殺魔 (1982年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1982/12)
アーサー・アップフィールド

商品詳細を見る

テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

てんちゃん1号

  • Author:てんちゃん1号
  • 海外ミステリなどの感想を誤字脱字、表現・文法間違いを交え、思い込みと偏見を持って書いています。そんな素晴らしいブログなのでリンクとか何でもフリーです。異次元、霊界、他惑星からもお気軽にどうぞ。

カテゴリー

最近の記事

月別アーカイブ

11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07 

ユーザータグ

短編集 ホラー SF アンソロジー クリスマス・ストーリー ルース・レンデル アーロン・エルキンズ スティーヴン・キング キャロリン・G・ハート デイヴィッド・ハンドラー ドン・ウィンズロウ ジョアン・フルーク ローラ・チャイルズ C・J・ボックス ジョージ・P・ペレケーノス マイクル・クライトン ジョー・R・ランズデール ヘニング・マンケル ポーラ・ゴズリング レジナルド・ヒル エド・マクベイン ジル・チャーチル ジェイムズ・パタースン ローレンス・ブロック ジェームズ・パターソン リチャード・マシスン S・J・ローザン カール・ハイアセン ジャネット・イヴァノヴィッチ リリアン・J・ブラウン D・M・ディヴァイン スチュアート・ウッズ パーネル・ホール ピーター・ラヴゼイ ジェフリー・ディーヴァー ローラ・リップマン アリス・キンバリー ジョルジュ・シムノン レックス・スタウト ジョー・ゴアズ ウィリアム・カッツ マーガレット・ミラー レスリー・メイヤー ジャック・カーリイ クレオ・コイル ヒラリー・ウォー アイザック・アシモフ カーター・ディクスン ジョン・ディクスン・カー マーシャ・マラー エド・ゴーマン コリン・ホルト・ソーヤー ルイーズ・ペニー マイケル・ボンド ジェフ・アボット イーヴリン・スミス ジェームズ・ヤッフェ フレッド・ヴァルガス ウィリアム・L・デアンドリア ロブ・ライアン リタ・メイ・ブラウン キャロリン・キーン G・M・フォード ポール・ドハティー ジャン=クリストフ・グランジェ リン・S・ハイタワー ダナ・レオン ドナ・アンドリューズ ウイリアム・P・マッギヴァーン サイモン・カーニック スタンリイ・エリン クリスチアナ・ブランド アン・クリーヴス アンソニー・ホロヴィッツ ジョアン・ハリス ケイト・ロス アンドレア・カミッレーリ ジョン・クリード レニー・エアース デイヴィッド・マレル コニス・リトル オーサ・ラーソン ファーン・マイケルズ レイ・ハリスン エヴァン・マーシャル ウィリアム・ランデイ ジャック・フィニイ ウォルター・モズリイ ビリー・レッツ サキ ジェーン・ラングトン ユージン・イジー イーサン・ブラック リック・ボイヤー エーリヒ・ケストナー ウォルター・サタスウェイト トバイアス・ウルフ ポール・ドハティ スタンリー・エリン 

ブログ内検索

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

リンク

RSSフィード

最近のトラックバック

最近のコメント