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『ビーチハウス』ジェイムズ・パタースン ヴィレッジブックス

2011-06-20

☆☆☆

ロングアイランドの田舎町に帰郷した見習い弁護士ジャックは愕然とした。弟ピーターの傷だらけの死体が海辺に打ち上げられたというのだ。ジャックは弟が殺害されたことを確信するが、警察は事故か自殺と主張する。どうやらアメリカ有数の権力者が犯行に関わっているため、警察は事件を揉み消したいらしい。怒りに燃えるジャックは、旧友たちとともに奇抜な復讐計画を企て、強力な権力の壁に敢然と立ち向かった!ベストセラー作家がスピーディに描く出色のサスペンス巨編! 内容紹介より



以下、ネタばれ気味です!ご注意ください。

共著者としてピーター・デ・ジョングがクレジットされています。
作品の構成はきっちりとふたつに分けられていて、前半部分が殺人事件、後半部分が事件をふまえた私設裁判です。明らかに暴行によって殺害された後に海へ遺棄された痕跡のある被害者を、自殺あるいは事故で死亡したものと結論付ける警察の歪曲された判断。地元警察と権力者による意図的な隠蔽工作を感じ取った被害者の家族は自分たちで正義を貫こうとする。こういう対立構造が分かりやすく設定されていています。文中でO・J・シンプソン事件を引き合いに出して法整備の不備を煽り、被害者側の行為を正当化または理由付けしています。主人公の恋人の変節とか、権力者の手先となる脅迫者の扱いなど、私設裁判へもっていくまでの前振りが結構短絡的かつありきたりで雑です。もともとのアイデア自体が西部劇をそのまま現代に置き換えたみたいなもので、町を支配する悪の権力者と市井の良民の真昼の決闘が銃を持ってではなく、ustreamみたいな配信下で弁論でもって行われるのがユニークであり今風です。
一連の事件の発端となった恐喝の真相は意外性があって巧いひねりだと思いました。

『闇に薔薇』ジェームズ・パターソン 講談社文庫
『血と薔薇』ジェームズ・パターソン 講談社文庫
『1番目に死がありき』ジェイムズ・パタースン 角川文庫
『チャンスは2度めぐる』ジェイムズ・パタースン 角川文庫




ビーチハウス (ヴィレッジブックス)ビーチハウス (ヴィレッジブックス)
(2003/05)
ジェイムズ・パタースン、ピーター デ・ジョング 他

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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