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「パンプルムース氏と飛行船」マイケル・ボンド 創元推理文庫
2006-01-05
グルメ・ガイドブック『ル・ギード』の覆面調査員パ氏と愛犬ポムフリットは、英仏間に就航する飛行船の両国首脳を乗せた記念飛行の機内食メニューを考案するよう編集長に命じられた。飛行場のあるブルターニュへ向かう途中、女性サーカス芸人と知り合うのだがその後、彼女は空中ブランコ中に事故に遭ってしまう。それからパ氏は国際的な大事件に巻き込まれるはめに。
パ氏シリーズ5作目。
本当は戌年に対抗して猫本を取り上げたかったのですが、手元に適当な本がないので、しかたなく犬本とも言えるこれ。それに新年早々、殺したとか殺されたとかという話をあれこれするのも人格的にどうかだし。
前作『パンプルムース家の犬』からの流れなのかこの作品もさらにまとまっているような。今回、ドタバタも控えめでお色気もそれほどは…、だからそれを楽しみにしている人には物足りないかもしれませんね。プロットも伏線もジグソーパズルのピースのように、最後には納まるところに納まり、このシリーズらしからぬきれいな終わり方をしています。作者のボンド氏も今回はユーモア・サスペンスとしてちょっと本気だしてますよ。
それでもって、なぜ作者はパ氏の愛犬でありグルメ犬をポムフリット(フライド・ポテトの意)と名付けたのか?それはいくらフランス料理に造詣が深いにしても、生まれながらに食していたフィッシュ・アンド・チップスを愛するイギリス人の血がそうさせたのだと想像するのでした。
テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌
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