コメントの投稿
『失踪家族』 リンウッド・バークレイ ヴィレッジブックス
2012-06-13
- Category : ☆☆☆☆
Tag :
ある日突然、14歳のシンシアだけを残して両親と兄、一家全員が姿を消した。それからン25年後、シンシアはわたしと結婚しつつましくも平和な家庭を築いていた。しかし、心の傷が癒されることななく、彼女はいまも真実を求め続けている。そんななか、あるテレビ番組に出演したことを機に不可解な出来事が起こりはじめ、関係者が次々と殺される。はたして25年前の失踪事件と関係があるのか?シンシアとの関係が危ぶまれるなか、わたしは家族を守るべく立ち上がった。が、そこに浮かびあがってきたのはシンシアの人生を翻弄してきた驚愕の事実だった……。失われた家族の悲劇を描く傑作スリラー。 内容紹介より
当たり前ですけれど失踪事件の謎で引っぱっている作品なので、読者はその謎についてあんなことやこんなことをいろいろ想像しながら読み進むのが楽しいし、きっと予想もしなかった真相が明らかになるかもしれないとか期待をふくらませてしまうのです。てっきり新基軸を打ち出しているとか、または、そこまでは行かなくとも新しい趣向が凝らされているのかと考えていたから、おおよそ真相が判明し始めるとちょっとテンションが下がり気味になるし、またストーリーにそれを補うだけのプラスαがあるのかどうかも……。特に、父親の人物像がしょぼすぎて涙も渇いてしまうほど。愛する者がああいうことをされて、あんな行動をとるものだろうかと、すごく不自然な思いがしました。主人公一家以外のその他の主要登場人物も画一的で動機すら単純過ぎて工夫が足りないように感じました。
おそらくサービス精神で付け加えたのかもしれないラストのヒネリについては、この人物には何かあるんだろなってかなり前から勘が働いているので、もう少し伏線を張るかいっそのこと無くしてしまったほうがさっぱりしたかもしれません。それと霊媒師みたいなひとを二回も登場させる必要は無いでしょう。
失踪家族 (ヴィレッジブックス) (2010/08/20) リンウッド ・バークレイ 商品詳細を見る |
テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌
トラックバック