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『部長刑事奮闘す』 チャールズ・ウィルフォード 扶桑社ミステリー

2012-09-05

Tag :

☆☆☆☆

マイアミ警察部長刑事ホウク・モウズリー、四十三歳。妻と離婚し、思春期の娘二人と暮らす男ヤモメのホウクにある日近郊コリア郡の農場でハイチ人労働者が変死した事件を潜入してさぐれという指令が下る。身分が分かるものはすべて隠し、求職者のふりをしてホウクは単身コリア郡に乗り込んだが、農場主ボックははじめからホウクを怪しんでいた ― 。一方、家庭のほうでも、トラブルの種は尽きない。中年男の哀愁を描いて絶賛をあびる名手ウィルフォードの傑作ユーモア刑事物語。内容紹介より



マイアミ・ポリス シリーズの第四作目。
迷宮入りになっていた医師射殺事件の再捜査、管轄外の農場で起きたハイチ人変死事件の潜入捜査、ホウクが逮捕し、その後、終身刑となっていたはずの実兄毒殺事件の犯人がホウクの家の向かいに引っ越してきた出来事、この三つの事柄が柱となって物語が進行していきます。そんななかで本書でかなり目に付き、このシリーズを特徴付けている部分が、主人公ホウクの家庭における私生活の様子を多く描いているところだと思います。一般的にハードボイルドでも警察小説においても、その主人公の私的な日常生活が細かく興味深く描かれるということは稀ですが、この作品では一家団らんの場面や娘たちとの何気ないやりとりが割りと頻繁に描かれています。そしてそれは一家庭人である主人公が警察官という公的な立場にたって行動した時、その別の姿を際立たせる効果をあげていると思います。特に、ハイチ人を働かせている農場への潜入捜査とその後の顛末は、まるでバイオレンス・アクションとクライム・ノベルを混ぜたような壮絶な展開を見せて読者をあっけに取らせます。つまり、本書は、警察小説の中でホームドラマとノワールが見事に融合した、これまでにない斬新な作品なのではないかと思ったのでした。また、主人公の家庭に影を落とす毒殺犯の存在とその後の意外な展開も物語の良いアクセントになっていました。

『マイアミ・ポリス』
『あぶない部長刑事』
ノン・シリーズ
『炎に消えた名画』




マイアミ・ポリス 部長刑事奮闘す (扶桑社ミステリー)マイアミ・ポリス 部長刑事奮闘す (扶桑社ミステリー)
(1992/06)
チャールズ・ウィルフォード

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テーマ : 推理小説・ミステリー
ジャンル : 本・雑誌

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